
【会話を哲学する】ノンバーバルは次の時代を「生きる意味」
1. 合理的「無難な会話」
昨日Xにて、ある投稿が目に留まった。
最近の大学生、好きな人とのメッセージのやり取りすらChat GPTに書かせているらしい。
いよいよ人間が生きる意味を問われる時代になってきたな。

著作家・堀本見さんのツイートだ。
これを見たときまず、確かに合理的だと思った。
コミュニケーションにはある程度の正解があるからだ。恥ずかしながら私自身よく会話のあとに一人反省会を開催するのだが、「あのときのあの発言、ミスったなー」とか気苦労は絶えない。笑
私の周りはよっぽど変なことを言わなければある程度寛容な方が多いが、それでも会話にはその場における最も適切な返し、いわば最適解のようなものが、確かに存在している。
このX投稿の場合は特に、「恋愛」という変な返しひとつで、相手の印象が天地の差ほど変動するフィールドだから、なおさらだ。
もっと顕著な例としてマッチングアプリを取り上げよう。初対面同士だからこそ、コミュニケーションの正解不正解がより明確に表面化する。
男性の場合以下のようなルールがある(らしい)
「自分のことを語ってはいけない(7:3の法則)」「1メッセージが3行を越えてはいけない」「話題が広がるようなオープンクエスチョン」「追いメッセージNG」「一問一答NG」「返信はマメに」「踏み込むべきタイミング」etc…
とにかくコツとNGを掌握するゲームなわけである。アプリはこういったルールが顕在化しやすいが、日常でも同様だ。なりたい人物像がある限り、言動に正解不正解は生じる。
私が思うに、会話内容そのものの正解不正解は多分生成AIに任せても構わない。スマホ上のメッセージなら合理的であるほど「わかってる奴」認定されやすい。特にXのこの投稿の場合、嫌われたくはないという不安定な状況なわけだから、合理的な受け答えはChatGTPに任せたほうが無難だろう。しかし人類が文面上のメッセージをAIに任せたとしても、まだコミュニケーションにおける「生きる意味」は死なないと、私は考えている。
コミュニケーションとは合理性だけで成り立つほど不自由ではないからだ。
2. ノンバという「滲み出るキャラクター性」
では「生きる意味」はいかにして残るのか。私が思うに、それは最もプリミティブで最もフィジカルで(ある意味で)最もフェティッシュな要素。
ノンバーバルコミュニケーションだ(以下ノンバ)。
ノンバとは会話そのものの内容ではなく会話の進め方や節目に見られる仕草(声の大きさ、トーン、自分と相手のどちらにベクトルが向いてるか、話が長くないか、目を見ているか、相槌がキモくないか、間の取り方が心地よいか etc.)のことだ。

ノンバはむしろ会話内容以上にその人のキャラクター性が滲み出る。
取り繕えないからだ。
言葉は後天的に「勉強して」得るものだから、コントロール可能である。すなわち、嘘がつけるということだ。
だがノンバはそうはいかない。厳密にはノンバも後天的な部分はあるし嘘もつけるのだが、そもそもこれが「会話」の一部だとあまり認識されていないから、ノンバで嘘をつこうという発想に至らないことが多い。
「何を言っているか」よりも「どんなふうに言ってるか」 の方がキャラクターが出やすいし、わかりやすい。私としては、話者が「何を言っているか」といった本質に目を向ける人は賢い人だと思っているが、8割方の人間はそうではないだろう(し、気を抜いているときは大体「どんなふうに言ってるか」に目が行く。)
3. ノンバ8大要素
ノンバには以下のような種類が存在する。

②タッチについては日本ではそもそもすること自体少ないだろう。これをするだけで相手からの印象は大きく変わる。
コミュニケーションには言葉そのもの以外にも、こんなにも見るべきポイントが存在している。
この8つの視点で相手を見ると、言葉を交わさずしてもさまざまな「相手のスタンス」が見えてくる。
逆に、自分もこれらのノンバを駆使して、言葉にせずとも相手に意思表示ができる。
そしてこれはソフトなものではなく、フィジカルを伴った言動なわけで、AI単体ではまだ再現性が低いだろう。逆に言語情報というものは有形であるがゆえ、AIという超翻訳家を前にすると脆いのだ。
後半ではコミュ障あるあるの克服と、元東大院生として感じた「学歴を凌駕する生き方」について述べたいと思う。興味ある方は是非読んでいただけると幸いです!
4. コミュ障が2回目以降戦力ダウンする原因
ここから先は
¥ 100
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?