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二次創作同人アンソロジー初主催備忘録

先日、初めて二次創作同人アンソロジーを主催したので、その経験をnoteにまとめることにしました。
主催するにあたり、数々のnoteを参考にさせていただいております。そして「はじめてアンソロジーを作る人へ」系のノウハウ記事は、既に素晴らしいものがたくさんあるということを重々承知しておりますので、初主催としてどうやって石橋を叩きながら作っていったかを中心に、備忘録としてまとめました。
今後、アンソロジーを主催したいと思っている方が、このアンソロジーはどんな感じで作られていったのだろう……とイメージしやすいものになればよいな、と思っておりますが、
✓少人数(参加者主催含め6人)
✓小説のみ
✓完全依頼型
のアンソロジーでしたので、参考になる方は限られるかと思います。
以上、予めご了承くださると幸いです。
※大前提として夢小説のアンソロジーです。キャラ名伏せていますが、画像などでわかるようになってしまっているので、こちらも予めご了承ください。


◆はじめに:私が作るものはアンソロジーと名乗っていいのか

アンソロジーを作ってみたいな…と思い始めた私がぶっちゃけ初めにぶつかったのがこれだったので、早速主催した経験から逸れたこと書くんかい!という感じですが、一応書きます。知っとるわ、という方は読み飛ばしてください。
いわゆる「二次創作のアンソロジー」というと「同カプ創作者の愛を可能な限り全部詰め込む=漫画&小説全部を詰め込んだ分厚い豪華本」というイメージが何となくあります。要は祭りです。それはそれで目出度い感じがして好きですし、最早文化だと思っています。
しかし、私にはそんな人脈はない。
わがままを言えば、小説は文庫サイズで書籍用紙で綺麗に組まれたものが好きだし、漫画はB5かA5かコミックサイズでザラ紙が好き。そして、夢というジャンル上の問題もあるのだろうが、ある程度夢をたしなむ方向性が合っている夢書きの方々を集めてみたい……となると、これはアンソロジーなのか、合同誌なのか、ゲスト本なのか。
数人の知人オタクらに聞いても「10人以上執筆者がいないとアンソロジーっぽくない」という意見から「1人アンソロジーもあるから自由」という意見もあり、なんとなく「作家のマインド次第」のような印象を受けました。調べてみても「作者がそう言っているんだからそう」みたいな答えも多く、それぞれのサイトで書いていることがいろいろあって混乱。
なので、ひとまず私が調べた限りの平均的な定義っぽいものをまとめます。

■アンソロジー
①1人以上の執筆者がいる(1人の場合は個人誌と同種になる)
②主催(および副主催)が制作費用を全て負担する
③分量は主催が執筆陣に対して平等に配分(依頼時に平等、最終的に長短あり)
■合同誌
①2人以上の執筆者がいる
②執筆者全員が平等に制作費用を負担する(分割出資)
③分量に関しての記述はあまりなかったが、基本的に執筆陣平等の配分が多いらしい
■ゲスト本
①2人以上の執筆者がいる
②主催が制作費用を全て負担する
③分量は主催が大半であり、ゲストはその半分ほどの量。主催を越えるとゲスト本とは言い難くなる

上記で認識した結果、私が作るのは「アンソロジー」になるなと思いましたので、アンソロジーを名乗ることに決めました。もし私のように偏った思想のもと、企画を検討している方がいらっしゃいましたらご参考になればと思います。

◆アンソロジーの企画――どんなアンソロジーを「作れるか」を考える

やってよかったこと①やりたいことと己のキャパシティを把握

アンソロジーを作ろう!となるとテーマであったりに思いを馳せてしまいそうになりますが、ひとまず「やりたいことと己のキャパシティの把握」をしました。
初めて主催する、というのもありましたが、他人を巻き込む以上、「運営側として迷惑をかけないようにする」ことを第一に考えて大枠を作ったほうが良いと思ったからです。
器用な方はできると思いますが、アンソロジー主催はそんな頻発するものではない……ということもあり、どんな装丁にチャレンジしたいか、どんな体裁が好みか等々、思いついたものだったら何でも書き出してみました。そうすることで、改めて己のキャパシティに沿って、どんなアンソロジーを「作るか」ではなく「作れるか」を理解するのが重要なのではないか、そして後悔しない大事なアンソロジーを作るコツなのではないかなと思います。
※たぶんこれを逸脱して「やるんだよ……!!(ガッツ・やる気のみ)」で強行突破すると破滅すると思います。まぁ、仕事と一緒ですね…まぁ趣味だからいいんですけど、破滅に他人を巻き込むのは完全に罪ですので……

今回、初めてアンソロジーを主催する立場で、私が書き出したのはおおまかに下記となります。
《やりたいこと》
・体裁に統一感があるものを作りたい(三点リーダーや場面区切りの空行、漢数字統一など)
・箔押しをコスモテックさんに頼んでみたい
・三方印刷とか三方箔が気になる
・ブックケースつけてみたい
・主催として責任をもって校閲&校正したい
・自分自身の嗜好に合致した作品を集めたい
・できれば1話10,000字以上のものを読みたい
・WEBアンソロジーもできる今、本にする意味を何かしら作りたい(読書体験をモノ自体からも豊かにしたい)
・一読した時に1000字ほど感想をメールで伝えたいし、献本時に改めて1000字くらい感想を手紙で伝えたい(自分がやられたら嬉しいから)
・ギフト券もいいけど、記念になるような粗品を御渡ししたい

《己のキャパシティ》
・漫画原稿は扱えない(ノウハウがない)
・魅力的な装丁を作れない(ノウハウがない)
・平日アンソロに使える時間は2時間くらい(基本21時就寝の6時起床、フルタイム勤務)
・休日はフルで使える日が何日かありそう
・自分の読む速度と理解力を考えると素読み3回はしないと校正&校閲はできない
・仕事の繁忙期もあるし、自分の作品を満足いくまで書くと考えると3か月くらい執筆期間が欲しい

以上を照らし合わせて、まず導くのは「最低条件」です。
絶対これはやるべきではない、というものを最初に定めて、今後、具体的に詰めながらついつい欲が出たとしても触れぬ掟とします。
今回は、
・小説のみのアンソロジーにする
・装丁は外部デザイナーさんに頼む
というのが、最低条件だとわかります
ノウハウがない=迷惑をかけること必至なので、他人を巻き込む時に挑戦すべきではないからです。
加えて
・「依頼型」にする
というのも欠かせない要素(主催のプライベートの確保・夢傾向の限定・10,000字以上のお原稿を引き受けてくださる方・主催の校閲や校正を許してもらうため)のように思えますので、初主催で公募は無理だろうなぁとは思っていましたが、依頼型としました。

やってよかったこと②余裕のあるざっくりスケジュールを立て、その終わりを絶対ずらさない

次に、この最低条件と余裕のあるざっくりスケジュールを立て、その終わりを絶対ずらさないことを念頭に、下記の3つの軸を植え方順番に決めていきます。

  1. 頒布イベントの決定

  2. 本の仕様決定

  3. 依頼仕様決定

1.頒布イベントの決定
おしりが決まったほうが物事は進みますので、仕様でやりたいことを全部叶えた場合のスケジュール=MAXスケジュールを出します。

ざっくりと工程別に、ざっくりと切り上げたスケジュールを出していきます。いつ体調を崩すかわかりませんし、そもそも仕事と違って納期を自分で決められますので余裕があるに越したことはありません。目安として載せておきます。

できあがったアンソロジーざっくりスケジュールを元に、企画を立ち上げたのが12月上旬だったので、下記のようになりました。

12月末日 執筆者募集締め切り
1月~3月 装丁発注(背幅などはギリギリまでわからないので、いつまで待てるかデザイナーさんに要確認)
6月上旬 原稿〆切(大人数の場合は、何回かに〆切を区切ったほうが良いと思います)
7月上旬 印刷所&コスモテックさんに入稿
8月上旬 見本出来
8月中旬 頒布できる状態になる

ということで、8月下旬以降なら余裕を見て頒布ができるであろうことがわかります。

8月下旬以降のジャンルオンリーイベントをチェックし、今回は、自身の誕生日にまさかのジャンルオンリー開催が決まっていたので即決しました。(ジャンルオンリーの他に何か意味があると燃える)

スケジュールのおしりが決まったので、そのおしりからざっくりスケジュールの中身を詰めていきます。

2.本の仕様決定
本の仕様を固めて、原稿〆切の日を決めていきます。
判型は小説のみということで、A6(文庫)サイズで即決。
そのうえで、「やりたいこと」で上げたものを見返してみて、本の体裁に関係あるものをピックアップしてみます。
・体裁に統一感があるものを作りたい
・WEBアンソロジーもできる今、本にする意味を何かしら作りたい(読書体験をモノ自体からも豊かにしたい)
・箔押しをコスモテックさんでしたい
・三方印刷とか三方箔が気になる
・ブックケースつけてみたい
下3つはお金を出せば何とかなる部分ですので、いったん「何かしらに箔押し」「三方印刷or三方箔」「ブックケース」を込みにして「読書体験をモノ自体からも豊かにしたい」というところから、企画を練り、装丁デザイナーさんに依頼します。
装丁デザインについての企画・こだわりは別途Smarksさんへ装丁記録(注1)をしましたので、お時間ありましたらご覧いただけますと嬉しいですが、ここでは割愛しまして、ひとまず「酒飲みアンソロジーだし、ブックケースを酒瓶にして酒のラベルを貼ったら面白いんじゃないか…!?」ということで、「シールに箔押し」「三方印刷」「ブックケース」に決めましたということだけ書きます。

また、体裁を統一するための一工夫として、組版を外部依頼することにしました。(もし装丁デザイナーさんが組版も出来るということでしたら、進行管理がしやすいので、一式で依頼したほうがいいかもしれません。今回はお願いしたかったデザイナーさんでは対応不可だったので、組版専門のデザイナーさんに頼みました)
普段縦式(注2)で組んでいて、あまり不便も感じていないのですが(本当に縦式は凄いアプリ…)InDesignで組むと商業本みたいな雰囲気が出ますし、ノンブルや場面区切り記号などでも遊ぶことができます。
違いがわかりやすいかもしれないので載せてみます。

縦式で自分で組んだもの(私の個人誌)
シンプルな紙面で良ければ十分だと思います
今回組版・本文デザインいただいたもの
柱のデザインや場面区切り記号に遊び心が加わります
本になった時「読みやすい」と思えます

ただし、組版デザイナーさんに出す以上、気を付けるべきことが増えます。
✓原稿の〆切後に、執筆者からの修正を受けるのが難しくなる
✓組版デザイナーさんのスケジュールを確保しなくてはならない

今回は、ざっくりスケジュールで原稿〆切から入稿まで1ヶ月とっていたので、そこを使う形で原稿〆切までの期間を短くするのはやめました(ざっくりスケジュールの利点が早速活きました)ただ、もし執筆者が多い場合は、原稿〆切までの期間を短くするのではなく、もう一度頒布予定のイベントから見直して、おしりをずらさないようにした方が良いと思います。
ということで原稿〆切は当初通り6月上旬に据え置きとしました。

③依頼仕様決定
ここまでくると、だいぶ仕様が具体的になってきたので、執筆依頼を作ることができます。
自分の理想のアンソロジーを作るためにも、自分の生活を守るためにも、非常に重要な部分です。いかに揉めないか。これを肝に銘じ、契約書と思って粛々と作成したほうが良いと思います。
しかし、ここで「最初からガチガチ粛々系の依頼文を送られたらどう思うだろう……」とチキンな私は思いました。
ただでさえ控えめな規模の界隈なうえに、活動されている方も少なくなってきている。1年以上も活動されていない方やほぼ浮上されていない方、連絡手段がどうしても見当たらない方も多い。元々交流があって嗜好が合っていると(私が勝手に)思っている方、ほぼ交流がなくとも絶対声かけないと後悔するくらい嗜好が合っていると(私が勝手に)思っている方をあげたら両手で足りる数。まぁ、断られたら、ただ参加人数が減るだけで、最悪私の個人アンソロジーだなと覚悟は決まっているが、少なくともほぼ交流のない方に初手で長々と依頼メールを送るのはできない。しかし書かないで後悔することになっては本末転倒……。
ということで、依頼を2段階構成にしました。簡易バージョンでジャブ(依頼)をかまし、本バージョンを読んでいただいた上で参加を判断いただく、という流れです(親しくさせていただいている方はこの限りではありません)これで面倒だと思われたら仕方ない。初めてアンソロジーを企画するわけですし、石橋を叩いて渡ってもいいだろうということで、この手段を選びました。

さて、依頼要素としては下記になります。(★は簡易バージョンにも採用しましたが内容はあくまで簡易にしてます)

★発行予定イベント
★テーマ
★依頼ページ数
★原稿〆切
★謝礼
・作品に関する注意とお願い
・原稿提出方法
・告知について
・寄稿した原稿はいつから個人の場で公開が可能か
・連絡方法

アンソロの多くはフォーマットが存在していますが、今回は外部組版を頼んでいるため、フォーマットの項目はありません。
また通頒についても、要望があるかわからなかったので、もう少し近くになったら決定することにしたく、載せませんでした。もし最初から決まっていた場合、書くべき項目かなと思います。

◆ご依頼&進行管理

依頼文と進行スケジュールが決まれば、残るは勇気を出してスタートを切ることだけです。
ただ、初主催ということで、出来るだけ事前に石橋を叩いておくべく、下記2点をやってみたところ、結構よかったのでご紹介します。

やってよかったこと①メールを送る日を最初から決めておく

急を要する連絡が発生してしまった場合は仕方がないですが、〆切のリマインド(正直あまり気が進まないけど主催としてやらなければならないこと)は事前に日程を決めて、何なら文面までほとんど作っておいて、事務的にやると心の負担が少なかったです。
また、思い立ったタイミングごとに連絡すると参加者にも負担をかけてしまい、連絡への注意も散漫になってしまうので、予定していなかった内容を連絡したいなと思った場合も、できるだけ事前に決めた発信タイミングに合わせることを心掛けました。
参考までに事前に決めた発信タイミングと発信内容を書いてみます。

✓1月18日(目安:参加〆切から約2週間後)
 ・参加お礼と参加予定人数のご連絡
 ・装丁に入れるハンドルネームの確認(装丁同時進行のため)
✓3月22日(目安:いよいよ告知が始まる時期、〆切約2か月前)
 ・〆切2か月前のリマインド
 ・告知アカウント開設のお知らせ&告知スケジュールのご連絡とお願い
 ・通販の予定について
 ・コメントカットの情報入力のお願い
✓5月4日(目安:〆切1か月前)
 ・〆切1か月前リマインド
 ・コメントカットの情報入力のリマインド
✓5月27日(目安:〆切1週間前)
 ・〆切1週間前リマインド
 ・コメントカットの情報入力のリマインド
✓7月2日(目安:入稿完了後)
 ・入稿完了のご報告とお礼
 ・献本方法のご確認
 ・主催発信のサンプル公開について
 ・執筆者様自身のサンプル公開について(任意)
✓8月27日(目安:頒布イベントから数日以内)
 ・頒布できたことへのお礼
 ・次回頒布イベントのご連絡
 ・献本時の住所破棄完了のご連絡
 ・寄稿した原稿はいつから個人の場で公開が可能かのご連絡

やってよかったこと②メールタイトルを統一する

受け取った執筆者様が把握しやすいからというのもありますが、こちらも管理がしやすいというのがあります。
私の場合、
【○○○】A×夢主酒アンソロジー「カクテル」ご連絡20240322
のような形にしました。
【】内は【要ご確認】【要ご返信】の他、【〆切まであと○○日です!】という使い方もしました。ビジネスメールっぽいですが、わかりやすさが命なのでそれでよいと思います。

以下、参考までに実際の依頼文を少し加工して載せておきます(他noteで非常にお世話になったため)

【参考:初回依頼文】

○○さま
初めまして、【主催名】と申します。
突然ですが、当方主催でA×夢主(女主人公・ネームレス)のプチアンソロジーを企画しておりまして、○○様に寄稿していただけないかとお声がけさせていただきました。
初めから詳細を長々とお伝えするのも失礼かと思いますので、概要をまとめさせていただきます。
■発行予定イベント
COMIC CITY VEGA 2024にて頒布予定(2024年8月25日)
(イベントURL)
■テーマ
「酒を飲む」
をテーマにしたA×夢主(女主人公・ネームレス)の夢小説(全年齢対象)
■〆切
2024年6月2日(日)中
※発行に対して早くて申し訳ないのですが、今回特殊装丁・外部組版を依頼するため、この期限とさせていただきます。
※外部組版依頼のため、ご提出後の修正が難しくなります。予めご了承ください。
■依頼ページ数
20〜40ページ(文庫サイズ)
※文字数ですと1万字〜2万字程度(応相談)
■謝礼
アンソロジーの献本(1冊)、粗品
以上が簡単な企画内容となります。
執筆依頼のお返事は、こちらの都合で申し訳ないのですが、12月末日までにいただけますようお願いいたします。
年の瀬のお忙しい中、お目通しいただきありがとうございました。
是非、ご検討いただけますと幸いです。
Mail:メールアドレス
X(旧Twitter):アカウント名
「サークル名」(主催名)

【参考:詳細依頼文】

○○さま
お世話になっております。
この度は年末のお忙しい中、お返事いただきありがとうございます。
そして、アンソロジーに興味を持っていただきありがとうございます!
詳細依頼につきまして、下記に載せさせていただきます。長くなりまして申し訳ありませんが、ご覧いただき、ご判断いただけますと幸いです。
■︎発行予定イベント
COMIC CITY VEGA 2024にて頒布予定(2024年8月25日)
(イベントURL)
■アンソロジーのタイトル
○○○
■︎テーマ
「酒を飲む」
をテーマにしたA×夢主(女主人公・ネームレス)の夢小説(全年齢対象)
居酒屋で駄弁ったり、お酒で失敗したり、初めてお酒を飲んで不思議な感覚になったお話などなど、Aとお酒を飲むシーンがあればOKでございます。
■作品に関する注意とお願い
・言葉通り「酒」を「飲む」ことになりますので、Aおよび夢主さんは必ず「成人済み」そしてできれば「社会人」でお願いいたします。未成年飲酒はNGです。
・全年齢対象のため事前・事後描写=性行為を匂わせるだけで具体的な描写はない、はOKとします。実際の行為描写はNGとなります。合わせて、猟奇的な表現などもNGでお願いいたします。
・Aや夢主問わず、ザルでも下戸でも結構です。
・装丁がどちらかというとポップになる予定ですので、全体的にシリアス寄りでも最後はハッピーエンドにしていただけますと幸いです。
・原作世界での居酒屋やバル、食事処に主催が思いを馳せたい&皆様の妄想を是非とも拝見したいため、できれば「現パロ」ではなく「未来設定」でお願いできますと幸いです。
■本文印刷仕様
文庫版・本文1cスミ
■原稿提出方法
プレーンテキストファイル(拡張子「.txt」)かWordファイルをメール添付にてお送りください。
※今回、一冊を通して組版を統一したく思っておりますため、PDFではなく上記ファイルでの提出をお願いいたします。あらかじめご了承ください。
■依頼ページ数
20〜40ページ
※文字数ですと1万字弱〜2万字程度
※装丁の設計をする上での参考文字数ですので、あまり縛られなくて問題ありませんが、大幅にオーバーする場合は事前にご相談いただけますと幸いです。
※他、コメントカットを1〜2文ほどいただく予定です。こちらにつきましては後日Googleフォームにて伺います。
■︎原稿〆切
2024年6月2日(日)中
※発行に対して早くて申し訳ないのですが、今回特殊装丁・外部組版依頼をするため、この期限とさせていただきます。
※外部組版依頼のため、ご提出後の修正が難しくなります。予めご了承ください。
■謝礼
アンソロジーの献本(1冊)、粗品
※謝礼方法につきましても、後日Googleフォームにて対応方法を伺う予定です(直渡しor配送など。配送の場合、住所をご教示いただくことになりますので、予めご了承ください)
■告知について
来年4月頃に、告知用のXアカウントを設置予定です。
組版後のサンプル1ページ分などもこちらに掲載させていただく予定です。
設置しましたら参加者の方々にはメールにて個別にご連絡いたします。
フォローなどはお任せしますが、RPなどご協力いただけますと幸いです。
■寄稿いただいたお原稿はいつから個人の場で無料公開可能か
発行日から1年後(2025年8月25日〜)でお願いいたします。
■連絡方法
基本的にメールになります(メールアドレス)
見落とし防止や重複防止のためです。
〆切までの間、何度か御進捗を確認することがあると思いますが、予めご了承ください。
以上となります。
また、一応、事前にお伝えしたほうがいいかなと思うこととしては、
今回は公募は一切なし、完全に依頼型のアンソロジーとなります。
いわゆる同人誌の「アンソロジー執筆者20人!」というものではなく、イメージとしては一般書籍の小説アンソロジーに近いです。
(今回、漫画やイラストは募集していません)
なので、お祭りだー!というものを期待されていると違うかもしれません。
主催の気持ちとしてはお祭りなのですが、キャパシティを超えるのが怖いため、対応できる範囲のもので、執筆いただいたものにしっかりお応えできる良い本を作らせていただきたいと思っています。
他、ご質問などありましたらご連絡いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いします。
X(旧Twitter):アカウント名
「サークル名」(主催名)

◆主催による校正&校閲

執筆陣の皆様のおかげで、無事に期限内にすべての作品を提出いただくことが出来ました。
もちろん、やりたいことの1つであった「初読み後に書いた1000字くらいの感想」も皆様に送りました笑 後から読むと恥ずかしいものではありますが、アンソロジーにこの作品を載せさせていただくことが本当に嬉しいこと、そして興奮が一番伝えられる方法なのではないかなと思います(何より自分も感想をいただけるのは本当に嬉しい)

さて、感想をしたためることで興奮を落ち着かせ、これまたやりたいことの1つである「主催として責任をもって校閲&校正したい」を叶えていきます。落ち着いて向き合わなくてはならない部分です。
方法としては単純。

やってよかったこと①複数回の素読みの後、校正ツールに頼る

となります。
①3回ほど素読み
②文章校正ツールに流す(私が使っていたのはこちら→https://enno.jp/
③校正ツールの指摘と誤字脱字誤用、気になった表現について(文の意味が重なってしまっていたり、時間軸の矛盾、ルビがあったほうが良いなど)
という3段階です。
こんな感じでコメントをいれて対応させていただきました(執筆者様より掲載了承済み)

あくまでも寄稿いただいたお原稿なので、あまり触れるべきではないのですが、

やってよかったこと②誤字脱字誤用以外の表現については恐れず確認&提案

の姿勢で挑みました。
正直ウザいかな……と思うこともありましたが、力を緩めることなく、気になった箇所は全てコメントさせていただきました。
結果的に、執筆者の皆様からは好評でホッとしました……「私がやられたら嬉しい」理論で、作品への確認や提案は嬉しいからこそやっていたのですが、ヒヤヒヤしていた部分ではあったので……。
上記のやり取りを各々複数回こなせたのも、真摯に迅速に対応いただいた執筆者の皆様のおかげだと思います。やりとり自体が非常に有意義なものとなり、自分自身勉強になりました。改めてお礼申し上げます。
なお、今回は「お返事がない」ということはなかったのですが、もしお返事がなかった場合、お原稿のママでいくべきなのであしからず……本来はお原稿こそ「正」ですので……。

◆宣伝対応

流れ的には、装丁の対応も完了、本文デザインも完了し、無事に入稿!という段階まで来ましたが、少し戻って宣伝対応についても書きたいと思います。
アンソロやるならしっかり宣伝!と多くのnoteでも書かれていますが、お原稿をお預かりしている以上、個人誌以上に告知は気張らなくてなりません。
今回、界隈がそこまで大きくなく、私自身が頒布予定イベントまでにイベントに出る予定もなかったので、ビラなどは作成せず、X(旧Twitter)の告知のみでいきました。
なお、告知アカウントを最初に作る、というのもよく見るのですが、私はあまり早く作っても、それまでのイベントごとにビラを配れるわけでもなく、そんなに告知するネタがあるかというと厳しそう……ということで、アカウントは【頒布4か月前】に作成しました。全く問題なかったです。

やってよかったこと①事前にスケジュールを作っておく

告知が始まる時期は、お原稿対応、そして自らの原稿で大変かも……
もしかしたら家族の事情で時間が取れないかも……
という可能性を鑑み、初主催である私は、ここでも石橋を叩くべく、事前に告知スケジュールを作成しました。はっきりと見えないところは上旬、中旬、下旬で逃げてしまっても良いと思います。
用意できるものは用意するに越したことはありませんし、作っておけば執筆者の方への事前のご連絡にも役立ちます。

ポイントとしては、
✓どれをRP協力してもらいたいか
✓どれにメンションがつく=通知がいくか
をわかりやすくするところかなと思います。
告知をするに越したことはありませんが、全部をRPいただくのは忍びない……であれば、一目でこちらの希望がわかるようにしよう!という感じです。もちろんRPは強要できるものではありませんが「お手数ですが何卒……!」という姿勢は大切かなと思います。
メンションについては、予めお伝えすることでびっくりされないように、という配慮になります。
なお、執筆者の皆様に最初からこのスケジュールを送っても、失念される可能性があるため、告知開始の2週間前のメールで添付、お伝えしました。

やってよかったこと②サンプル画像(紙面画像)の他に、主催からのご紹介文を作る

サンプル画像、というのは、紙面画像に加えて執筆者情報を載せる、というものが主です。
実際、私も下記のようなサンプル画像を作成して告知しました。

主催分。
組版・本文デザイナー様にも事前に送付して
掲載可否・クレジットの確認をしてもらっています

ただ、今回は主催含めて6名の小規模アンソロだったので、告知にもっとワクワク感を詰めたい!と思いまして、サンプル画像の他に「主催の勝手な紹介文」というものを付けました。

サンプルアップ前日にこんなのも付けます~と告知したときに使用したもの

イメージとしてはヴィレ○ンや書店のPOPです。Canvaで作っています。
・タイトル
・作家名
・作品を表すなぁと勝手に思った会話文
・今回のテーマ「酒を飲む」にちなみ、どんな酒のイメージか、味わいか、推しポイントを紹介文
主催自身のものも用意しなくてはならなかったのはあれでしたが笑
これも執筆者の皆様から好評で、やってよかったな、と思っています。
事前に執筆者の皆様に情報確認をいただき、掲載させていただきました。
また、イベント当日のスペースに、参加者全員分の情報をまとめてPOPとして掲示できたのも良かったなぁと思っています(立ち止まって読んでくださった方がいたかわかりませんが……笑)

やってよかったこと③最終的に全情報をまとめたものを作って固定する

これは数々のアンソロ告知アカウントを渡り歩き「素晴らしすぎる……!」と真似したものです。
①お品書き(添付:お品書きの画像とスペース案内の画像)
②執筆者一覧
③全員分のサンプル
④執筆者さま自身にあげていただいた長めのサンプル
⑤今後の頒布予定(イベント・通頒情報)
を前日あたりにツリーで全部繋げます(一気に告知してしまうと告知頻度を減らしてしまうので注意です。あくまでも単発で告知したものを最後に全部集結させる、というイメージです)
これを準備しておくと、手に取ろうかなと思ってくださる方が情報を把握しやすいことはもちろん、余裕のない当日の告知にも非常に役立ちます。

完全におまけですが、自分があったら嬉しかったかな、と思うので、今回用意したお品書きの画像とスペース案内の画像を参考までに載せておきます。

◆献本&粗品対応

本も無事に納品され、告知も大詰め、というところで、献本・粗品対応をしなくてはなりません。
執筆者の皆様にお届けしたい……!とはやる気持ちを抑えつつ、礼を尽くして対応します。

やってよかったこと①粗品にワインを選ぶ

企画時から献本1冊以外に「粗品」を御渡しすることを決めていましたが、具体的には考えていませんでした。
粗品で多いのはギフト券と聞きます。
ただ、元々のやってみたいことに「ギフト券もいいけど、記念になるような粗品を御渡ししたい」というものをあげていたので、これも叶えてしまいたい。ということで「酒飲みアンソロだし、お酒にしよう」と決めました。
酒のつまみ系も考えたのですが、今回、装丁で「箔押しのシール」を「カクテル瓶についているラベル風」に作ったこともあり、せっかくだからそれを使った特別感のあるお酒にしよう、と思ったわけです。
ただ、今回酒飲みアンソロジーとはいえ、執筆者の方の中には、実際お酒をたしなむ方もいれば、ほとんど嗜まない方もいる……となると料理にも使えるワインかな、ということで、タイトルにちなんだカクテルリキュールではなく、ワインにしました。
ちょうどラベルレスのミニボトルが販売されていたので、そちらをオーダーしました。
(オーダー先はこちら:【ココロワイン】名入れ・オリジナルラベルのワイン専門店
実際、シールを貼り付けた粗品はこちらです。名入れボトル、というものがありますが、記念感がグッと出て非常に満足できる粗品となりました。

写真ヘタクソですが、めちゃくちゃ可愛い。そして酒飲みアンソロに酒ついてくるの面白い。

やってよかったこと②オーダーメイドダンボールを作る

粗品がワインのミニボトルに決まった時点で「いち早く御本をお届けできることに加え、粗品に重量があるので、会場手渡しではなくできるだけ郵送させていただきたい」ということを執筆者の皆様には伝えていたので、すべて郵送対応となりました。
となると、次に必要なのは、しっかりとお届けすること。
ワインのミニボトルと御本を並べて送る……万が一ワインが割れて御本が汚れてしまったらまずい……それに不必要にめちゃくちゃ緩衝材をいれまくる梱包はダサい……開けた瞬間「わぁ」と思っていただきたい……ということで、ダンボールをオーダーしました笑
サイズから指定できるサイトがここだけでしたので、一応ご紹介。
ダンボールの通販・購入・販売なら格安で業界No.1【アースダンボール】公式
緩衝材もしっかりと敷き詰め、隙間も緩衝材で埋めたので、結局めちゃくちゃ緩衝材を使ったわけですが、ピッタリサイズで不格好にならなかったので満足しました。個人的にはおすすめです(余裕がなくて写真を残しておりませんでした……)
おそらく執筆者の皆様にはオーダーメイドとは気づかれていないと思いますので完全に自己満足の域です笑

なお、献本1冊と粗品、そしてお手紙を添えてお送りしました。
お手紙にはキャラクターが好きな「キノコ」があしらわれた全面箔の便箋(コスモテックさん作)にびっしり書きました……とても素敵な便箋なので気になる方はこちらから▶漫画家青井秋きのこ箔便箋『菌糸の森』 | コスモテックサンプル直売所

◆おわりに:石橋を叩くスタンスの大切さ

振り返ってみても思いますが、ひたすらに石橋を叩くスタンスが非常に生きた初主催経験でした。
正直、新規のお客様に対して仕事をやっている気持ちにもなったことがありましたが笑 そもそも本が好きなこと、そして「編集」ということへの個人的な憧れもあり、人生一度きりかなと思っていた主催アンソロジーを悔いなく終えられて、本当に良かったです。
これも一重に、執筆者の皆様、そして装丁デザイナー様、組版・本文デザイナー様のお陰ですので、重ねてになりますが、この場をお借りしてお礼申し上げます。

アンソロ主催してみたいけどちょっと自信ないかも……という方に、我流ですが、少しでも石橋の叩き方をお伝え出来たら嬉しいです。
お読みくださり、ありがとうございました。

◆おまけ:作成したアンソロジーのご紹介

本編では割愛としましたが、せっかくなので最後に完成したアンソロジーを紹介させてください笑
今回「お洒落なバーでとっても綺麗なカクテルを提供された瞬間のような高揚感」をアンソロジーを読む方に持っていただきたかったので、
ブックケース=カクテル瓶
本=キャラクター色のカクテル
と置いてデザインしていただいております。

酒瓶に見立てたブックケース。
銀箔紙に白引き+4c。
シールは黒に近い茶色の箔をコットンシール紙に押したもの。
本体。
写真ではわかりにくいですが、ステンドグラスペーパーというキラキラの紙を使っています。
三方印刷も含め、4cにしてはかなり鮮やかに色が出ました。
キャラクターカクテルの煮凝り。
ノベルティ。
ノベルティ色の箔押しシールとボトルキープタグ風しおり。
しおりについては普通のしおりを自身でカットしています笑

装丁デザイン:ヤスミヤ様 
HP:https://yasumiya.storeinfo.jp
X(旧twitter):@yasumiyasumi0
組版・本文デザイン:9Q9H様(音桐様)
HP:https://9q9h-d.editorx.io/works
X(旧twitter):@9Q9H_design
『カクテル』文庫サイズ/306P

改めまして、お読みいただきありがとうございました。

注1)『カクテル』装丁Smarks記事
『カクテル』を飲み(読み)始められる本 | Smarks
注2)縦式
「縦式 - 縦書き入力」をApp Storeで


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