授業料を払えないから投資 その前に知っておきましょう
今日は政治経済のことを書きます。
大学受験の科目としてというよりは、投資について書きますね。
受験生やその親で投資を始める人、始めた人、始めようとしている人が多いらしいんです。
18歳から成人なので、高校三年生も自分の口座を持って投資をできます。
ここからは先生に聞きました。
保護者、親権を持っている人の同意があれば、17歳以下でもできます。
未成年口座と言うそうです。
なぜ最近は投資に興味を持つ人が多いのかというと、まず中央政府が主導している点があります。
2003年の証券税制の優遇措置で、「貯蓄から投資へ」というスローガンがありました。2019年には「老後2000万円」問題が話題になりました。これは金融庁の試算で、夫婦二人が65歳から95歳まで生きると2000万円足りないというものですが、それまでにいくら稼いでいたのか、国民年金なのか厚生年金なのか、子どもがいるのかいないのか、いくら貯蓄があるのか、持ち家なのかどうかで全く変わるんです。それでも先生が言うには、中央政府にとっては「老後不安をあおったことで、貯蓄から投資へという流れができたわい、しめしめ」になったそうです。
そもそも
「老後の資金を稼ぐために、投資をしましょう」と中央政府が呼びかけるのは、
「現行の社会保障制度が機能していない」ことを中央政府が自ら暴露している何よりの証拠だと先生は言っています。
「老後は社会保障制度の年金で十分暮らせますよ」と言えないんですね。
しかも
「これから給与が上がるから貯蓄をしていれば老後は安心だ」とも言えないんです。つまり、2019年時点で中央政府は給与が上がるとは思っていなかったということです。しかも、2024年に解除するまで日本銀行はマイナス金利政策をしていました。だから、預金の利子で老後の資金を増やすということをできないように、政府と日本銀行が一体になってしてきたわけです。
だから日本に暮らす庶民は、投資をしないといけない気分にさせられてきたと先生は言っています。
2020年代の大学生のだいたい50%の人は、奨学金を受け取っています。
自己資金で大学の授業料などを賄えないんです。
給付型の奨学金は返済しなくていいのですが、貸与型の奨学金は就職してから利子も含めて返済しないといけません。これは大変です。
庶民は100万円または年収の3割の借金があると、生活が破綻すると言われているからです。
奨学金を返済しはじめるのは20代ですね。20代の平均年収は350万円くらいです。3割と言うと105万円です。
奨学金はもっとかかりますよね。
こういう状況で投資をしようという人もいるみたいなんです。
投資をする主体は主に二つあって、個人投資家と機関投資家です。
個人でするか、団体でするかということです。
団体というのは企業(トヨタ、投資銀行など)や日本銀行(株式を買っています)です。
個人投資家のうち、9割が一年で市場から去ると言われています。
資産を失って投資をできなくなるから去るということです。
残った1割の人は運が良かったり、投資の前にしっかり学んでいた人かもしれません。
大手の証券会社では、実際のお金を投資しないで、シミュレーションをすることができるそうです。
ここで1年くらいしっかり学んで、ローソク足の見方や一目均衡表の見方、ROCなどの指標の基準はどれくらいかといった知識を得て、「長期投資で行く」「相場の流れ/トレンドに従う。逆張りはしない」「月に1%の利益を目標にする」「日経平均が下がっている時は買わない」など、自分なりの投資法を身に付けて、それから実際にお金を投資するというのがまっとうだと先生は言っています。
そもそも「投資」は「資本/お金を投げてしまう」ことですからね。これと見込んだ企業や経営者にかけて、応援するよというものです。もちろん、それで稼げれば嬉しいんですけどね。
投資の極意を先生から教わりました。
①自分で考えて、投資をする。
②他の人に、お金を預けない。
③投資は余剰資金でする。
稼ぐ極意ではありませんでした。
投資信託というものを聞いたことがありますね。
いつどこに投資をするかを信じて託しますということです。
自分で考えるのが面倒で、できないと言う人がお勧めされます。
けど、お勧めしている人を信用できますか?
先生は言っています。
「有料で投資セミナーを開いている人がいます。なぜそんなことをしていると思いますか?無料ならいいんですよ。プロで活躍した選手が時折、参加費無料でスポーツを教えてくれたりしますよね。」
たしかに投資で稼げる人はもう富豪になっているでしょうから、有料の投資セミナーで稼ぐなんていうことはしないでしょうね。無料で教えてくれそうです。
「投資は競馬やtotoと同じなんです。勝つ方法を教えます。これが勝つ馬です。このチームが勝ちます。そんなこと言ったら、その馬のオッズが1倍になってしまうから、自分が稼げなくなる。だから絶対に教えない」
とも先生は言っています。
たしかにいま2000円のA社の株が、来年の4/20に2800円になる、その後急落すると教えられたら、今買うでしょう。で、ほとんどの人が少し早めの4/19に売るでしょう。それを見越して4/18に売る人もいるでしょう。そうすると4/20には2800円にはなりません。そもそも今株価が上がり始めるので、すぐに売るでしょう。
つまり、予想した人は今売って稼ぐんです。予想通りに売ったら稼げないからです。
こうやって教わると、たしかに
「投資をしませんかと誘ってくる人間は絶対に信じてはダメだ。飲み屋や電気店で安いよーと誘ってくる人間と同じだ。そういうところは逆に高い。いい店は勧誘しない」のかもしれません。
「投資の広告を見たり、銀行で投資を勧められたら、詐欺師めが、と冷たい目をしてやれ」と先生は言っています。
「だいたい投資信託なんていうのは、庶民の手数料で稼いでいるのであってだなあ、庶民を儲けさせようなんてこたあ、これっぽちも考えてないんだ」
先生、なんだか少し酔っているようです。
証券会社にも自分のところで投資をする部門があるんですけど、庶民に投資信託を売る方がリスクなしで稼げるので旨みがあるんです。
基本的に富裕層向けの投資は成功報酬があるので力を入れるだろうし、利益率も高いようなんですけど、庶民向けは手数料で稼いでいるだけと先生は言っています。
投資信託は平均利回りで考える人が多いと思うんですけど、そこから高い手数料や税金を差し引くので、思ったより稼げないということもあります。
金融庁によると、投資信託で利益を出している人は3人に1人だそうです。
投資信託は2022年末で5888本あったそうですが、どの投資信託がプラスのリターンになるかを予想するのは難しいですね。そもそもそんな能力がある人は、安い手数料で証券会社を利用して自分で投資をすると思います。
ちなみに2015年にはほとんどの投信がマイナス、2019年にはほとんどがプラスになったそうです。つまり、庶民のお金を運用する人の能力には差がないということです。世界の金融や経済の情勢次第ということです。だから、どの投信が稼げるかを考えてもあんまり意味はなくて、せいぜい株式、不動産、国外の債権などを選ぶくらいということです。
投資の対象はいくつかあるんですけど、
FX。Foreign Exchangeのことです。外国為替証拠金取引と訳していますが、円高になるか円安になるかを予想して、差額で稼ぐということです。予想できますか?
大蔵省(いまの財務省)でミスター円と言われた為替の専門家である榊原英資さんは2022年末に「円安から反転する。2023年は夏から年末に1ドル/120円台程度まで円高が進む」と言っています。夏がいつからかはわかりませんが、6/1は138円でした。11月中旬に151円といっそうの円安になっています。12/31に141円でした。トヨタなどの名だたる企業が、米国の元財務長官などを交えて、今年の為替相場はいくらになるだろうね、だから今年のわが社の収益はこれくらいになるだろうねと予測をしています。
けれど、だいたい後で修正しているんです。
為替の専門家や、元財務長官の助言があっても予想は外れているんです。庶民に予想できるでしょうか。
国外の株式や国債など
戦争が始まったり、自然災害があったりと予想できない変動要因もあります。そして、日本円に戻す時に為替差損などがあるので、注意しましょうね。
国内の株式や国債、社債など
しっかり学んでください
プラチナや金など
しっかり学んでください
②他の人にお金を預けない
投資信託とは別の話で詐欺です。
「100万円を振り込めば、120万円にするよ」
詐欺です。
そんなに寛大な人がいるわけがありません。
詐欺です。
いつどの株式や債券に投資をすればいいかを教えてもらいましょう。教えてもらった情報を元に、大手の証券会社を通じて、安い手数料で、自分でその株式や債券を買いましょう。失敗しても全額を失うことはありません。
投資助言・代理業を行うには、金融商品取引法第29条に基づく登録を受ける必要があるので、財務局に登録している登録番号を教えてもらいましょう。忘れた、教えられないなどと言ったら詐欺です。お金を預かって、代わりに投資をする個人や会社は、投資運用業(投資一任契約に係る業務等)の認可を受ける必要があるので、認可番号を訊いてみましょう。言えない、忘れたと言う人は、詐欺です。
③投資は余剰資金でする。
すぐにお金持ちになりたい、すぐにお金が必要だ。
こういう人は投資で失敗する可能性が高いと先生は言っています。
引き際を見極められないからだそうです。
投資は稼ぐよりも損をしないことを重視することが絶対条件だそうです。
そして、無くなっても生活に支障をきたさないお金ですべきだと言っています。年収が300万円あって、貯金が100万円あって、子どもが一人で、月7万円の部屋に住んで、子どもが1年以内に大学に進学する人なら、入学金や授業料なども考えると、投資に使うのはだいたい50万円くらいが上限でしょうか。
生活に支障をきたすようなお金だと、損をした時に取り返さないと―と思って、冷静ではない状態でさらに損をするというのがよくあるパターンだそうです。
よくよく考えて、投資をしなくても生きて行けるねということならしなくてもいいんじゃないでしょうか。それでもするなら、しっかり学んでシミュレーションをしてから、生活に支障をきたさない金額で、大手の証券会社を使って安い手数料で、損をしないことを重視して、自分で考えて投資をすることで、詐欺にあったり、生活が破綻しないようにしましょう。
安心して、大学入試に臨めるといいですね。
給付型の奨学金も探してみてくださいね。
申込期限が5月や6月というところもあるので、早めにしましょう。