エダモノを生ける 赤芽柳
ケダモノではありません。枝物(エダモノ)です。
ダジャレではありません。
脇役かと思いきや、枝物は生花ではメインともいえます。むしろ、花があしらい(脇役)になることが多いです。
ケダモノのように、生き生きとした花材。
少し間違えると、全体の雰囲気を一気に壊してしまう難しい花材でもあります。
扱うポイントがあります。
赤芽柳という優等生
エダモノには、クセモノも沢山ある中で、赤芽柳は優等生と言えるかもしれません。
優しい印象を与えているのは、全体を覆うウブゲのような毛でしょう。
枝にウブゲのような毛があるだけではありません。実は、かなり毛深い生き物なんです。
芽の外側の殻が、スポッと抜ける部分があり、中身はなんとシルバーの筆のようになっています!
こういう美しい毛並みを持つエダモノなので、生花の雰囲気を優しく、それでいて動きや華やかさを与えてくれます。
枝を省略する
動物の躾だって、先ず人間に慣れてもらわなければ、始まりません。
エダをどう省略(剪定)するかは、一度生けてから考えるのがオススメです。
要らないと思うエダを、その花材を見ただけで切ってしまうと、作品全体として必要だった枝を切ってしまったということもあります。
一度は生けてみて、必要のない枝を切っていきます。
全体の流れを意識して、不要な枝を見極めていきます。
今回なら、こういう部分でしょうか。
それを省略してやるとこんな感じになります。
枝の動きがシンプルになって、他の花材も生きてきます。
手前のホオヅキは、おまけです。見比べるとこんな感じです。
たった数本しか枝を省略していませんが、枝がより生き生きとしていると思います。
あまりやり過ぎると、印象を薄くしてしまうので、何度も全体を確認して省略していきましょう。
写真では、右に見える枝は、実際にはかなり手前に出ています。
こうすると、空間に前後の奥行きが出ます。
贅沢な感じがするので、おすすめです!
是非、試してみてください。