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みんなで作る未来?DAOという新しい組織づくりのヒント

 ここ数年、インターネット上で「DAO(ダオ)」という仕組みが注目されています。これは「Decentralized Autonomous Organization(分散型自律組織)」の略で、簡単に言えば「特定のリーダーがいない組織」を目指す考え方です。「そんな組織、本当に動くの?」と思うかもしれませんが、実は、このDAOを理解するには「オープンソース開発」というキーワードが参考になります。

オープンソースって何?
オープンソース開発は、プログラム(ソフトウェア)の設計図である「コード」をみんなに公開し、世界中の人が自由にアイデアや修正案を出し合ってソフトを良くしていく方法です。たとえば、有名なブラウザ「Firefox」やOS「Linux」は、数えきれないほど多くの人々が協力して作り上げました。誰でもコードを読めるし、意見を出せるし、合意が得られれば正式な機能として採用されます。

DAOも同じように見える?
DAOも、「みんなが対等な立場で提案や意見を出し、投票して決める」という点では、オープンソース開発に似ています。ただしプログラムの代わりに、「政策」や「企画」といった社会的なアイデアを公開して、みんなで話し合うイメージです。リーダーがいなくても、スマートコントラクトという自動ルール(プログラム)があるので、決まった条件に従って物事が動きます。まるで、学校の文化祭や地域のお祭りの企画を、全員でオープンに話し合い、フェアなルールで決めていく感じです。

でも、課題もあるんです
ただし、社会問題や政策は、プログラム開発よりずっと複雑です。法律や道徳、歴史や文化など、いろいろな要素が絡み合っています。プログラムのバグは直せても、社会問題は「やり直し」がきかないことも多い。また、意見がぶつかり合ったり、専門的な知識が必要だったりして、ただ投票するだけではうまくいかないかもしれません。

ファシリテーターが重要なわけ
そこで登場するのが「ファシリテーター」です。ファシリテーターは、参加者同士が対立したときに話し合いを整理したり、専門家の意見をわかりやすくまとめたりして、コミュニティーがより良い判断を下せるように助けます。少数意見が埋もれそうなときは、その意見をピックアップして全員に伝え、みんなで考えられるようにする役割も重要です。

前向きで建設的なコミュニティがカギ
さらに、ただファシリテーターがいるだけでは不十分です。参加者みんなが「前向きで建設的」に行動するコミュニティであることも大切。たとえば、意見を出すときは相手を批判するだけでなく、「どうしたらもっとよくなるか」を考える姿勢が求められます。相手の立場や考え方に耳を傾け、共通点や妥協点を探る努力をすれば、よりすぐれた合意にたどり着きやすくなります。

まとめ
DAOは「オープンソースのプログラム開発」のように、誰もが参加でき、透明なルールで動く仕組みを目指します。しかし、社会的な問題は一筋縄ではいかず、対立や難しい判断が必要になります。そこで、ファシリテーターが合意形成を手助けし、さらにコミュニティ全体が「前向きで建設的」な態度を持つことで、DAOはただの投票マシンではなく、本当に役立つ意思決定の場になれます。みんなで互いを尊重し合い、協力しながら最善策を探る――そんな理想的なコミュニティが、DAOの可能性を最大限に引き出すのです。

実は我々イー・エージェンシーではファシリテーションを実践して15年!
 実はイー・エージェンシーでは、2009年から社会応援活動として「ヨクスル」という取り組みを行ってます。ヨクスルは「つながり、共感、応援」をコンセプトに、地域でチャレンジする人を応援し、コミュニティづくりを促すための活動です。
 強いリーダーが引っ張るようなコミュニティというよりも、共感できる志をみんなで支えながら運営するコミュニティづくりを各地で応援してきました。そこで鍛えられたのがファシリテーション能力。
5年前にヨクスル式ファシリテーション講座の動画を作りましたので、ぜひ、ご笑覧ください。

ヨクスル式ファシリテーション講座(自分たち的には神回!)
 新しいテクノロジーが次々に生まれるDAOの時代に役立つ能力であってくれればと願います(笑)。


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