2大名探偵の夢の競演
日本を代表する2大名探偵:明智小五郎と金田一耕助。
この二人が競演して事件を解決したらどうなるか?
そんな妄想を考えたことはありませんか?
そんな夢の競演が読める事件簿が存在します!
作者は、江戸川乱歩でも横溝正史でもないのですが、推理作家:芦辺拓によるものです。
芦辺拓といえば、刑事事件専門の弁護士:森江春策という名探偵シリーズの著者です!(「殺人喜劇の13人」「怪人対名探偵」など)
※未読なのですが、これを機会に興味を持ちました。
本題に戻ります。
この競演シリーズですが、3作品が角川文庫から出版されています。
芦辺拓が、江戸川乱歩のご子息:平井隆太郎氏、横溝正史のご子息:横溝亮一氏に許可を得て執筆が実現したもの。
なお、表紙絵は、金田一耕助シリーズでお馴染みの「杉本一文」画伯によるものなので、雰囲気も抜群!
これら3冊には、短編、中編を数本収録したものとなっております。
後ほど作品の時系列を記しますが、2大名探偵が実際に競演するのは4話です。
初共演の「明智小五郎 対 金田一耕助」の時代設定は昭和12年。
明智小五郎は「黒蜥蜴」事件後~「怪人二十面相」との初対決、
金田一耕助は、「本陣殺人事件」の直前という時期です。
この時期に二人が出会っていたとして、それぞれの事件簿を改めて読み返すとまた違ったものが見えてきそうな気がしてます!
2大名探偵競演シリーズ3作品
①金田一耕助VS明智小五郎
7つの短編が収録。
そのうちの「明智小五郎 対 金田一耕助」「金田一耕助 対 明智小五郎」が競演の事件簿。
「明智小五郎 対 金田一耕助」の時代設定は昭和12年。
明智小五郎は「黒蜥蜴」事件後~「怪人二十面相」との初対決、
金田一耕助は、「本陣殺人事件」の直前という時期です。
大阪の老舗薬問屋「鴇屋蛟龍堂」は、先代から暖簾分けをした後に本家と元祖に分かれて対立があった。それに端を発した事件。
金田一耕助は、「本陣殺人事件」の前に、東京である難事件を解決して知名度が上がりつつあり、この事件の捜査を依頼される。
黒頭巾を被った跡取り息子が登場したり「犬神家の一族」のオマージュのような設定もありw
トリックはちょっと無理があるような大掛かりなものだが、それぞれの事件簿に登場したトリックの応用をしたと考えれば面白いかも。
もう一つの「金田一耕助 対 明智小五郎」の時代設定はかなり時間が進み、「八つ墓村」なども終わったあと。
この二人の競演に、もう一人意外な人物が登場するので、乞うご期待!
②金田一耕助VS明智小五郎ふたたび
短編が5話収録。
そのうち「明智小五郎 対 金田一耕助ふたたび」「探偵、魔都に集う---明智小五郎 対 金田一耕助」が競演の事件簿
未読。
アマゾンで取り寄せ済なので、読んだら後にちょっと感想追記するかも。
③金田一耕助、パノラマ島へ行く
以下中編2話が収録。
「金田一耕助、パノラマ島へ行く」「明智小五郎、獄門島へ行く」
未読。
江戸川乱歩の「パノラマ島奇譚」には明智小五郎が登場していないはずなので、ちょっと拡大解釈し過ぎな設定ではないか?(笑)
獄門島事件に登場したヒロイン鬼頭早苗も登場していたので、ムーディーな紳士:明智小五郎と早苗のロマンスなどあるのか期待w
アマゾンで取り寄せ済なので、読んだら後にちょっと感想追記するかも。
2大名探偵競演シリーズ事件簿の時系列
・少年は怪人を夢見る --- ①
・天幕と銀幕の見える場所 (大正10年)①
・屋根裏の乱歩者 (大正15年)①
・<ホテル・ミカド>の殺人 (昭和8年)①
・金田一耕助のMeetsミスター・モト (昭和10年)②
★明智小五郎 対 金田一耕助 (昭和12年) ①
★探偵、魔都に集う---明智小五郎 対 金田一耕助 (昭和16年)②
★明智小五郎 対 金田一耕助ふたたび (昭和22年) ②
・黄昏の怪人たち (昭和3x年) ①
・金田一耕助、パノラマ島へ行く (昭和3x年)③
・明智小五郎、獄門島へ行く (昭和3x年) ③
★金田一耕助 対 明智小五郎 (昭和39年) ①
・瞳の中の女異聞---森江春策からのオマージュ ②
・物語を継ぐもの ②
★印が、2大名探偵の競演作品、それ以外はすれ違いやオマージュ作品
①金田一耕助VS明智小五郎に収録
②金田一耕助VS明智小五郎ふたたびに収録
③金田一耕助、パノラマ島へ行くに収録