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ただ「待つ」という愛し方 キュート
春を先取りするような色に、つい手が伸びてしまいました。
アルストロメリアと申します。
アンドロメダ、アリストテレス、アレクサンドリアに並ぶぐらいカッコいい名前です。
由来は、スウェーデンの植物学者アルストロレーマーさんです。
アルストロメリアの原種は、南米アンデス地方。
ベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、アルゼンチン、チリの7カ国にまたがるアンデス山脈に咲いています。
多くの人たちに愛される花です。
アルストロメリアは約100種類あるといわれています。
購入したのは、その名もキュートという品種です。
キラキラ光る
よく観察すると、キラキラと光る何かが!
実は蜜があるんです!
ずっとアルストロメリアを生けてきて、初めての発見でした。
しかも、それは花のデザインとも関係しています。
アルストロメリアは、花びらに条斑(じょうはん)という柄があります。
これ、ただの柄ではなく、虫たちに『ここに蜜があるよー!!』と知らせるためなんだそうです。
サインを送ってアルストロメリアは虫を待っているのですね。
シンプルで複雑に見えるデザイン
一見複雑に見えるアルストロメリアですが、
外側に三枚、内側三枚という、花びらの構造がそのような印象を与えます。
そして、葉。
180度回転して、ウラが表になるデザイン。
なんのため??
ねじれた葉が、茎を華やかに演出してくれるように感じます。
このねじれは、残念ながら、なんのメリットがあるのかまだ解明されていないようです。
いつか、何か発見があるのかもしれないと思うとワクワクします。
愛されるには待つ
日本では、1980年頃になって国内で栽培され始めました。
1920年頃には既にやって来ていたのですが、あまり普及しませんでした。
60年もその時を待ったのです!!
アルストロメリアに人生をかけた人がどれ程いたのでしょうか。
今では、花屋で普通に売られているポピュラーな花ですが、改良を繰り返し、日本でも一年中楽しめるようになりました。
今のように愛されるまで本当に苦労してきたことを知ります。
一流の物、一流の芸が、一足飛びに愛されるとは限りません。長い時間を掛け、苦節の時間を待って、初めて愛されるものもあります。
アルストロメリアはそういう時間を待った花です。
待っていてくれて、ありがとう。
苦労を掛けました。
その分、あなたを愛します。
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