朝鮮半島問題を中国目線で見る
ネット内でよく日韓関係について様々な論調があるが中国目線から論じる朝鮮半島への思惑については中々少ないので中国や台湾などから聞いた話など踏まえて書いてみようと思う。
夷狄と中華の関係
まず地政学と歴史からこの半島を考えるにはこの2つの関係を軸にした目線が必要になる。
かつての朝鮮は檀君朝鮮を祖にして高句麗そしてその高句麗を新羅などが吸収した後李氏朝鮮そして大韓帝国やがて日本統治時代を迎え苦難の時代が続き終戦と共に大韓民国(北朝鮮は異なる制度を持つもう一つの韓国としてる)として現在に至るとなってるがこれを歴史的に証明するものがないのが実状であると主張するのが中国である。
そもそも唐代に初めて熊津安東などに府を置いて朝鮮半島を支配しようとしたところ新羅と女満を祖とする渤海などと戦になり一度はこの地から手を引いたところから主に歴史書に出てくるのが定説であり日本では白村江の戦いにおいて百済共に唐連合に敗北したとして朝鮮半島が日本史の中に登場するのが定説でありこれは日中双方の歴史書を照らし合わせた上で統一見解とされている。
中国では渤海の台頭と白村江の戦いにおいては夷狄による侵華討夷(渤海は北方民族による地方統治した自治区が反旗翻したとして日本は倭として完全に異民族。白村江の戦いでは少数民族と倭が結託して乱を起こしたとされている)
常に中華と夷狄の間に朝鮮半島があり白村江の戦いの後中華の土地に倭がこれ以上入り込まないために少数民族による自治領として中華と夷狄の間の緩衝帯としての朝鮮半島と中国は今でも考えられている。故に中国人は朝鮮半島は元々中国であると主張するのはこういった背景が軸にある。
モンゴル時代の蒙古と夷狄
中国にとって日本は常に虎視眈々と侵華しようと企んでる野蛮な夷と見てる反面どこかで海を分け合いお互いに通商や文化往来を活発して刺激しない関係を保つ考えはこの頃から芽生えていたと言われている。おそらく元寇の事だと思うが確かに武力では圧倒していたが鎌倉武士の陸戦での強さと神風と言われた台風を機にどこか倭と戦するのは不条理となったのであろう。それは後に豊臣秀吉による朝鮮半島出兵で中華の対日本に抱いてた懸念が現実になったのだが…。
そもそも朝鮮半島に絶対王朝など存在しなかった
以上のように太古から中華王朝との朝貢でなく属国とされ続け日清戦争終結以降初めて民族独立した王朝(大韓帝国)から日本統治時代を経て現在の大韓民国に至るのだが李承晩ラインといい起源説を勝手に歪曲して流布する行為に一番戸惑ってるのは現在の中華人民共和国であろう。
だから昨今のキムチや韓服と呼ばれるチマ・チョゴリなどが本来中華発祥のものとして中国がやっきになるのはこういった歴史の過程がある故なのである。
(清代の時の漢族と満族の服)
日本の竹島問題は中国にとっても最大の関心事
(島根県hpより李承晩ライン)
歴史的背景を簡潔に書いたつもりだが長くなったので一気に現在の状況下まで話を飛ばすが、北東アジアの境界線はそもそも白村江の戦いの時代から元寇そして文禄・慶長の役の中で倭国(日本)と中華王朝(唐代 西漢 元 明代 清代など )と取り決められていたわけで多少の境界線に変化が出たのは北京条約下でロシアと交わした外満州の割譲と日清戦争時の長白山を中心とした鴨緑江と図們江を境にした中朝国境でありとりわけ海での境は少なくとも太平洋戦争終結時にまでは基本的に変化はなかったものであった。
それが突如李承晩ラインで日本側は竹島中国側は蘇岩礁が韓国領として併合されたわけなので中国側もおそらく驚愕したのは間違いないだろう。ただ悲劇なのはその頃中国側は国共内戦時の影響でそれどころでなく日本も敗戦国として国際社会に異を唱える力もなかった。これは小生の私見であるがやはりあの戦争は本当に余計でありやる戦争ではなかったと悔やまれて仕方ない。
中国は必ず蘇岩礁を取り返す
(Wikipediaより蘇岩礁についての画像)
いま中国側ではかつての領土復帰と言う冒険主義的な意見が強まり着々と蘇岩礁奪還に向けて動いている。(南シナ海や尖閣諸島またカシミール地域などの紛争の原因もここから来てるが決して同一としてるわけではない)
中国側の考える領土復帰とは明代の頃であり北東アジアで言えば日本との境はこの蘇岩礁を軸に沖縄硫黄鳥島より151海里から台湾より中国側が領海であると確定されるのが第一段階としてその次に南シナ海九段下と繋がってくる。(尖閣諸島については琉球国が朝貢国として存在してたので琉球国併合について中国の中でも議論になってる所に米国石油会社が石油利権をリークさせた事から発展した問題)
現実的な妥協案として中国側はこの蘇岩礁奪還と李承晩ラインを無効化させ竹島 済州島を日本側 鬱陵島を中国領土と世界に確約させるつもりなのは今後も続く話であるだろう。
そもそも韓国が唱える歴史とはどこから来た?
こう何千年もこの地域で確立された歴史と取り決めをまるでなかったように発言する韓国の主張の根拠については今持っても謎である。そもそも朝鮮半島に主権ある王朝が存在してなかった経緯は日中双方に残るそれぞれの古文書から証明されてるわけでありさらに言えばいま韓国で主に使用されているハングル自体が古文書になるわけもなく一体どこから来た話なのかと各国の歴史学者が頭を悩ませてる事が北東アジアの不安定感を醸し出す要因ではないだろうか?この最後のテーマが一番中国人や台湾人などが思ってる事である。
今回は中国側目線で見つめた朝鮮半島問題として書いてみました。やはり地政学的にはどうしても避けられない位置にいる以上こういった目線で考えてみるのも一興かと思いますので皆さんも様々な角度で朝鮮半島を見つめてみると良いかと思います。
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