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賛否両論?ゲーム・オブ・スローンズ最終回感想


「海外ドラマフレンズ」は、海外ドラマ好きの26歳女性と29歳男性が海外ドラマについて自由に楽しく語るアカウントです。YouTubepodcastで音声配信もしてます。今回は賛否両論あった、最終回の感想について話していきます。

どちらかというと否定派(29歳 / 男性)

■デナーリス派なので…

最終話の1つ前で、デナーリスがキングス・ランディング(レッドキープ)を全焼させてしまうわけですが、デナーリスに思い入れて見ていた身としては、あそこは「うそ~~~~~~~~なんで~~~~~~~」って感じです。悲しくて悲しくて…。

シーズンの前半の方なんて、デナーリスのパートだけが救いだったといっても過言ではないと思います。王都でもスターク家でも悲惨なことばかりで、ひたすらストレスが溜まり、辛い気持ちになってく展開の中で、デナーリスのパートだけは、徐々に力を付け、ドラゴンも成長し、奴隷解放も始め…と唯一熱い展開。ストレートな正義の存在として感情移入できました。トラブルがあったり、統治することの難しさに直面する場面も描かれますが、基本的にはこの物語の中である種の救世主的存在として観ていました。

だから、ああいう結果になることに対して、もう少し説得力というか納得させて欲しかったんです。フリが弱いよ!と。

おそらく、ジョンがターガリエン家の正当な継承者だったってことを知ってしまったっていうのが、ああなってしまった最大の理由。思い返してみれば、デナーリスの目的というか行動原理は、世界平和とかではなく、ターガリエン家の復権と自分が鉄の玉座につくことだし、そこが揺らいでしまったわけです。

あと打ち上げ。ホワイトウォーカーとの決戦の「長き夜」の後の打ち上げでも、みんながジョンを慕って指示しているのに対してデナーリス独りぼっちで…(グレイワームとミッサンディどこ行ってたあの時)。最終的な引き金はヴァリスの裏切りとか、ミッサンディが殺されるとか…。

こうやって話してみるとデナーリスが追い込まれる出来事は色々起きてはいるんですけど…。観ているときは、なんで民衆まで皆殺しにするの?!意味不明!!という気持ちに。

ただ、デナーリスがあのままキングスランディング落として王になってチャンチャンっていうのは、それはそれで平凡すぎて面白くはない。だから、やっぱりデナーリスが狂う過程をもっと丁寧に描いたら良かったし、ぜひそうして欲しかったですね。

■その他気になるポイント

あと、ヴァリスがジョンに言う「男が正当な継承者だから男のジョンが王になるべき!」っていう旧来の常識に対して、そこが覆ったり、劇中で特に否定されないのもあんまり面白くなかったです。

その他だと、サーセイとジェイミーのラストもあっさりすぎて残念。あれだけ悪者としてずっと頑張ってきたサーセイなのに!とはいえアリアとジョンとサンサの最後の分かれる道のシーンは素晴らしかったです。顔なじみのメンツがそろった小評議会も、ほっこりして好きでした。

やっぱり賛成派(26歳 / 女性)

■ブランが王に選ばれたのは筋が通っている

というのも、七王国は死と生の戦いを経て、統一されました。つまり、そもそもこの長い長いお話は、死 VS 生の物語だったと考えるべきなのでは、と。死(=忘却) vs 生(=記憶/物語) の戦いを乗り越えたあとに、三つ目鴉として生きる側の代表たるブランドンが王になるのは筋が通っていると思うわけです。

■ジョン・スノウが唯一無二の主人公だった

ネッドが死んだと同時に、「レイガーとリアナは愛し合っていて、エイゴンと名付けられた子供がいる」事実も人類から忘れられたので、ジョンの一部はある意味”死んでしまった”。しかし、全てが明らかにされ「A SONG OF ICE AND FIRE」という物語になることで、生き返ったのでは?(「死とは忘却である」というのがサムとブランによって繰り返されるので、ラストに登場する本は物理的な比喩?)。人々に記憶される存在として、ジョンが完全な生者になったわけです。

A SONG OF ICE AND FIRE という題名は若干ミスリードな気もします。つまり、ゲースロとは、ジョン(ICE)とデナーリス(FIRE)の物語というよりむしろ、ICEもFIREもジョンひとりを示していて、あくまでジョンがたったひとり主人公だった、という説を提唱したいですね!

■デナーリスは根本的には悪役だった

3つ目としては上記の続きで、そう考えるとデナーリスはそもそも悪役だったんじゃないかなと。出会うまで、徹底的に平行線を進むデナーリスとジョン▽

 1)鉄の玉座のゲームの外側からスタート(デ:ブレーヴォス / ジョ:壁)
 2)伝説上の獣と出会う(デ:ドラゴン / ジョ:ダイア・ウルフ)
 3)長兄や親を失う(デ:ヴィセーリス / ジョ:ロブ)
 4)本土の封建制とは違う民族と過ごす(デ:ドスラク族 / ジョ:野人)
 5)愛を知る / 失う(デ:ドロゴ / ジョ:イグリット)
 6)死から蘇る(デ:火 / ジョ:刺される)
 7)人々から王として認められる(デ:ナロー・シーの人々 / ジョ:北部)

しかし決定的に違う点があり、それは「王になりたいかどうか」。ヴァリス曰く、最も大切な資質ですね。ふたりとも民衆から選ばれますが、デナーリスにとって「人民にとっての幸せ」に価値はなく、自分が支配者であることが一番大事。なぜなら自分こそが正しい思想の持ち主なので、自分が玉座につくことが自動的に人々にとっての幸せだと考えている。

よって!ドラゴンの力を得た彼女は、何かあればすぐ、人々の生活なんておかまいなしで、すぐ焼き尽くそうとしてしまう。そんなデナーリスに対し客観的で懐疑的だったヴァリスと、最も忠実だったジョラーやミッサンディを失ったタイミングで、もう誰も彼女を注意してくれないわけですから、あとはやりたい放題になるのは、しょうがない。多少わかりにくいですが、やっぱりあれ以外の終わり方はなかった。

そして、ここまでの行動がここまで対比されているのを見ても、ジョンがヒーローで、デナーリスが悪役だった、と考えると自然な気もします。彼女が切望した玉座が燃える、という展開ももはや勧善懲悪。

全然悪い人に見えなかったのに、戦いの後に急速におかしな方向にいくので、ちょっとついていけないかも、というのは大いに同意ですが、とはいえ内容としては大満足でした!

音声でも話しています↓



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