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デスクラブへようこそと休む

 本作品は、ヴィンシュルスの作品だ。ヴィンシュルスについてなんと日本語のwikipedia情報があったので引用させていただく。

子供らしい造形のキャラクターと下品・俗悪な展開を組み合わせるアンダーグラウンド・コミック的な作風で、ディズニーをはじめとするアメリカの過去のコミックやアニメーションを参照することも多い(wikipediaより引用)

子供らしいキャラクターと俗悪なストリーを組み合わせる作品といえば、以前紹介をしたFrankを思い出す。

 本作品もFrankと同様(なおFrankはカラー作品もある)白黒であり、可愛いらしいキャラクターが俗悪なストリーに巻き込まれていく。

なお、ヴィンシュルスはバンドデシネ作家とは別に、本名であるヴァンサン・パロノー名義でも下記のような活動をしているようである。

本名のヴァンサン・パロノー名義では、アニメーション制作にも関わっている。2007年にはマルジャン・サトラピの漫画『ペルセポリス』を原作者のサトラピと共同監督でアニメーション映画化し、同年のカンヌ映画祭で批評家賞、翌年のセザール賞で最優秀新人賞と最優秀翻案賞を受けている。2011年にはサトラピの『鶏のプラム煮(英語版)』を、ふたたび彼女との共同監督で実写映画化した。(wikipediaより引用)

マルジャン・サトラピの作品は以前、ペルセポリスを紹介した。まだ、鶏のプラム煮は紹介していないが、これも名作であるから今後紹介したい。

 そんなこんなで、ヴィンシュルスはバンドデシネ界隈では色々活躍している漫画家のようだ。

また、本作品のレビューについては、下記の通り優れたものがあったので紹介させていただく。

それでは、前置きはここまでにして本作品の紹介をする。本作品は、「パット・ブーン"ハッピー・エンド"」「スマート・モンキー」「デス・クラブへようこそ」をまとめたもののようだ。「スマートモンキー」のみが2004年に発表されたもので、他の2作品は2001年に発表されたものらしい。

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「パット・ブーン"ハッピー・エンド"」の主人公は上記のキャラクター。この話は短い寓話が連続していき、最後1つのストーリーにつながっていく。途中紆余曲折はあったもののハッピーエンドと言ってよいのではないだろうか。また、この話の中にはプレイボーイ風の男が某ネズミキャラクターに似ていたり、某人種差別主義集団を思わせるキャラクターが出てきたり相当、ピリッと風刺が効いている作品だと感じた。

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「スマート・モンキー」の主人公は上記のサルだ。「スマート・モンキー」では、サイレントのコマが連続してストリーが進んでいく。これは、バンドエンディングに分類されるストリーだと思う。

最後の「デス・クラブへようこそ」はさまざまなキャラクターが登場する。わりと絵柄の幅もあり興味深い。私は死神が出てくる話と、脳みそが元気に自立する話がとても面白いと感じた。

また、全体的に絵が興味深い。非常に簡略化された線のようで実はなかなか特徴的かつ立体感のある絵で、絵のうまさが伝わってくる。なんとなく日本でいうと漫☆画太郎先生の画風に似ていなくもないように感じた(名作のストリーをパロディーするところとか)。なので漫☆画太郎先生がお好きな方にも是非読んで欲しい作品だ。

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