隠された羽 プルモサス
南アフリカ原産のプルモサス。
ラテン語のplūmaが語源です。羽毛(うもう)という意味です。
なんで羽毛なのか理解しがたい見た目です。
触ると、栗の皮のように固いです。
しかし、しばらく観察していると、チョロチョロっと鳥の毛のようなものが出てきました。
羽毛の花!!
蕾のように思っていたところが、ロボットのようにどんどん開いていきます。
すると、中から羽毛が沢山出てきます!!
本当の姿は、第一印象では分からないものです。
よく相手と向き合ってこそ、真の姿が見えてくるものです。
ヤワラカイとカタイは互いに守る
ぽわんとした羽毛。
羽毛は、なぜそれほど堅い苞に守られているのでしょうか。
この羽毛はダウンジャケットから羽が出てくるかのように落ちます。
先端に付いているのが種です。
白い羽毛は宇宙船のパラシュートのようになっています。
タンポポと同じように風で飛ばされる仕組みです。
4枚の羽根が上向きになっていて、羽を下にして吹き飛ばしても、必ず種の方が下になるようになっています。
真ん中の黒い線と、種は繋がっています。
そして、薄皮から種の本体が出てくる仕掛けになっています。
こうした繊細な仕掛けがあるからこそ、あれほど堅いものに守られていたわけです。
最終的には、蕾のように見えていた苞だけ残ります。
これだけふわふわの羽とぷっくりした種を納めていた蕾。松ぼっくりのような固い殻で守っていたんですね。
そして羽毛のような種によって、命は守られているわけです。
万能タイプは無視されやすい
プルモサスは、リューカデンドロンの一種です。
リューカはギリシャ語で「白」、デンドロンは「木」です。
水揚げがよく、アレンジや生花でもオシャレにオアシスを隠してくれたり、雰囲気作りに貢献してくれる万能タイプです。
このプルモサスに出会って、初めてリューカデンドロンをいかに見つめてこなかったのかを痛感しました。
いつも、植物の貌を見つけるなんて言っておきながら、
観察する対象から外してきたんです。
ごめんね。リューカデンドロン。
周りの人にも、万能タイプと思える人がいます。
いつも明るく場を盛り上げてくれるあの人。本当は疲れているときだって、泣きたいときだって、皆のことを考えてその場を和ませてくれているかもしれない。
バリバリ働くあの人。すごいな。だけじゃない。見えない努力や原動力になるエピソードを知らない。
万能だからこそ、隠された何かがあるはず。
向き合うって大事です。
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