【EDH】配役の監督、ギルウェイン/Gylwain, Casting Director 解説(基本編)
はじめに
先日11/5(日)に開催されたコマンダーサミット併設ガチコマオープンで優勝してきました。
結果を出すことができましたので、基本的な解説記事を書いてみたいと思います。
デッキレシピはこちら。
配役の監督、ギルウェイン/Gylwain, Casting Directorとは
自身を含むトークンではないクリーチャーが戦場に出る度に誘発する能力で、そのクリーチャーについた状態でオーラ・トークンを生成します。
どのような形であってもクリーチャーが戦場に出さえすれば誘発するので、色々と独自の動きをすることができます。
役割・トークンについての基本的なルールはこちらを参照。
役割・トークンは一体のクリーチャーに一つしかつかないことと、各役割の効果だけ覚えておけば問題はありません。
各役割の役割について
王族・役割・トークン
つけられたクリーチャーが+1/+1の修整を受け護法(1)を持つようになります。
護法の数字は小さいですが、それでも十分な働きを見せます。
除去を撃たれにくくなったり、余分なマナを使わせるだけでも十分な仕事をしてくれますが、一番頼りになるのは《オークの弓使い/Orcish Bowmasters》を相手にしたときです。
マナクリーチャーを焼かれにくくなるのは勿論のこと、後述するコンボで連続ドローする際にクリーチャーに干渉されづらくなります。
どこから除去が飛んでくるかわからないので、基本的に王族・トークンをつけておけば裏目はありません。
しかし当然他の二つの役割を選んだほうが良い場合もありますので、都度考えましょう。魔術師・役割・トークン
つけられたクリーチャーが1/+1の修整と「このクリーチャーが攻撃するたび、占術1を行う。」を持つようになります。
選択することが一番少ない役割ではありますが、無償で占術が行える効果はそれなりに有用です。怪物・役割・トークン
つけられたクリーチャーが+1/+1の修整とトランプルを持つようになります。
トランプルが有用な場面はそれなりに多く、《愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット/Tevesh Szat, Doom of Fools》のスラルトークンにチャンプブロックされにくくなるだけでも大きな仕事していると言えます。
《数多の声/Voice of Many》などの、効果を使用した後は除去されても問題ないクリーチャーには、怪物・トークンがもっとも有用です。
《セテッサの勇者/Setessan Champion》はサイズアップが早いためトランプルがよく合うのですが、除去されたくないクリーチャーの筆頭なので王族・トークンを選ぶのが無難かもしれません。
コンボについて
ここからはギルウェインの中核となるコンボを紹介します。
基本的には《春の作曲家/Composer of Spring》を絡めたコンボを狙うことになります。
《春の作曲家/Composer of Spring》は星座で土地かクリーチャーを出す能力を持っています。
星座はギルウェインの能力で生成されるオーラ・トークンでも誘発するため、クリーチャーが戦場に出る度に春の作曲家が誘発することになります。
①春の作曲家が戦場に出る。
②ギルウェインの能力が誘発。生成された役割・トークンが春の作曲家につく。
③春の作曲家についたオーラによって春の作曲家の能力が誘発。エンチャントを6つ以上コントールしているなら、クリーチャーが手札から戦場に出る。
④手札からクリーチャーが戦場に出たことによって、ギルウェインの効果が新たに誘発。
⑤新たに出た役割・トークンによって、再度春の作曲家の効果が誘発。
以上の手順を繰り返すことで、手札のクリーチャーを全て戦場に出すことができます。
そして、そこにエンチャントが戦場に出るたびにカードを引くことができるクリーチャーを組み合わせると、クリーチャーをドローし続ける限りそれを全て戦場に出せる状況が成立します。
春の作曲家が戦場に出ることでもギルウェインの効果は誘発するため、作曲家が戦場に出た時点で他に5つの(役割がついたギルウェイン本体が戦場にいるとして、他に4つの)エンチャントをコントロールしていればコンボが開始されることになります。
戦場に出すクリーチャー次第では無限ループを形成することができるため、そこを目指してドローやサーチを重ねることになります。
無限ループの生成方法について
「戦場に出たとき、あなたがコントロールするクリーチャーN体をオーナーの手札に戻す。」効果を持つクリーチャーを2体揃えると、お互いを無限に出し入れすることができます。
①クリーチャーAが戦場に出たことによりギルウェインの効果が誘発。役割・トークンがAにつく。
②Aについた役割・トークンによって、春の作曲家の効果が誘発。クリーチャーBを手札から戦場に出す。
③ギルウェインとクリーチャーBの「戦場に出たとき、あなたがコントロールするクリーチャーN体をオーナーの手札に戻す。」効果が同時に誘発。
後者を先に解決し、クリーチャーAを手札に戻す。その後、ギルウェインの効果で役割・トークンがクリーチャーBにつく。
④春の作曲家の効果でクリーチャーAを戦場へ。
以下、無限ループが生成されます。前述のETBエンチャントレスクリーチャーをコントロールしていれば、無限ドローに繋がります。
中でも《嵐前線の乗り手/Stormfront Riders》は2体のクリーチャーを戻すことができます。
開門/救出クリーチャーAを出す→他のクリーチャー1体を出す→嵐前線の乗り手を出す(開門/救出クリーチャーAと他のクリーチャーを手札に戻す)→開門/救出クリーチャーAを出す(嵐前線の乗り手を手札に戻す)→他のクリーチャー1体を出す……という手順を繰り返すことによって、任意のクリーチャーを無限に出し入れすることが可能になります。
嵐前線の乗り手は自分のクリーチャーが手札に戻ったとき1/1の兵士クリーチャー・トークンを1体生成する効果を持っているため、無限に出し入れするだけで無限トークンに繋がります。
現在は採用していませんが、《無私のパラディン、ナダール/Nadaar, Selfless Paladin》や《アンダーマウンテンの冒険者/Undermountain Adventurer》などのETBでダンジョンに潜れるクリーチャーを採用していれば、そのまま無限ライフロスに繋がります。
無限の種類について
11/5(日)時点のリストでは、無限ETBがそのまま勝ちになるクリーチャーは入っていません。
《永遠の証人/Eternal Witness》で無限墓地回収が行えますので、
《出現領域/Emergence Zone》を起動
→《水蓮の花びら/Lotus Petal》を無限に回収&プレイ
→《盲従/Blind Obedience》をプレイ
→花びら無限回収+無限マナの状況下で、無限強請を行うのがメインの勝ち手段になっています。
他、以下の無限を得ることができます。
+《クローサの旅人/Krosan Wayfarer》で無限土地セット。
《森を護る者/Sylvan Safekeeper》で土地を墓地に送り、永遠の証人で送った土地を回収し、クローサの旅人で土地を出し、永遠の証人でクローサの旅人を回収し……と繰り返すことで、土地を無限に出すことができます。
無限有色マナに繋がる勿論のこと、出現領域やフェッチランドを無限に使いまわすこともできます。
+《忍耐/Endurance》で無限ライブラリー回復。
無限土地セットができるので、森を護る者で土地を無限に墓地に送り、無限にライブラリーを回復することができます。
+《孤独/Solitude》で(嵐前線の乗り手で生成した無限トークン追放して)無限ライフ。
これによって、無限にフェッチランドを起動できるようになります。
上記無限土地セット&無限ライブラリー送りと組み合わせると、《ドライアドの東屋/Dryad Arbor》を無限に出すことができます。
任意のインスタントタイミングで新たにクリーチャーを戦場に出すことができるようになる=ギルウェイン→春の作曲家の効果を誘発させることができます。例えば、ダンジョンの部屋能力スキップに利用したりします。(後述)
+《クァーサルの群れ魔道士/Qasali Pridemage》で無限エンチャント/アーティファクト破壊。
自分でコントロールしている《耳の痛い静寂/Deafening Silence》や《弁論の幻霊/Eidolon of Rhetoric》を破壊して、無限水蓮の花びらに繋げたりします。
なお、戦場に出たときの能力でエンチャント・アーティファクトを破壊するクリーチャーではなく、起動型能力で破壊するクリーチャーを優先して採用しているのは、《倦怠の宝珠/Torpor Orb》対策を兼ねているからです。
+《森の友、ジャヘイラ/Jaheira, Friend of the Forest》で緑無限マナ。
役割・トークン全てから緑マナが出るようになる、ギルウェインのオリカクリーチャーその2。
他の無限マナパーツが追放されている場合でも、ジャヘイラがいれば簡単に無限マナに繋げられます。開門救出クリーチャー無限ループの際、役割・トークンから緑マナを出し続けるだけでOKです。
自分のターンなら《破滅の終焉/Finale of Devastation》や、《運命を紡ぐ者/Destiny Spinner》の起動型能力で勝ちに向かえます。
1枚で無限に向かえるカードについて
ギルウェイン+春の作曲家+ETBエンチャントレスクリーチャーが揃っている前提で、1枚で勝てるカードを紹介します。
前述の通り、俊足の豹と鉄葉の聖騎士を揃えることができれば無限出し入れが成立するため、この2枚を1枚で揃えられるクリーチャーが必要になります。
《森林の怒声吠え/Woodland Bellower》
《激情の共感者/Fierce Empath》
《護衛募集員/Recruiter of the Guard》
森林の怒声吠えは、戦場に出たときに非伝説で3マナ以下の緑クリーチャーを戦場に出すことができます。
森林の怒声吠え→俊足の豹をサーチ→俊足の豹の能力で怒声吠えを手札に戻す→俊足の豹に役割・トークンがつき、春の作曲家で怒声吠えを出す→怒声吠えで激情の共感者をサーチ→鉄葉の聖騎士をサーチ、で2種を揃えることができます。
同様に、
・激情の共感者→森林の怒声吠え→俊足の豹(共感者を手札に)→激情の共感者→鉄葉の聖騎士
・護衛募集員→激情の共感者→森林の怒声吠え……
とサーチを重ねることで、俊足の豹と鉄葉の聖騎士揃えつつ、最後に手札に戻す能力を誘発させるところまで持っていくことができます。
ギルウェインの効果と各種ETB解決の順番を間違えると繋がらなくなったりするので、気を付けましょう。
なお、このレシピでは上記3枚から確定で2種を揃える構成にしていますが、最後にサーチするクリーチャーを《威厳の魔力/Regal Force》にして大量ドローに繋げてもそれなりの確率で勝ち切るところまで繋がったりします。
ギルウェイン+春の作曲家+森林の怒声吠え+俊足の豹+激情の共感者+威厳の魔力の緑クリーチャー6体で、6枚ドローが確定。
ETBエンチャントレスクリーチャーを出せていれば、サーチを重ねる過程で+4枚(+エンチャントレス自身がカウントされて威厳の魔力のドローが増えるのでもう1枚)で合計11枚ドロー。合間に他のクリーチャーを出せていればその分ドローが増えるので、繋がる可能性は更に高まります。
1枚のデッキスペースを稼ぐため、鉄葉の聖騎士を抜くのもありかもしれません。
《沈黙/Silence》などの呪文制限下で勝つ方法について
戦場に出たときの効果がライフロスに繋がるクリーチャーを採用していない場合、沈黙などの呪文制限下では即勝ちに向かえないように見えると思います。
自分のターンであり、かつ戦闘を行っていない場合、上記でも触れた通り運命を紡ぐ者で勝ちに行くことができます。
呪文を唱えずとも、無限マナ+無限土地セット+デッキ内のクリーチャーを全て展開可能です。
そのため無限に運命を紡ぐ者の能力を使用できるので、速攻とトランプルを持った40/40以上の土地複数体で戦闘を行うことができます。
相手ターンでコンボを始めたので戦闘を行えない場合は、合間に《イーオスのレインジャー長/Ranger-Captain of Eos》を起動しながら盤面を整えます。
デッキ内の土地やクリーチャーを好きなだけ戦場に出したうえで、無限トークン+無限ライフ+好きなカードが手札にある状況を揃えることができます。
ターンを跨いでからコンボを再開すればよいので、そのターンに決めきれなくても問題は無いでしょう。
《落葉の道三/Dosan the Falling Leaf》+弁論の幻霊+イーオスのレインジャー長+森を護る者+フェッチランド&ライブラリー内にドライアドの東屋の状況になるので、ほぼ負けることはないと思います。
アクティブプレイヤーが何か呪文を唱えたらフェッチランドを起動→東屋を出してコンボ再開すれば、最終的には道三や弁論の幻霊を手札に戻した後、無限強請まで繋げることが可能です。(手札には開門救出クリーチャーを残しておきましょう)
相手ターンかつ、《毒の濁流/Toxic Deluge》や《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》がスタックの一番下にある場合(対戦相手に全体除去を撃たれる→その上からインスタントタイミングで春の作曲家を出そうとする→その上から対戦相手に沈黙を撃たれる、などのシチュエーション)、現在の採用カードでは全体除去そのものを防ぐことはできません。
しかしながら、イーオスのレインジャー長を起動した後、土地を任意の枚数分出したうえで、好きな手札を揃えることができるのは変わりません。
ターンを跨いだ後出現領域から動けば、おおよその場合負けることは無いかと思います。
ダンジョン探索持ちを採用していれば話は早いのですが、ちゃんと手順を踏めば面倒ながらも勝てるため、手間だからと横着せずに現在の構成にしている背景があります。
なお、耳の痛い静寂・弁論の幻霊・対戦相手の法の定めなどが邪魔でコンボに行けない場合は、先に記載した通りクァーサルの群れ魔道士で破壊してからコンボすることができます。
終わりに
以上がギルウェイン(+春の作曲家)の基本的な解説になります。
現在は採用していないが有力なカードの紹介や、プレイング方針、キープ基準、100枚個別の解説など書くべきことは沢山あります。
しかしながら記事が長くなりすぎてしまうため、一旦ここで一区切りとしたいと思います。
構成をガラッと変えることもできそうなので、色々と試していくつもりです。
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