換羽期中のハシブトカラスの顔は不細工で哀しい。

　鳥の羽の生え変わりの時期を換羽期（かんうき）という。一定の順序で羽が新しい羽に押しやられ抜け落ち、すべての羽が生まれ変わる。繁殖期が終わった夏から秋にかけて行われる。

　私がハシブトカラスのオス「クロさん」と出会ったのは今年5月のこと。住まいの近くの樹木の上に奥さんと巣をつくり子育中の頃だ。子どもは両親に養われて30～35日ほどで巣立つらしいが、その1羽「アマちゃん」は、「クロさん」にベッタリで6月になっても餌をねだりずっとまとわりついて離れない。やっと親離れしたのは7月中旬頃。

　8月になると子育てが終わって安心したのか「クロさん」の顔の羽毛が抜け出し、日に日にひどくなった。子育て中は、換羽も安心してできないらしい。

　2023年8月24日、そのクロさんの悲惨な顔を撮影した。首筋の羽毛も抜け出している。クロさんの奥さんも、同じような状態。いつになったら元の凛々しいゴツい顔になるのかな。

ハシブトカラスの「クロさん」。カメラを構えるとすぐ逃げるので、撮影が難しい。

換羽のため悲惨な状態になったクロさんの顔。8月24日撮影。頭はモヒカン刈りのようになっている。

本の装丁風イラスト。こんな本があればいいのにね。