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歴史総合という科目について思ったこと

先生が、先生の先生から聞いた話をします。
戦後の日本では、東洋史、西洋史を融合させて、世界史を教えるという課題が高等学校の教員に課されました。
最初は東洋史だけを教えたり、両方を別々に並列させて教えた人もいたようです。そのうちに、現在の世界史につながるような、融合に近いものになってきました。近いと言っているのは、実際は合体に思えるからです。

世界史Bの教科書を観ると、オリエントの歴史を7世紀まで学んで、次にギリシアの歴史をヘレニズムの終わりBC1世紀まで学んで、それからローマの歴史を5世紀まで学んで、それからペルシアの歴史を7世紀まで学んで、という風にしています。これは地域史を順番に学んでいるだけに思えます。融合とは言えません。

世界史を教える人はいろいろ工夫して、このテキストを世界史化して教えようとしてきたはずです。もちろん、先生のように世界史化したテキストそのものを作ってきた人もいるでしょう。
皆伝 世界史では頭の中で融合できるように、構造表や世界年表、すべての地域を同時代史として記述することで、その問題をクリアしようとしています。だから、歴史総合にも応用できます。

現行の歴史総合/近現代の世界史/世界史Aの拡張版でも、戦後すぐのように世界史しか教えない人や、合体しているだけで融合していない教科書もあるようです。
歴史総合を教えることで苦慮している人は、世界史の授業が西洋史とインド史、中国史をどう融合させているかを学んだり、戦後の教員がどう工夫して、世界史を構築してきたかを学ぶと、参考になることもあるかもしれませんね。歴史教育史の領域だと思います。
もちろん、皆伝 世界史を参考にしてもいいんですよ。
構造表のような関係性、世界年表のような一覧性というのは、融合にとっては役立つ要素だと思います。

受験生、先生の言う試学生も近現代の世界史+近現代の日本史ではなくて、頭の中で近現代を一体化して理解するつもりで学びましょうね。

先生方、高い志を持って、試学生が歴史総合を学ぶ手助けをしてくださいね。

サポートして下さると長く続けられると思います。これからも学んでいく費用に使うので、サポートを御願いしますね。