もはや常識?知らないとちょっと恥ずかしいROEのお話し
皆さん、ROE(アール・オー・イー)ってご存知でしょうか?
ビジネスや会計の世界ではとても重要な財務指標として用いられており、特に最近ではROEの重要性がますます高まっています。
ROEという言葉を知っている社会人の方はいらっしゃるとは思いますが、これを使って何がわかるのかまで知っている方は意外に少ないのではないでしょうか?
社会人、就活生、株式投資を考えている皆さんにとって、知っていて損はしない財務指標ですので、ぜひこの機会にROEについて詳しくなって頂けると嬉しいです。
ROEとは
ROEはReturn on Equityの略で、株主資本利益率と呼ばれる指標です。Returnは日本語で利益、equityは株主資本のことをいいます。つまり、Return on Equityとは、株主資本に対する利益の割合を意味します。
ROEは以下の式で算出されます。
ROE(株主資本利益率) = 当期純利益 ÷ 株主資本
では、なぜROEは非常に重要な指標として用いられているのでしょうか?
実は、そのヒントは分母の株主資本にあります。
株主資本とは、株主が出資したお金のことです。株主にとって、自らが出資したお金を企業がどれくらい増やしたのかは、とても重要な関心ごとです。
例えば、もしあなたがA社の株式を購入して出資していたとすると、A社が自分の出資したお金をどれくらい増やしたか、とても気になるのではないのでしょうか。
ROEとは、ざっくりとわかりやすく言ってしまえば、株主が提供したお金に対してどれだけの利益を得たのか、つまり株主のお金をどれくらい増やしたのかを表してる指標です。
ROEが5%の企業は株主資本を5%増やした、10%の企業はそれを10%増やしたと解釈されます。そのため、ROEは株主にとって非常に重要な指標になっているんですね。
ROEを高めるためにはーROEを分解して理解するー
では、どのようにしたらROEを向上させることができるのでしょうか?
それを理解するためにはROEを分解するとわかりやすいです。
早速、ROEを分解してみましょう。分解すると次の通りです。
ROEは、まず総資産利益率(ROA, return on asets)と財務レバレッジ(LEV)に分解されます。
続いて、総資産利益率(ROA)は売上高当期純利益率(ROS, return on sales)、総資産回転率(TAT, total assets turnover)にさらに分解されます。
分解式から、ROEは収益性、効率性、安全性の3つの要素から成り立っていることがわかります。
つまり、ROEを高めるには、以下の3つの方法になります。
①売上に対してより多くの利益をあげる(収益性を高める)
②資産に対してより多くの売上をあげる、言い換えると、少ない資源(投資)でより多くの売上を獲得する(効率性を高める)
③株主資本を少なくする、または負債(借金)からお金を調達する(財務の安全性を低める)
③については、?と思う方もいらっしゃると思います。安全性は高い方がよさそうですよね。あくまでROEを高めるという視点では、可能な限り株主資本を減らすのが良いということになります(あまりにも安全性が低いと思われる場合、ROEの解釈には注意が必要です)。
まとめ
本日はROEのお話をしました。
ROEとは株主資本利益率であり、株主が提供したお金を何%増やしたのかを表してる指標として用いられています。
効率性が求められる最近のビジネス界では、ROEはますます重要な指標となっているので、この機会に内容を知ってもらえると嬉しいです。
この記事が少しでも皆様のお役に立てることを願ってます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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参考文献