詩人系大学生YouTuber、年魚市すずの考察
2020年12月末。ガルラジ公式Twitterにより突如、チーム別に少女たちの近況が連日報告された。そこにはコロナ禍という未曾有の事態の影響を少なからず受けている様子がありありと記されており、界隈は一時騒然とした。けれど同時に、彼女たちが現在の自分たちのように「いまを生きている」ことにコンテンツとしての完成度を再度確認できたことも事実であろう。
さて、そんな中でも今回私が注目したのが、チーム富士川の年魚市すずさんである。
ノートの中からラジオ放送、AO試験の論文を経て遂にYoutubeを舞台にポエムを詠むようになった年魚市さん。暇を持て余していたとはいえ予想外の行動にでた彼女に驚愕したことを覚えている。
けれどその数分後、あることに気づく。
「いるじゃん。」
私の身近にも大学生活の余暇を用いてYoutubeを始めた友人がいたのだった。彼はオンライン講義が始まった5月くらいからずっと暇だ暇だと言っていて、ゲーミングPCを買ってからは動画の制作を練習し投稿するようになっていた。
そうして年魚市さんの行動がなんとなく理解でき、よりガルラジ特別編への期待が膨らんだのが今から約3週間前の話だった。
新たな気付きはつい先日、noteに新年の抱負を綴っていた時のことだった。
幸い、昨年から私はPixiv等に文章を投稿するようになったので目標設定のネタには事欠かない。
上の文を書いていた時に、私はなんとなく思ったのだった。
「あれ、私も年魚市さんと似たようなことやってない?」
私は7月の末頃からPixivにて二次創作SSを投稿するようになった。当時は前期末試験期間真っ只中であったが、莫大な余暇があったにもかかわらず前期中に何も生産的な行動をとれていなかった自分に苛立ちを覚え、そんなフラストレーションを創作にぶつけたことがきっかけであった。今でも頻度こそ落ちてはいるが、多分にある時間をnoteやPixivに文を投稿するという形で埋めていくようになったのは昨年からだった。
そうして年魚市さんの行動に対し自分という視点を置いたとき、彼女の行動の新たな側面が見えた気がした。
要するに、彼女は人とのつながりを欲していたんじゃないか。あまり友人を積極的に作らない年魚市さんであっても、おそらく今の萬歳さんのような新たな人々に囲まれた大学生活を思い描いていたのだと思う。けれどそんな生活は終ぞ叶わず、一人部屋の中で特にやることもないまま時間が過ぎていく。暇を持て余すということは、その暇を共有し分かち合う人もいないということだ。それに彼女は一昨年までと違い「ガルラジ」のような繋がりを感じることのできるツールを持っていなかった。そんなとき、年魚市さんは少なからず孤独感を感じたのではないか。
そんな心の隙間を埋める解決方法として彼女の中で一番に上がったのがYoutubeだった。動画を撮って編集し投稿するという作業にある程度の時間を要し、その上投稿すれば人数の大小にこそ違いがあれ人に聴いてもらえる。彼女の苦悩を解決するには一石二鳥な媒体であったのだろう。結果的に、意識の高い年魚市さんはより再生回数が伸びるように研究に勤しんでいる様子であり、YouTubeが彼女の日常の充足に寄与できているようで何よりである。
と、まあここまで年魚市すずさんに関して考察してきた。かなり主観性の強い根拠で組み立てられてはいるが、自分の中で彼女の行動の意図について納得のいく解釈ができたので満足している。考えれば考えるほど見せつけられていくガルラジの「質感」には脱帽する他ない。
あと1週間足らずでガルラジ特別編が「ListenGo(リスンゴ)」へと新たに舞台を変え公開となる。記念すべきトップバッターはなんと二兎×年魚市ペアである。
片や何でも屋の社長、片や詩人系大学生YouTuberの幼馴染みコンビでの放送は一体どうなるのか。Vプリカが対応していることを心から願いつつ期待して待つことにする。
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