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著作権にふれないためにぬいぐるみのデザインを自分でした。

2024年7月から“X”上で開催された『とにかく見てくれ展4』に参加させていただきました!
参加を決めた当初はあるゲーム作品に登場するドラゴンのぬいぐるみを作る予定でした。ですが人様の企画に乗っかるのに著作権的にNGなモノを作るのはアレだなと思いまして、自分でデザインすることに。
割と創作活動あるあるで、デザイン自体はサラッと決まると思ってました。脳内と実際の作業では何であんなに進行のスムーズさが違うのでしょうか……。

イメージを書き出す

はじめに作りたいドラゴンの特徴を思いつく限り書き出していきます。
イメージは魔竜、邪竜と言われる感じです。
○闇属性
○毒ブレス
○ねじくれた角
○手、足、背中にトゲ
○体色は黒とか紫
○目は赤
○四つ足(T-レックス型ではなくステゴザウルス型)
○翼6枚(堕天的な意味を付加)
○コウモリ翼ではなく鳥翼

勢いに任せたラフ

えぇ……ちょっとラフが過ぎてふざけてる感が漂いますが、ファーストインプレッションです。まずはすごい落書き程度でも描いてみるとイメージが少しずつ固形化していくので、手を動かすのって大切だと思いました。

描いてみる

流石にラフ絵過ぎたので、顔だけちょっとつめて描いてみます。

特に何も手本にせず、資料も見ずに描きました。自分でも「言いたいことは分からなくない、でもインパクト弱い」と感じる絵です。ここからまずはYouTubeでカッコいいドラゴンの描き方を勉強しました。

勉強する

大変勉強になりました。ゴチャボックスさんありがとうございます!
この動画で紙に描いた感満載のペラペラなドラゴンではなく、生きてる、リアルに存在することを意識したドラゴンを学べました。そこで生物としてのドラゴンを描く上での自分なりのポイントを書き出します。

■リアルに生きてるドラゴンの要素■
○充実したアゴ(その方が強そう)
○捕食する。生きるために狩をする“動物”である
○ちゃんと内臓が入ってる体
○その巨体で飛行する為の翼(リアリティ)
○例えるならモンハンのドラゴン

ここまで考えてカッコイイし、いつかこんなドラゴンを作りたいとは思うけど、今回自分が作りたいイメージと何か違うとギャップを感じて再考。
色々なドラゴンの画像を見て一番しっくりくるのは“ロードス島戦記”のエンシェントドラゴンでした。では何が生物としてのリアリティを持ったドラゴンと違うのか考えてみます。

■生態系に属さないドラゴンの要素■
○捕食、咀嚼の必要なし→アゴが細くてもいい
○食べる為の口ではなく、ブレスを吐く為の口
○人間性、感情の欠如
○理不尽さと凶暴性
○神、自然を体現した存在

自分の頭の中で煙のように実体のないイメージのとっかかりを掴もうと、まず言葉を挙げてみました。
何となくイメージが気体から液体くらいになったところで再度絵に描いてみます。今度は少し真面目に。

ざっくりはこんな感じ。まあまあはこんな感じ。ですがちょっと違う。
どうしたものかと考えた結果、やはり実際の動物や他の方が描いたドラゴンを見て勉強しなくては無理、ということに落ち着きました。教材はこちら。

日頃から大変お世話になってます、素晴らしいご本。縫い物の本と同じくらいぬいぐるみ作りをする際に参考にさせていただいてます。この本を見ながら色々描いてみます。

YouTubeで勉強したドラゴンと、爬虫類でドラゴンに近いワニと、ドラゴンにしていくパターンを参考にするために描いた猫です。
ここでもう一度(我慢できず)邪竜を描いてみます。

口や角の生え方は進歩した?

描いて2日くらいは惚れ惚れする出来だと思っていたのですが、次第にやっぱり違う…と違和感というか、不満が湧いてきたので没に。
次に「格好良い!」と感じたドラゴンを模写。リオ○ウスは描き途中で“これじゃない”と気づいてしまい、一気にやる気をなくした図です。

勉強大切。模写大切です。
この辺りからやっと自分が描きたい、好みのドラゴンの顔がわかってきました。
ここでもうちょっと“禍々しい”を勉強。

“禍々しい”を表現するのに必ずしも角が捩じくれている必要は無い、と学びました。あとトゲトゲは一本一本が大きいと強そうで、細かいと陰湿な感じがしました。
その辺りを詰め込んでみます。

良いのでは、ないでしょうか!
手前味噌ですが、結構良くできたと思います!
なんかこれで出来上がった気に半分以上なってましたが、これ、顔だけしか出来上がっておりません!
ボディの方を考えていきたいと思います。

体つきを考える

描きたいドラゴンは何足歩行なのか。
それによって上半身と下半身のバランスや体形が変わってきます。
ごく初めのイメージでは四つ足を踏ん張って吠えたりブレスを吐く、ドラクエのドラゴンみたいなものを想像してました。それが色々なドラゴンを見るうちに(クシャ○ダオラとかメル・○ナとか)イメージがブレブレになってきたので、これもまた図にしてみました。

初期にデザインしていたのは哺乳類型四足歩行です。猫からの改造なので手足が胴体から真下に向かって付いていて、細めです。生息はしていそうだけど災害級のイメージが湧かないので没に。
完全な二足歩行はゴジラが近いです。この足がかなり気に入ったのでこれでいこうかとも思ったのですが、微妙にしっくりこないので保留。
二足歩行寄り四足歩行は前脚が細く全体も軽くて華奢で、暴力的な重厚さとは一番縁遠いイメージなのでナシで。
最後トカゲ型四足歩行が体躯の重さが適度に出て好きでした。完全なトカゲだと上半身がもう少し伏せて横長になるのですが上から睥睨して欲しかったので、二足歩行寄り四足歩行の要素も入れることに。結果、前脚は哺乳類型、後ろ脚は爬虫類型で落ち着きました。

以上の要素を詰め込んだ決定項デザインがコチラ。

脳内イメージにかなり近いドラゴンが出来上がりました!鱗の模様などは後でトゲトゲを足すときに自然な生え方で描けるように、の準備のようなものです。メインの頭に生えた6本の角以外は基本の型紙ができてから様子を見て装飾していく方向で考えています。

ここで満足してしまいそうですが、忘れてはいけない。コレは新しいドラゴンをデザインするのが目的ではなく、最終的にぬいぐるみを作る為のデザインなのです。
ということで、ぬいぐるみ化で今思いつく注意ポイントを書き出してみました。

■ぬいぐるみにする上での注意点■
○見映えの為に装飾は欲しいが、イラストで映える程付けてしまうと触り心地を損なう。
○一番大きな面積を占める胴体、尻尾には装飾は最低限
○装飾は頭、手、足、背に角、立髪、トゲ、鱗など
○構造上の負荷を考えると翼への装飾は現実的ではない
○体パーツが細過ぎると格好がつかない

それを踏まえて上のドラゴンをぬいぐるみにした図の雛形を描いてみます。

ぬいぐるみ化案第一号

馬鹿を承知でこれを描き終えた時の心情を正直に言いますと、
やだ、このぬいぐるみ欲しい!
でした。自分に自分で呆れつつ「良かったねー」と言ってやりました。でも本当に、心の底から思います。このぬいぐるみ欲しい!って。そう思えるドラゴン描けて良かったな、とも思いました。
以上がオリジナルのぬいぐるみをデザインしてみた工程です。やはり考えていたよりたくさんの手順や勉強が必要でした。

この続きの型紙を作るところは、また別の記事で書かせていただこうと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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