視聴者は試されている？「13の理由」シーズン2感想

シーズン1よりも見やすい！

前提にある複雑な人間関係を把握した上で進行するので、シーズン1よりも圧倒的に追いやすい。加えて、今回は裁判が進むごとに真実に近づいていくという形式になっており、サスペンスやミステリー要素も強くなっているため、テンポがよく、ある意味見やすくなっている。

さらに、シーズン1で起きたことをフリにして、シーズン2は次々と想像を裏切ってくる展開。驚きの連続になっており、わくわくしながら見進められた。そういった部分において、シーズン1とはまた違った楽しみ方ができると思う。

余談だが、フリに対してどんどん後半でネタばらししていくって形式は「さらば青春の光」のコントを彷彿とさせる。

視聴者は試されている

シーズン2では、ハンナに関するさまざまな新事実が明らかになる。この新事実というのが絶妙で、見どころだ。

リバティ高校に転校する前にいた高校で、ハンナもいじめに加担していたことや、実はザックと一時そういう関係だったことも発覚。さらに、ジャスティンとも連絡をなんだかんだ取り続けていたこともわかってくる。

シーズン1は彼女視点で進むため、ハンナに完全に感情移入している状態だが、2ではこういった事実で視聴者の気持ちを揺さぶってくるので、試されているような感覚になった。

もちろん、ここで「ハンナも悪い」「本人にも原因があった」と、単純に考えてしまうのは間違いだ。ハンナの自殺、レイプ被害については絶対に切り分けて考えないといけない。被害者は清廉潔白、1つの落ち度もない完璧人生を歩んでいないといけないのか？いやいやいや、そんなことはない。

間違ってはいけないのは、悪いのは加害者だ、という部分である。その事実は変わりないはずだが、改めて肝に銘じなければいけないと感じた。

嫉妬するクレイ

前述の通り、ザックとハンナがほとんど付き合っているような関係だった、と発覚するのだが、これに対しクレイは嫉妬心をむき出しに（すぐにスカイに電話するという行動も見せている）。

実はハンナにとってクレイは、クレイが思うほどは特別ではなかったのかもしれない、というのが示されるわけだ。「ハンナにはオレしかいない」って思い込んでる節もあったが、実際にはそうではなかった。クレイとの繋がりが全てではないことを見せてきてくれた。この部分はとてもよかった。

また、クレイも嫉妬に惑わされず、それでもハンナのことを愛していたし、この不公正を許せなかったから動いていた、というのをすぐ思い出して立て直す。さすが主人公！

「体育会系」と「その他男子」のバトル

ロッカー前の大乱闘のシーンや、みんなでモンゴメリーを取り囲むシーンがエンタメ色が強くて素直に楽しめた。暴力で解決するわけではもちろんないけれど。

とくにモンゴメリーを取り囲むシーンは、さながら「ミッション:インポッシブル/ローグネーション」のラストシーンのようで、かっこよく決まっていた。「13の理由」でこんなシーンが出てくるとは！

ブライス達の悪役化

シーズン1ではキャラクターの描き方が非常にフェアだったが、シーズン2ではブライスが完全に悪役に。行動もそうだが、 顔つきも完全に悪者。

さらに、シーズン2ではそれぞれにみんなが罪を償うので、逃げ続けるブライスの悪さが際立つ。加えて、クラブハウスで女子生徒に行っていることがあまりにもひどすぎる。完全に犯罪。

また、モンゴメリーがタイラーに暴行するところも常軌を逸してる。悪役ふたりの行動が後戻りできないものになってきているので、このあたりシーズン3でどう決着させるのか、非常に気になる。

ハンナとの決別

シーズン2では、クレイはずっとハンナの亡霊を見続けている。行く先々にハンナが現れて、クレイを揺さぶってくる。そんな風にハンナのことをどうしても忘れることのできない彼が、最後に彼女に向けて弔辞を読むことで、決別できたシーンは素晴らしかった。

さらに、13の”死ぬ”理由に対して、11の"死なない"理由が書かれた紙が出てきたのも救われた。その中にクレイの名前があったことにも、安堵した。

また、スカイとの関係も、無駄になってないとわかったのもよかった。ハンナとの関係値がスカイとの関係にも作用したし、スカイとの関係が、今度はハンナとクレイの関係性にいい影響を与えて、、、という循環にほっこり。

タイラーの悲劇

シーズン2ではとにかくタイラーがひどいめにあう。本当に本当にひどい。彼は人間関係が下手で、プライドも高く、なかなか他者を受け入れられない。せっかくできた友達ともうまくいかなくなる。見事にどんどん追い詰められていくのが悲しかった。

彼が今後ハンナのようにならないために、クレイら他のメンバーが何をできるのか、銃社会についても踏み込むようだし、今後の展開に期待。

マーカスとシェリはいずこへ？

マーカスとシェリが途中から登場しなくなるが、彼らはいったい…？降板したんだろうか。とくにシェリは大活躍だったから、非常に気になるところである。

また、コートニーも途中でフェードアウトしてたので、最後あつまってるのは取って付けた感があって、その辺はシーズン1の丁寧な人物描写はどうしちゃったの、という感じ。シーズン3で回収されるんだろうか…？疑問である。

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