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小さくて愛しい母

不仲だった父にいつも冷たく当たって、
四角四面で融通が効かなくて、
いつも自己主張ばかりしていて、
気が強くて他人に勝つことばかり考えていた母。そんな姿に反抗ばかりしていた私には、あんまり優しくなかったよね。

でも、よくよく思い出してみれば、
子供の頃は洋服を作ってくれたり、
大学合格祈願に神社に連れて行ってくれたり、
1人暮らしを始めたら「あなたがいなくなってさびしい」なんて手紙をくれたり、
行き遅れていた私に「別に結婚なんかしなくても気にしない」なんて言ってくれたり、
回数は少なかったけれど、元気になる心に刺さることを言ってくれた。

以前は、母を慕うことはないと思っていた。でも今、ベッドに横たわる細くて小さな母はとても愛しい。母の手を握ったり、足をさすったり、髪を撫でたりして、私は母を独り占めする。お母さんが大好きだった、子どもの頃を思い出しながら。


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