デイサービスの稼働率向上をする方法【見学対応】⑵
その人の事を知ることから始まる
デイサービスを利用した事がない方は、どんな所か分からないため不安なので、到着するまでの間に簡単に説明してデイサービスでは何をする所なのか頭の中にイメージをしてもらいましょう。
運転中はメモはできないので情報は覚えておきましょう。
車内で情報収集した事は、到着した後の対応時にどういった流れで対応するかイメージできます。
見学者に合った支援の方法を把握して見学対応をしていきます。
・普段運動をしている方 → リハビリの内容を実際に体験してもらう
・外出が好きな方 → 色々な場所に外出ができる事を勧める
・自宅での入浴に自信が無い方 → デイで安全に入浴できる事を伝える
・運動はやりたくない方 → 最初は無理のない程度にできる範囲で軽い運動やマッサージから始める
・一人暮らしで寂しさを感じている方 → お話すきな方が多い曜日を勧める
もし、その方のニーズに合っていない対応をしてしまうと
「行きたくない場所」だと思われます。
例えば
・運動はやりたくないと思っている方に対してリハビリを勧める
・外出するのが嫌いな方に対して外出支援を勧める
無理にやりたくない事を説明をして対応しても、利用したいとは思ってもらえません。
週に何回か通ってデイに来たいと思ってもらえないと契約に結びつく事は難しいでしょう。
今は出来ないけどいずれはこうなりたい。と思っている事があればそれを引き出す。自分がどうなりたいのか、できるようになりたい事をデイに通うことによって実現できる支援を考える事が大切です。
自己開示をして壁をなくす
もし情報収集に困ったらなるべく自分自身の事を積極的に話をしてみて下さい。
自分の情報を相手に開示すると相手から話をしてくれる場合があります。
例えば、
「普段外出されますか?」
と聞くよりも、
「先日公園に桜を見に行ったのですが、人がたくさん居て‥桜を見物するはずが人を見に行った感じでした‥。〇〇さんは桜は見に行かれましたか?」
自分の情報を開示して相手に聞いた方が相手から開示してもらえやすくなります。
説明は簡単でオッケー!会話をしよう!
まず、デイに到着したら見学対応者以外の職員がお茶を提供します。
座る位置は、家族やケアマネなどの同席者がいる場合、見学者が職員と同席者の間に入る位置にしましょう。
最初は、とにかくデイの事を知ってもらうために説明をしなくては!と思い、説明にこだわってつい長くなってしまいます。
見学者は「説明」はほとんど聞いてません!
それよりも会話をするように心がけて下さい。
サービス内容の説明は簡単にする
【リハビリ】の場合
リハビリの詳しい内容を一つ一つ説明をする必要はありません。
見学者が気になるのは、ここでリハビリをしたらどういった効果が得られるのか。という事だけです。
見学者がリハビリをすることによりどうなりたいのか。これが重要になります。
それを無視して全て説明してしまうとすると、見学者にとってメリットがあまり感じる事は少なくなります。
足が動かしにくい方だったら、歩行練習で段差を付けて歩く練習をしたり、エアロバイクでバランス能力を鍛えて筋力アップできると伝える。あとは質問をされたら答えれば大丈夫です。どうなりたいのかを把握していれば、それに向けてどういったリハビリをやっていく事だけ伝えれば大丈夫です。
そして、必ず伝えてほしいのが、
「資格を持った機能訓練士がいるので、最初にお身体の状態を見させてもらい、最初は無理のない程度に個別にリハビリメニューを組んでいきます。」と伝えましょう!
資格を持った→プロのリハビリの先生がいるので安心
無理のない程度に→それなら自分でもやっていけるかなという安心感
【入浴】の場合
自宅で入浴が自立してできている方に関しては無理に勧める必要はないですが、自宅の浴室の状態によっては転倒などのリスクがある場合があります。
デイサービスでの入浴は職員や看護師がいるので、安全に入浴できる。体の状態も見る事ができる。などの話をしても良いです。
また、家族が介助している場合があるので家族やケアマネの意向を聞きましょう。自宅で入浴できていないけれどデイでも入浴したくない方に対しては、何故入りたくないのか。などの理由を聞いておきましょう。
理由によっては入ってもらうための提案ができます。
【外出支援】の場合
外出表などの外出先が分かる資料を用意して、それを見てもらいながら会話を進めます。外出好きな方や以前までは外出が好きだった方が何らかの理由によって外出が困難になった方に対して、外出支援はデイサービスを選ぶ基準に有効です。
ここでも説明をするのではなく情報収集に徹します。今までどこに行った事があるのか。好きな場所はあるのか、などです。
歩行に自信の無い方は車椅子での外出が可能です。と一言付け加えます。また、春は桜、秋は紅葉、冬はツリーを見に行ったりもできます。といった季節感を感じられる外出をアピールすると良いでしょう。
利用料金は説明しなくても良い
こちらから利用料金の話をするのではなく、見学時は相手から聞かれた時で大丈夫です。ただし、料金について聞かれた時は曖昧にせずにしっかりと説明をして下さい。
ここを曖昧にしておくと誠実感に欠け不信感に繋がる可能性があり利用してもらえなくなります。
「体験」してもらう
ここで私の経験談をお話します。
私がカーディーラーで営業マンとして働いていた時、お客様の商談から契約に至るまでの重要な作業が「試乗」でした。
車のスペックや価格はカタログを使用して説明が出来ますが、それだけでは契約を取る事はなかなか難しく、試乗をして頂き運転をして体験をしてもらう事で購買意欲を高める事ができます。
「試乗」という体験はカタログで説明するよりも効果が抜群に高く、大体のお客様は今乗られている車からの買い替えが多く、現在乗っている自家用車と比較ができますし、試乗をすることによって、買い替えを検討されてなかったお客様の購買意欲を引き出せるため、車検や点検時の代車に試乗車を貸し出していました。
また、試乗をすることによって、購入して納車後のクレームも減らせる事もできますし、満足度向上にも繋がります。
デイサービスに置き換えてみると、車の「試乗」は、「体験」と同じです。
リハビリでしたら、歩行訓練やエアロバイクなど少しで良いので体験して頂くと良いでしょう。
「体験」することによって利用した時にリハビリのイメージが出来ます。頭の中にあったイメージを具現化でき契約率アップに繋がります。
相手に合わせて話をする
「ミラーリング」という営業マンがよく使う方法があります。お客様との距離を縮めて信頼関係を築いていく一つの方法で
人は自分と似ている人に対して共感し親近感を持ちます。
相手の話すスピード、声の大きさ、雰囲気などです。
テンポよく話をする人には自分もテンポ良く話すなど、出来るだけ相手に合わせて話をしてみて下さい。
類は友を呼ぶという言葉があるように、自分と似ている人に親近感が湧きます。
他のスタッフも見学者に声をかける
見学対応者だけでなく、他のスタッフも声をかけて下さい。
会話をする人が多ければ多いほど契約率が上がります。
会話といっても、少しだけで大丈夫です。挨拶だけでもしないよりはマシです。
管理者は必ず挨拶をして名刺を渡して下さい。
見学対応者の中で、施設の所長を知りたいと思っている方も少なくありません。
また、対応者、利用者、見学者がお話ができる機会を作ってみましょう。
特に女性の女性の見学者は、デイの中でも人間関係を築いていきたい。大人数いる中でうまくやっていけるのか?と不安や心配されている方も多いです。
そこで有効なのが、利用者をピックアップして見学者とお話をする機会があれば、その不安や心配が少し取り除かれます。
利用者からデイを褒めていただける言葉があるとなおさら良いです。
利用中の利用者の声は実際利用をしているので、対応者が「説明」をするよりも効果があります。
私たちも、初めて商品を買う時、通院する時、レストランに行く時、実際に使用した事がある、行った事がある人の口コミを見ていく事が多いですよね。
このように、利用者からのリアルな感想、口コミは効果絶大なのです。