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【歴史】地元で愛されている「鬼」

昨日のnote記事「「推しの子」を推しに行く聖地巡礼の旅」において、高千穂町の市街地にある「鬼八塚(きはちづか)」の写真を掲載しました。

鬼八塚に掲示されている説明書きの写真を追加で掲載しておきます。

鬼八塚 由来

鬼八荒神は命に退治されましたが再び生き返り、抵抗して暴威をふるった」とか「鬼八荒神の霊を慰めるため毎年十六歳の少女が人身御供として捧げられていた」とか、おどろおどろしいですね。

高千穂神社の拝殿の角に、高さ一間ほどの三毛入野命(みけいりののみこと)が鬼八を踏みつけている像がありました。

高千穂神社

このように、記紀の正史では、三毛入野命がヒーローで、鬼八はダークヒーローということになるのでしょうが、地元民にとっては鬼八も愛されているキャラクターのようです。

がまだせ市場の「鬼八の蔵」など、高千穂町内の各所に「鬼八」という名称が見られます。

日本の古代史においては、現在の皇室に連なる大和王朝が地方の豪族を討伐していく過程で、討伐された豪族の側も「」として地元民に脈々と愛され続けている例が多々見られます。

上記の「【神話・伝説】鬼八伝説(阿蘇と高千穂)の二つの風土性|旅の概要」の中に、下記の記述があります。

【神話・伝説】鬼八伝説(阿蘇と高千穂)の二つの風土性|旅の概要
向い合っている熊本県(阿蘇)と宮崎県(高千穂)に鬼八伝説が残っている。主人公は同一だが物語が微妙に違う。荒唐無稽さが面白い。従ってスケールが大きい。快力無双、飛ぶように走る。主人(支配者)には服従しようとしない。が、どこか憎めない。
(中略)
一つの勢力が、土地を支配し、服従させていく過程が、この二つの伝説によく現れている。 どちらも、鬼八を大切に祀っている。特に高千穂では、野辺の鬼八の墓も(道路工事に際しても、壊さず移している)。守り続けている。

九州たびねっと


同じ九州では、「くにさき」が「日本遺産」のストーリーにも選定されています。

鬼が仏になった里「くにさき」
「くにさき」の寺には鬼がいる。
一般に恐ろしいものの象徴である鬼だが、「くにさき」の鬼は人々に幸せを届けてくれる。
修正鬼会の晩、共に笑い、踊り、酒を酌み交わす――。
「くにさき」では、人と鬼とが長年の友のように繋がれる。

日本遺産ポータルサイト


先週岡山県に旅行した際に、赤磐市の「両宮山古墳(りょうぐうざんこふん)」を見学しました。

桃太郎伝説に出てくる鬼(温羅)も、地元では愛される存在になっているようです。

温羅(鬼)退治の伝説
過去に災いをもたらしていた温羅であったが、やがてこの地の吉凶を告げる使いとなった。命がはねた温羅の首は、夜になると不気味なうなり声を上げたため、命は御釜殿の釜の下深くに埋めたが、それでもうなり声はおさまらなかった。ある日、命の夢に温羅が現れ、自分の妻がこの釜を使って米を炊くようにすれば、自身が命の使いとなり釜の音で世の吉凶を占うと告げ、命は温羅の言うとおりにしたという。
「ヴォーン、ヴォーン」とまるで鬼がうなっているように聞こえる釜の音。今も御釜殿では、この音で願いが叶うかを占う「鳴釜神事」が執り行われている。

日本遺産ポータルサイト

もうすぐ11月も終わり、「来年の事を言えば鬼が笑う」の季節になってきましたね。

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