でんぱ組.incというストーリー

でんぱ組.incのラストライブに行ってきました。本当に最高でしたし、今は充実感や喪失感で溢れています。今まで活動してくれて本当にありがとうございました。にわかファンではあるものの、でんぱ組.incというストーリーについて語らせてください。

僕はでんぱ組.incを10年以上前に知ってライブに行くようになり、一時期は離れたものの、エンディングのタイミングでまた戻ってきました。今回のツアーも何回か参加しております。元々は楽曲が好きで入ったのですが、次第にメンバーの個性やでんぱ組.incのストーリーに惹かれていきました。僕と同じように、10年くらい前に知ってハマったけど、もがちゃんやねむきゅんがいなくなったあたりで見なくなった方、多いのではないのでしょうか。

もちろん、現体制はとても素敵ですし、パフォーマンスもめちゃくちゃ良いです。余談ですが、新メンバーの高咲陽菜ちゃんがとても良いですね。それはそれとして楽しめるものの、結局のところあの6人体制でないとでんぱ組.incではないという感覚はいつまでも残っています。新しいものを新しいものとして受け入れることはできるものの、やや現実逃避感は否めなかったです。

もがちゃんが抜けたあたりから現体制になるまでの変遷を詳細に追えていなかったですが、やたらメンバーが増えた時期があって驚いた記憶はあります。率直に言えば、迷走しているなと感じました。ちなみに、以下の記事で、もふくちゃんが10人体制では上手くいかなかったことを吐露しています。

やっぱりでんぱ組.incって特殊なんですよね。虹コン(虹のコンキスタドール)とかは入れ替わりがストーリーとして成り立っていくグループだけど、それはもともとそういうプロジェクトとして作ってるからで、でもでんぱ組.incはすべての物事が“人間”に紐付きすぎてて、なんか簡単に入れ替えたりできなかった。

ああ、これだという事をずばり言語化してくれていました。メンバーがやたら増えたり減ったりする中で感じる違和感ってなんだろうなと思ったのですが、それってでんぱ組.incは人間ありきのストーリーだったからなんだなと認識しました。そして、僕を含めた多くのファンは、そこに惹かれて、救われてきたんだろうなと思います。

アイドルを好きになる理由は色々あるでしょうが、僕はでんぱ組.incのメンバーの個性、マイナスからのスタートといったコンセプト、アイドルなのに弱いところをさらけ出しているところなどが好きでした。代表曲のW.W.Dは、メンバーの個性が表現されていますし、そうであるが故に、とても強烈で、時間が経つほど呪いのようになっていくんだろうなと思います。

マイナスからのスタートで始めたアイドルとしてのストーリーは、武道館やその他大きい公演を成功に収めてしまうと、違和感を帯びてきます。もう既に成功しているし、他のアイドルから敬われるような存在になっていますからね。とはいえ、6人体制のままだったら、多くのファンもついてこれたのかもしれません。ある程度目的は達成したものの、引き続きメンバーやグループそのものが好きで、推し続けられるからです。

こんなことを言うのはアレですが、武道館公演などが達成できた時点で解散するという公約であれば、とても綺麗なストーリーで終焉できたはずです。しかし、一度売れてしまった以上、多くのしがらみもできますし、そんなシンプルにはいかないと思います。2017年にライブ活動休止をしているのは、熟慮した結果だと思いますし、一度休まれたのはとても素敵だなと思います。

話は少し変わりますが、ここから「創業は易く守成は難し」という言葉が思い浮かび上がります。マイナスからのスタートで成り上がっていくのも十分難しいものの、進むべき道が見えている以上、上手くいけばたどり着けるかもしれません。しかし、その先が見えていないと、それを維持することは更に難しいです。

そんなことはメンバーも運営側は承知の上で、ライブ休止活動を経て、メンバーを入れ替えて活動をしてくれたのだと思います。結果としては、冒頭でも書いているように、そんなに上手くいっていなかったと思います。それでもなんとかでんぱ組.incを維持し、エンディングまで持ってこれたわけですから、とても感謝しています。正直なところ、エンディングを迎えて悲しい反面、ホッとしている自分がいます。

色々書きましたが、終わりよければ全て良しということですね。僕の好きだったでんぱ組.incには大変お世話になりました。ありきたりですが、僕も辛い時や自分ってダメなんじゃないかって時に、でんぱ組.incの曲を聞いて元気をもらっていました。そうやって人を元気にしてくれるアイドルという存在は、とても尊いですね。

君の未来を明るく照らすなんて、お茶の子さいさいさーい!ということでお開きです。本当にありがとうございました。

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