公認会計士R6論文式試験 感想 監査論編

 初めまして、ナノダです。試験から約2ヶ月が経ち、合格発表まで約1ヶ月という中途半端な時期ですが、今回受験した感想を述べたいと思います。同じく受験した人やこれから受験する人にとってほんの少しの暇つぶしになれば幸い(?)です。
 
 ということで早速監査論ですね。最初の科目なので割と緊張感を持って挑みましたが、受けた直後の全体の感想は「ちょっと特殊だっだなー」でした。まずはやっぱり大問2ですよね。普段の模試や過去問はかなり答えに直結するヒントが多く点在していて、そこからリスク評価→リスク対応を答えることがほとんどでしたが、今回の問題は流石にヒントが少なすぎる、、。そして大問1にはあまり出てこないグループ監査が出てきました。重要な構成単位の廃止(改正)の話かなーと思いきやそうでもなかったですね。 

 では各問題ごとに焦点を当てます。最初は監査人の経営者確認書入手意義でしたね。典型問題ではあるのですが、経営者確認書はなんとなくの理解しかしておらず、見た瞬間後悔しました。二重責任の原則の観点からと書いてあったので、「二重責任の原則の説明をして、その原則が守られていることを利害関係者に伝える」みたいなトンチンカンな内容を書いてると思います。協力関係の話を書くのはどうなんでしょうね、「監査人と経営者の関係は責任分担がある一方協力関係がある→社会信頼性高める」なら割と綺麗な気もしますが、二重責任の観点と言っていいのかどうか、、わかりません。
 次はサンプリングと特定項目抽出試査の違いについてでした。とにかくサンプリングは「全てに与えられる可能性ある」「結果から全体を推定」特定項目は「監査人が特性を基準に自分で選ぶ」「推定はできない」という知識は頭にあったのでそれを引き延ばして書きましたね。特に言うことはないんですけどあんなに解答の行必要なのかなーとだけ思いましたね。第1問の半分くらい占めてたような。。
 3つめはアサーションの存在意義でした。これぞ典型の典型って感じですよね。究極的な命題は財務諸表の適正性だがそれは直接的に立証できないので、直接立証可能なアサーションまで細分化し、それらを総合的に勘案して、適正性を間接的に立証する。こんな感じで書きましたかね、多分。
 その次は重要な虚偽表示リスクの評価が暫定的になる理由についてでした。典型で出る問題ではない気がしますが、重要な虚偽表示リスクは当初から修正される可能性があることを知っていれば、そこそこの答案になっている気がしますね。自分はどんな論理で書いたか忘れていますが、リスク対応手続きとの関係で「リスク評価→対応の順番で行われる」ことを書いたのは覚えてます。
 ここからは構成単位の監査人の関与の話です。やだやだ。1問目は構成単位の監査人の関与がリスク評価や識別にどのように役立つかでした。何を書いたのか完全に忘れましたが、監基報600は開いてると思うので、7項の部分は書いたんだと信じてます(願望)。開けば見開き1ページ目に出てくるのでここを書いてる人はそこそこいそうですよね。
 2問目はグループ監査人と構成単位の監査人のコミュニケーションが重要な理由を発見リスクの観点から述べる問題でした。この問題に関しては監基報600の8項に書いてありますね。自分は完全に書き負けてしまいました。600の29項→A78〜87を参照→発見リスク関連の話がなくて絶望という感じだったと思います。

 と言った感じで大問1の所感でした。個人的にグループ監査はやめてよ〜と思いましたが、全体的には割とバランス良しな気がしました。最初の経営者確認書やリスク評価の暫定的な理由、グループ監査のコミュニケーションの問題がしっかり書けたときは割と跳ねる気がしますね。

 続いて大問2です。問題1は製品製造を委託し、そこから製品を仕入れる取引について、仕入れ取引と製品のアサーションを1つずつと監査手続きを2つずつ答える問題でした。この問題を本番で見たとき、自分はすごくイヤな問題だなーと感じました。というのも、いつもであれば割と取引等の状況が詳しく書いてあるが故にアサーションが1つに絞られることが多いんですが、今回は漠然としすぎており製品のアサーションを実在性にするか評価にするかすごく微妙だなーと思ったんですよね。他の問題(不正と業務委託)が難しいこともわかっていたため尚更落とせない問題だと感じていたので、最後は覚悟を決めて評価で書きました。結局どっちも正解っぽいので杞憂でしたが。他の受験生にとってこの問題はスラスラ書いたのか気になります。アサーションは仕入の方が確認と〇〇(忘れました、、)製品の方は立会と証憑突合って書きましたかね。2つはあってると思いますが監査のセンスなしです。
 問題2の1問目は外国企業からの輸入商品の在庫管理を1人で担当していた人が不正をしていたよ、どんな影響がBSとPLにあるかな、という問題でした。解答は貨物代表証券(何それ?)関連の不正ということらしいですが、わかる訳ないですよね。ということでそれ以外の解答の優劣を考えたいのですが、この問題のミソは2つあって、これが「輸入」商品であること、及び「在庫管理」をしているということだと思うんですよね。前者の立場に重きを置いて考えると為替差損益の調整という回答になると思います。ただ、在庫管理を一人でしているだけでその商品の為替差損益の調整って出来るんでしょうかね、、そこが引っかかりました。一方、後者に重きを置けば資産の流用という回答になるんじゃないでしょうか。となるとどっちを書こうか、ということになるのですが、この問題の1つ目は「輸入商品の固有リスク」を聞いてる以上、「輸入」という内容を外すわけにはいかないと思います。なので、為替差損益を書くのが一番妥当なのかなという気がしています。輸入に関連させないただの資産流用関連の回答は為替に比べるとちょっと点が下がるのではじゃないでしょうか。ちなみに、為替や資産流用を書いて0点になるということはないと思います。それだとほとんどの人が0点になってこの問題が存在する意味がなくなりますし、為替の回答の中にもBS、PLへの影響を上手く書けてる答案と書けてない答案があると思うのでそこの優劣は必要だと思うので。
 その次は上の不正に対して統制リスクを下げるために必要な内部統制の問題でした。これは流石に「一人」と「長年」がキーワードだったでしょうね。自分は一人の方しか気づきませんでした。悔しい。
 問題2の最後は上の不正に対するリスク対応手続きでした。これに関しては立会が書けていれば最低限の回答になるんじゃないかなーと思います。自分も立会は書いたなーという覚えしかありません。
 問題3の一つ目は委託業務を任せた相手の何を理解しなければいけないかでしたね。監基報402はほとんどの受験生が見ているとして、8~10項を見つけているか、そしてその内どこを書けばいいのか悩みますよね、、8項は(1)から(4)まであるので全部書くのは厳しいし、9,10項も微妙そうですし。ただメインは8項っぽいのでここを上手くまとめるのが答えでしょうね。自分は何故か8項の(3)と(4)だけ書いた気がします。
 最後の問題はない子会社の監査人利用と受託会社監査人利用の比較でした。間違いなく難しい問題ではあったんですが、「子会社の監査人利用について思い出す→監基報402を見て共通点や相違点を見つける」という流れで考えることはできるので、受託会社監査人を知らなくても全く手がつかないわけじゃない、という点では結構いい問題なのかなーと思いました。ただ、相違点3つはおかしいでしょ、そんな見つからん。。自分は共通点は「監査報告書に記載しない」「責任は負わない」の2つを書きました。正直ほぼ一緒の内容ですよね笑。2つとも正解なら嬉しいですが、現実的には1個かな。
相違点は1つは「コミュニケーションの仕方が異なる」点を書きましたが、他2つは覚えてません。監基報にタイプ1タイプ2の報告書とか訳のわからないことが書いてあったのでその話を1つ書いた気もしますが。どうせ0点です。

 ということで大問2の感想でした。全体として重いですよね。こういう試験内容の時はやっぱり守りの回答を書くのがリスクヘッジにつながりますよね。

 最後に自分の点とボーダーの予想を適当にしておきます。正直記述は人それぞれの「書けた」の基準が違う以上ボーダー予想の意味ってあまりない気もしますが、、
 大問1は最初の経営者確認書、そしてリスク評価が暫定的な理由がしっかり書けると大幅プラス、一方で他の所で論ズレすると大幅とまではいかなくとも割とマイナスというイメージですね。自分は
1-1 ×~△(-3)
1-2 △~⚪︎(+1)
1-3 ⚪︎(+1)
2 △ (+2)
3-1  ?(-2)
3-2  ×(-5)
で偏差値46(23点)くらいの予想です。 
 大問2は最初のアサーションは間違えると大幅マイナス、受託監査人の共通点相違点は書けると割とプラス、それ以外はしっかり書けるとそこそこプラスというイメージです。自分は
1 アサーション ⚪︎ (±0)
1 監査手続き △ (-4)
2-1 △ (±0)
2-2 △ (±0)
2-3 △ (+1)
3-1 △ (±0)
3-2 共通点 △ (+1)
3-2 相違点 × (-2)
で偏差値48(24点)くらいの予想です。

 ということで合計47点となってますが、どうでしょうかね。予備校模試に関しては第1回第2回共に60ではあったものの今回は間違いなく出来としては悪い(相対的にも)ので、このくらいが妥当なのではないでしょうか。。

 これで監査論の感想は終わりです、ここまで読んでくださりありがとうございました。この細かさで財務の理論問題の感想を1つ1つ書くとなると先が思いやられそうですが、もし感想が短くなっていたら「コイツ疲れてるんだなー」と思ってください。それでは。


 

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