ちょっと不思議な発見と、小さな感動をした話。
ここ最近、朝起きると、アルミサッシの引き戸を開けてベランダに出るのが習慣になってしまった。
5月8日、今日もベランダに出て、上空を見上げる。雲がなく、青い空が広がっていた。天気の良い日は、気持ちまで、元気になる。
「今日も、多摩川まで散策に出かけよう」
部屋に戻ろうとして、違和感を感じた。何かがおかしい。ベランダの前に広がる芝生の緑。
すぐ、違和感の理由に気が付いた。
黄色い花が咲いていない。
公団住宅の庭は、手入れが行き届いておらず、芝生の間に雑草がたくさん生えていた。緑色の中に、タンポポに似た黄色い花が100本近く点綴するように咲いていて、コントラストがきれいだった。
昨日見たはずの、その黄色い花が咲いていない。
私の勘違いだろうか?
黄色い花は、もう枯れてしまったのだろうか?
不思議だった。
部屋に戻って、朝食を摂り、その後、パソコンを起動し、管理しているサイトのアクセス解析のページを見て、訪問者数を確認する。1時間ほど経ってからだと思う、洗濯物を干そうとベランダに出て、気が付いた。
「えっ!」
芝生一面に黄色い花が咲いている。今朝見た光景とまるで違う。
タンポポに似た黄色い花は、夜はしぼみ、昼は花を開かせる植物なのだろうか。私が朝見たときは、まだ花はしぼんでいたのだ。
「これはおもしろい!」
いま、花が咲いているところを撮影し、明日、日が昇った頃、花がしぼんでいるところも撮影して、noteに公開すれば「おもしろいかも」と考えた。で、撮影したのが下の画像。
昼食後、多摩川に行き、帰宅後、ネットで黄色い花を調べた。
その花の名前は、ブタナ(豚菜)。
かわいそうな名前だ。名前の由来は、フランスで「豚のサラダ」を意味する「Salade de pore」を、日本語に訳したところからきているとか。豚が好んで食べる花なので「豚のサラダ」。それをそのまま和訳して名付けてしまう感性、どうかと思うけど、外来種で嫌われていたのかな。
ブタナはヨーロッパ原産で、日本では1930年代に札幌近郊や兵庫県で初めて確認されたそうだ。いまでは北海道から北日本を中心とした各地に広がっているとか。
姿や形がタンポポに似ているところから別名をタンポポモドキともいう。 こっちのほうがいい。
さらにネットで調べていたら、「傾性運動」という言葉を見つけた。
植物が葉や花弁を閉じたり開いたりする運動のことを「傾性運動」と呼ぶらしい。
傾性運動を起こさせる原因は植物の種類によって同じではありませんが、一般には温度が関係しています。
自然状態では朝光が当たり始めると花が開くことが多いのですが、その時は普通気温も上昇し始めています。光が全く関係ないかどうかということは、花の種類ごとに厳密な実験をしてみないとわかりませんが、幾つかの実験報告では光は直接関係ないという結論が出ています。ではなぜ温度が上昇すると開き始め、下がると閉じるのでしょうか。
「えッ」
光は関係ないの。時計を見ると、午後4時半。まさか、と思ってベランダに出て見ると…。
芝生は一面緑色で、黄色いものは何もない。
黄色い花がしぼんでいた。
日はまだ差しているのに、風が強く、気温が下がってきたため、ブタナは花をしぼませたのだ。
そして、撮影したのが下の画像。
ね、1日のなかでこんなに変化したら驚くでしょう。
※ベランダから見た庭の光景も撮影したんだけど、画像では花が小さすぎて、実際、見た光景の驚きが伝わらない。で、仕方なく庭に降りて撮影した。
【付録】
多摩川に行った帰りに見つけた紫詰草(ムラサキツメクサ)。子どもの頃、田んぼの畦道でよく見かけた記憶がある。確か、花の塊のひとつを引っ張って抜き、チューチューと蜜を吸ったのだ。甘かった。
三つ葉のクローバーは、この花だったかな? と思い調べたら白詰草(シロツメクサ)のことらしい。マメ科の同じ仲間で、花は紫詰草と違い、白い花を咲かせる。
紫詰草も葉の数は大体3枚で、稀に4枚のものもあるとか。今度、四つ葉を探してみよう。
日常生活が元に戻りますように。