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声が小さい動画は存在自体が罪ですよ【配信の声を大きくする方法 #1】

皆さんこんにちは!VTuber様のオーディオトラブルを解決しまくり!怪傑姫(かいけつひめ)です。

突然ですが、YouTubeで物凄く声が小さい動画ってめっちゃムカつきますよね。

声が聴き取りづらいから音を大きくしたら笑い声やSEだけ爆音だったり、PCの通知音が爆音で鳴ったり、ボリュームを何回も調整しないといけない事になってしまって「もうこいつのチャンネルは見ないようにしよう」とか思っちゃいますよね。

しかも、声が小さい動画に限ってなぜかサムネが良い感じだったりして釣られちゃうんですよね・・・

さて、早速記事タイトルの回収が終わったので、もう刺激的な事を言うのは止めにして、建設的な内容を話していこうと思います。この記事を読んでいるあなたは、自分の配信の声が小さいという悩みを抱えているんだと思います。

色々試してはみたけど、どうしても声が大きくならないからこの記事に行き着いてくれたんですよね?ありがとうございます!この怪傑姫の所に辿り着いたからにはもう大丈夫です。


音をバキバキに大きくするのは赤子の手をひねるようなものです。
ところで、この諺を思いついた奴って絶対赤子の手をひねった事ありますよね・・・パスみを感じます。

話を戻しましょう。私にとって声を大きくする方法を解説する事は容易ですが、そもそも声が小さいとはどういう状態を指しているのでしょうか?そして、なぜ声が小さいとダメなのかを理解出来ていますか?

配信の声を大きくしたいという欲求を抱えているという事は、声が小さい事に問題意識を抱えているはずですが、どういう状態なのか?なぜダメなのか?原因はどこなのか?を正しく理解していないと、対処方を間違ったり状況が悪化してしまう可能性があります。

例えて言うなら、家電が壊れてしまった時に、「壊れているのは分かる」「この状態が良くないのも分かる」しかし、直し方が分からないといった所でしょうか。

この記事を読んでくれているあなたには、原因を理解した上で根本的な改善が出来るようになっていただきたいと思います。そのため、今回から数回にわたってしっかりと説明していきますね。

まずシリーズ第1回目の今回は、配信の声が小さいとはどういう事なのか?なぜダメなのか?を整理していきましょう。

声が小さいってどういう状態?

配信や動画の声が小さいという状態には2種類あります。サンプルは動画からとったものですが、問題の本質は配信と全く同じです。

安定してずっと声が小さい

まずはパターン1です。
聴く側が視聴環境のボリュームを上げれば済むのですが、次の動画に切り替わった瞬間やPCの通知等が爆音で鳴るので非常に不快です。

視聴環境のボリュームを最大にしても聞こえにくいぐらい声が小さい動画は論外ですが、ずっと小さいという事は相対的には安定しているので、比較的罪の軽い状態と言えます。

基本的には小さいがたまに爆音になる

次にパターン2です。
これが一番罪深いです。小さいなと思ってボリュームを上げていたら、怒鳴ったり絶叫した時に爆音になって慌ててボリュームを下げる事になります。

波形で見る具体例

どんな状態なのかを深掘りするために、具体例を見ていきましょう。まずこの波形を見て下さい。これはフリー素材の音です。

ピアノの単音の波形

音の大きさを可視化したもので、音が大きいほど波の振れ幅が大きくなります。ここで鳴っている音をそのままOBSに流しているので、波形とOBSのメーターが連動します。

一番大きな音が0dbです。音響の世界では、0が最大でそこからマイナス方向に向けて調整していきます。

パターン1の波形

それでは、パターン1の実例を示します。
これはとあるインタビュー動画の音声波形です。

ボソボソ喋るインタビューの波形

波形がずっと小さいままですね。最高でも-25dbに届くかどうかといった所です。このインタビューがまともに聞き取れるぐらいまでスピーカーのボリュームを上げたら、爆音でLINEの通知が鳴って心臓が止まるかと思いました。

インタビューの対象者がボソボソ喋る方なんですが、地声が小さいのは仕方ありません。

勘違いして欲しくないのですが、話し声が小さいからダメという訳ではありません。もし、それがダメなら耳元で囁くASMRもダメという事になってしまいますからね。

そうではなくて、素材の声が小さいなら小さいなりに、マイクの感度を上げるとか波形を大きくするとか、最終的に動画に反映される音量が上がっていないのが問題という事です。

この動画音声の状態を端的にまとめます。
0dbに対して最初から最後まで小さいです

パターン2の波形

続いてパターン2の実例です。
これは、とある2名の対談動画の音声波形です。

笑い声で爆音になる対談の波形

SEやBGMを動画編集ソフトに放り込んだだけでトークとの音量調整していなかったり、通常トークと叫び声の落差があり過ぎるとこんな感じになります。

普段は静かなトーンで話しているのですが、盛り上がって笑い声が炸裂するとめちゃくちゃ音が大きくなります。

波形のデコボコが非常に激しいですよね。小さい所を聞きやすくするために動画自体の音量を上げたいのに、笑い声が大き過ぎて、これ以上上げると音割れしてしまうので上げられない、というどうしようもない動画です。

この動画音声の状態を端的にまとめます。
1番うるさい音は0dbに達しているのに、それ以外の部分があまりにも小さいです。

2パターンの波形を見ていただいて、それぞれどういう状態が良くないのがお分かりいただけたと思います。

ずっと声が小さい場合は単純に聞き取りづらいですし、大きかったり小さかったりする場合は、どちらを基準にしてボリュームを決めれば良いのか分からないので、ユーザーに負担をかけます。

声が小さい動画の特徴2点

つまり、問題点は次の2点という事になります。
・0dbよりもあまりに小さい音は聞こえづらい
・音量に落差があり過ぎるとユーザーに負担をかける

これらを踏まえて考えると、ずっと音が大きいのが一番偉いという結論になります。皆さんが目指すべきはここです。

波形で見る理想的な配信音声

例えばこんな波形です。

某報道番組の理想的な波形

最初から最後まで安定してずっと波形が大きいですよね。これは某報道リアリティーショーの音声波形です。完全にテレビクオリティです。

複数の人間が喋ったり喋らなかったりしているのに、この音圧を安定して維持するのはとても高度な技術が要求されます。

このクオリティは人類が到達出来る最も高い所なので、個人の素人が達成する事は非常に難しいのですが、これを目標にして近づけていく事は出来ます。

まず、あなたの声がYouTubeに届くまでには、このような過程があります。

配信者から視聴者までに音声が通る経路

人によって、もっと簡素だったり複雑だったりすると思いますが、私がサポートさせていただいたVTuberさんはこの形式が一番多かったですし、私も推奨しています。

YouTubeでの声が小さいからといって、最後のOBSでゲインだけ上げれば良いというものではありません。OBSで増幅出来る音量には限界がありますし、最初の工程からきちんと設定していないと、ノイズまで一緒に増幅されてしまうからです。

それでは、オーディオインターフェースのGainを上げるのはどうでしょう?「声が小さいと言われたのでとりあえずGainを上げました」という方がよくいますが、オーディオインターフェースのGainは一度決めたらあまり頻繁に触らない方が良い所です。

また、この図の通り、川が上流から下流に流れるように声はYouTubeに向かって流れていきます。

もしオーディオインターフェースで音割れを起こすと・・・

最初の段階で音割れを起こしてしまうと、それ以降ずっと音割れした声が受け渡されていく事になります。

オーディオインターフェース以降が全て音割れしてしまう事に・・・

途中のエフェクトで割れているだけなら改善出来ますが、オーディオインターフェースのGainで割れてしまった声はもう元に戻せません。つまり、一番最初が一番大事という事になります。

次回から工程ごとに具体的に設定方法を説明していきますので、是非最後まで読んで下さいね。Xでも日々配信環境にまつわる情報を発信しているので、是非フォローして下さい!

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