石油系炭化水素(TPH)の粘性土への適用について(簡易法)

油汚染土壌の分析で、
石油系炭化水素(TPH)があります。

国内の分析方法の開発にあたっては、
環境省が監修して、
「油汚染対策ガイドライン」として
整理されております。

TPHの分析技術者が直面する問題としては、
油が含まれる土壌の種類によって

TPHの抽出率が変化してしまうことかと
思います。

よくある砂質土は問題ありませんが、
土壌の粘性が増してくるいわゆる
粘性土ですと脱水がうまくいかず、

TPHの抽出率が低下したり、
下手をすると検出されないことも
あります。

そんな分析でお困りの技術者向けに
粘性土の油汚染土でも抽出できる方法を
開発しましたので、

参考にして頂ければ幸いです。
 
今回ご紹介する方法は、
油汚染粘性土の前処理にひと手間を加えて
抽出率を向上させ、

GC-FID法によるTPH試験法で分析を
行うためのものです。

1. 脱水の方法を変える

従来の方法ですと、
土壌に無水硫酸ナトリウムを添加し、
二硫化炭素を加えて、
振とうを行います。

振とう中の試料を観察すると
良くわかるのですが、
粘性土の場合、

振とうでは土壌の団粒が崩れません。

そこで前処理にひと手間を加えます。

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