大都会と田舎と私と君と
2025年1月19日
大寝坊からのスタート。前日深夜までバイトで、調子に乗って爆食してオールで風呂入ってバス乗って東京まで行こうと思ってた。
5時に一旦横になったことが悪夢の始まり。
いつのまにか閉じていた瞼を開いた。外が明るかった、嫌な予感がした。ケータイの画面は10時。
私が乗るバスは、10時。おしまい。
まあこうなれば、新幹線しか手段はないから、丁寧に丁寧に、今日がどれほど楽しみか、期待を膨らませてメイクした。意外とマツエクも残ってるし、顔は太ってて常に丸いから浮腫んでるかどうかはわからなかった。だいすきなバンドのロンTを久しぶりに引っ張り出して、可愛い服で家を出た。
東京まで新幹線で1時間半。道中はママとLINEで大喧嘩。
こんなはずじゃなかった、わたしはもっとルンルンで向かうはずだったのに、何もかも忘れるためにライブハウスに向かっていたのに将来の不安だけが募ってやる気とか希望とか全部無くなった。
苦しくなって消えたくなってイヤホンをはめた、レトロマイガール!!を聴いてた、品川までの1時間半。
着いてからはあっという間、ママと喧嘩したこと、ずっと心の片隅にはあったけど、忘れようって頑張ってた、楽しい思い出を作りたかったから。
会場は渋谷、WWW。いつも一緒にライブを見る子たちが企画やデザインをしてくれたフラスタ。かわいかったー。始まるまではアンフェアとかオレスパが流れてて、苦笑いでママと喧嘩したこと友だちに話したり。
暗くなって、大好きなバンドの大好きな先輩KALMAがステージにでてきた。KALMAはアメリカでよく聴いてたし、いちばん好きな「年上の、お前」やってくれたからうれしかった。だけどなんかわたしに真っ直ぐ刺さる感じがなんとなく無くて、私のための音楽じゃないんだろうなって思って少し避けてきた。
悠月くんが東京の話、上京してきた話をはじめて、そこからの「光る街」。涙が止まらなくなった。
最近は本当に何も上手くいかなくて、上京する話も上手く進まないし、友達とも上手くいかない、東京に出て叶えたい夢も目標も全部全部どうでも良くなってきて、こんなはずじゃなかったのに、わたしが好きな人たちがしてくれるのと同じように私も全部優しく抱きしめたいのに、何も大切にできなかった。自分も、友達も、家族も、夢も、希望も、情熱も、やる気も。思ってることと逆のことが口から出てきて、違う、こういうことが言いたいんじゃないのに、。って思ってた私に畑山悠月が寄り添ってくれた気がした。上京して、環境が変わって、遠くから出てきた人にしかわからない苦しみや悩み、誰にもわかってたまるかと思っていた悩みをKALMAは歌にしてくれた。
大丈夫だよって言われてる気がした。私もいつか、そっち側にいきたいよ。
ずっとずっと、楽しみだった。この日を待ち侘びていた。札幌のバンドが東京でツーマン。私のライブハウス人生、はじまりであり、ずっと寄り添ってくれるバンド、KOHAKU。
今までいろんなステージに立っているところを見てきたけど、この日見たKOHAKUが1番カッコ良かったような気がした。札幌の先輩と胸を張ってツーマンできるところまでこれたんだなと思った。
初めてライブを見た時、KOHAKUはほとんどMCがなかったし、正直言ってしまえば毎回同じようなことを喋っていて、きっと言葉を丁寧に選びたいから、短い時間で言葉を紡ぐのが苦手なんだろうなと思っていた。そんな樂ちゃんもいつの間にか自分の言葉でその時その時の思いを話せるようになっていて、優しさに溢れた言葉で話してくれていた。
KOHAKUの音楽を聴いたら、誰かに優しくしたくなる。
悪いことばっかりで何もうまくいってない日々すら、それでもいいんだよって言ってくれてるような気がする音楽はささくれをひとつずつ癒していくみたいで、救われた。この先どんなに嫌なことがあってもきっと、たまにこうやってライブハウスで彼らの音楽を聴くだけでわたしはなんとかやっていける気がする。
また私の世界が灰色になりかけていた時、樂ちゃんがアンコールのアイボリーで、まっすぐな眼差しで「あなたの生活が、僕たちの生活が途切れないように」と言ってくれて、あぁ私ってまだ生きていていいんだなと思ったよ。
本当に最近の生活は今も尚、嫌なことばっかりで、もう居なくなってしまおうって何度も何度も思ったけど全てを捨てそうになった時、KOHAKUがもっと大きなステージに立つところや、ワンマンをするところまだ見てないから、まだその時じゃないなと思った。わたしの生活の歌をこれからも歌い続けてくれる彼らがいるならもう少し、ここに居ようかなと思った。
いつか彼らが先輩と同じように大都会東京に出てくる時、どんな場所でも彼らが彼ららしくいられますように。札幌での生活とはまた少し変わっても自分らしくいられますように。
そして彼らより一足先に東京に出るわたしがどうか孤独な夜すらも1人だと思わない音楽に囲まれたままでありますように。
大切な人と大切な夜を迎えられたこと、みんなで一緒に過ごせたこと、本当にいつまでも幸せ。今思い出しても涙が出るほど幸せだったよ。
これからもこんな日を続けていけますように。