連載エッセイ 「代車時代」
車を整備点検に出し、その間の代車として整備工場から借りた車が、こともあろうに「車検切れ」だったという事実。それが発覚したのが出先のコンビニで警察官から職務質問をされた時だった。
警察官「えーっと、北村さん。免許証をお返ししますね。でですね、質問があります」
私「はい」
警察官「こちらの車なんですが、車検が切れているようです。車検証を見せていただけますか?」
私「えー?!この車は整備工場から貸与されている代車ですよ?そんなことがあるなんて、えー?。まさか。えー?」
と言いつつ、フロントガラスの車検のシールに視線を移すと、確かに「32年11月」と書いてあるのが見えて「あ、これはだめだ」と思った。
ダッシュボードから車検証を取り出して、それを警察官に渡す。
警察官「やはり切れてますね。令和2年11月26日ですから、数日前に切れてます。」
私「うわー。困りました。どうしたらいいのでしょうか」
警察官「と、いうか、北村さん。あなたはここまでこの車を運転して来られたわけですよね?」
きつい質問が飛んできた。頭の中で過ぎったのは、無車検走行は交通違反であり、6点の減点(つまり免停)かつ罰金30万円。だが、言い逃れはできないと思い、正直に答えた。
私「そうですね」
警察官「と言うことになりますと、無車検で走行したと言うことになります。ただですね、北村さん…」
(続く)