探求学習や、さらに世界史を深掘りしたい人のための本の一覧
(2023.5更新) 本のリストを載せておきます。
皆伝で書いた本には専門書や小説もあるので、ここには基本的に書きません。探求用の本なので、概説書も書くんですけど、難しいものもあると思います。適切な概説書がない場合は、専門書も書いてしまいます。先生に紹介してもらった本もたくさんあって、私はまだ読んでいない本もあります。受験生は忙しいのです。
時代史
先史
「人類史マップ: サピエンス誕生・危機・拡散の全記録」(ナショナルジオグラフィック.2021年)「人類の起源」(中公新書.2022)「氷河期以後(上下)」(Sミズン.青土社.2万年前~5千年前の範囲で、都市・農耕について書いています)「ラスコーと世界の壁画」(別冊宝島)「人類史の中の定住革命」(講談社学術文庫)「都市の起源 古代の先進地域=西アジアを掘る」 (講談社選書メチエ.2016年)
古代前期
「諸文明の起源シリーズ」(京都大学.2006年)「古代オリエント全史」(小林登志子.中公新書.2022年 著者はメソポタミアの専門家です)「古代メソポタミア全史」(小林登志子.中公新書.2020年)「シュメル 人類最古の文明」(小林登志子.中公新書.2005年)「ケルト全史」(東京堂出版.2021年)「エトルリア人」(文庫クセジュ.白水社)「通商国家カルタゴ」(興亡の世界史.講談社)「ペルシア帝国」(青木健.講談社現代新書.2020年.アケメネス朝、アルサケス朝、サーサーン朝。少し内容が浅い分野もあります。)
「古代エジプトを知る事典」(吉村作治.東京堂出版.2005年)「メソポタミアとインダスの間」(ちくま選書.2015年.海洋交易について)「古代ギリシア 11の都市が語る歴史」(ポール・カートリッジ.白水社.2011年)「ヘレニズムとオリエント」(ミネルヴァ書房)「バクトリア王国の興亡」(ちくま.2019年)「インダス文明の謎 古代文明神話を見直す」(京大学術出版.2013年)「夏王朝」(岡村秀典.講談社学術文庫.2007年)「岩波講座 世界歴史 アメリカ大陸古代文明事典」(青山和夫.岩波書店.2005年。北米はたったのp10で、中南米の遺跡の解説が主です。文化、生活の記述は少ないと思います。けど、これ以上の本はありません)「古代アメリカ文明」(山川出版社.2010年。マヤ、クスコ、マチュピチュ、ナスカなどの歴史と主要遺跡の解説です)
古代後期
「岩波講座 世界歴史 ローマ帝国と西アジア 前3~7世紀」(2021年 史学史も含むので初学者用ではありません)「ヨーロッパとゲルマン部族国家」(マガリクメール.文庫クセジュ. 2019年)「スキタイと匈奴」(興亡の世界史.講談社.2007年)「漢帝国-400年の興亡」(渡邉.中公新書.2019年)
中世
「西欧中世事典」(ミネルヴァ書房.1997年)「チーズと うじ虫」(カルロ・ギンズブルグ.異端について)「ハンザ12-17世紀 」(フィリップ・ドランジェ.みすず書房.2016年)「北の十字軍 ヨーロッパの北方拡大」(講談社学術文庫)「神聖ローマ帝国: ドイツ王が支配した帝国」(世界史の鏡シリーズ.池田文夫.刀水書房.2019年)「十字軍騎士団」(講談社学術文庫)「中世シチリア王国」(講談社新書)「ヴェネツィア 東西ヨーロッパのかなめ 1081-1797 」(ウィリアムHマクニール.講談社学術文庫.2013年)「ヴェネツィアの歴史: 海と陸の共和国」(創元世界史ライブラリー.中平希.創元社.2018年)「スラブの歴史」(講座 スラブの世界3.原暉之.山内昌之.弘文堂.1995年)「ルネッサンス史」(東京大学.2015年 12000円は高いですね。図書館で借りようかな)一般向けには「ルネサンス文化史」(エウジェニオ・ガレン.平凡社.2011年)「ルネサンス」(光文社新書.2012年)でいいと思います。「ビザンツ」(ヘリン.白水社.2010年)「イスラム-思想と歴史」(東京大学.2012年)「オスマン帝国」(小笠原.中公新書.2018年)
「ソグド商人の歴史」(エチエンヌ・デラヴェシェール.岩波書店.2019年)「渤海国とは何か」(吉川弘文館.2017年)「契丹[遼]と10~12世紀の東部ユーラシア」(勉誠.2013年)「金・女真の歴史とユーラシア東方」(勉誠出版.2019年)「モンゴル帝国の興亡 上下」(講談社新書)「中世東アジアの周縁世界」(同成社.2009年)「東アジア海域と日中交流 中世の北東アジアと日本列島」(吉川2007年.渤海アイヌ文化形成、モンゴル明)「前近代の日本列島と朝鮮半島」(山川出版社.2007年)「琉球王国の成立 上下」(日本経済評論社)
近世
「コロンブスからカストロまでカリブ海域1492-1969」(岩波現代文庫)「海の地政学-覇権をめぐる400年史」(竹田いさみ.中公新書.2019年 大航海時代から)「ハプスブルク帝国」(講談社新書.2017年)「宗教改革の真実」(講談社新書.2004年)「グローバル化と銀 16世紀」(山川出版社)「歴史の転換期シリーズ 1683年 近世世界の変容」(山川出版社.2018年)「興亡の世界史 ロシア・ロマノフ朝」(講談社学術文庫)「バルカン ヨーロッパの火薬庫の歴史」(マークマゾワー.中公新書.2016年.1453年東ローマ帝国の滅亡以降の歴史です)「アジア近現代史「世界史の誕生」以後の800年」(岩崎育夫.中公新書.2019年 モンゴル台頭以後です)
近代
「歴史の転換期シリーズ 1789年 自由を求める時代」(山川出版社)「歴史の転換期シリーズ 1861年 改革と試練の時代」(山川出版社.2018年)「入門東南アジア近現代史」(講談社現代新書.2017年.政治、経済、社会)
現代
「国際秩序」(細谷雄一.中公新書.18世紀~21世紀を英国の視点で欧州中心に)「ソーシャルパワー長い19世紀上下」(マイケルマン.第一次世界大戦の序章)「力の追求1815-1914上下」(リチャードJエヴァンズ.白水社)「20世紀の歴史―極端な時代(上下)」(エリック・ホムズボーム.ちくま学芸文庫)「第一次世界大戦」(リデルハート.ドキュメンタリー風で定番書ということです)「ロシア革命」(岩波新書.2017年)「ホロコースト全史」(創元社.1996年)「スペイン内戦1936-1939上下」(みすず書房)「ハイパーインフレの悪夢」(アダム・ファーガソン.新潮社.2011年)「ヒトラー 上下」(イアン・カーショー.白水社)「第二次世界大戦(上下)」(アンソニー・ビーヴァ―)「ヒロシマ」(ジョンハーシー.法政大学出版局)「遠すぎた家路 戦後ヨーロッパの難民たち」(ベン・シェファード)「戦後世界史」(祝田.河出書房.主に日本との関係)「冷戦史」(ロバート ・マクマン.勁草書房)「ソ連史」(ちくま新書)「クレムリンの5000日」(プリマコフ.ソ連崩壊)「激動の東欧史―戦後政権崩壊の背景」(木戸 蓊.中公新書)
「アジア冷戦史」(中公新書.2004年。著者の下斗米 伸夫はロシアの専門家として信用できる研究者と先生は言っていました)「ヴェトナム戦争」(中公新書.2001年)「中央アジアの国際関係」(ダダバエフ・ティムール.東京大学出版会.2014年)「世界史のなかの東アジア 台湾・朝鮮・日本」(汪暉.青土社.2015年)
「国連と帝国」&「国際協調の先駆者たち」(マーク・マゾワー)
地域史・一国史
「北欧史、ポーランド・ウクライナ・バルト史、ドナウ・ヨーロッパ史、アフリカ史、東南アジア史、太平洋史、ラテン・アメリカ史1.2」(世界各国史シリーズ.山川出版社.1999年くらい)「北からの世界史」(原書房.2013年)「物語ウクライナの歴史」(中公新書.2002年)「物語バルト三国の歴史」(中公新書.2004年)「ドナウ川紀行 東欧・中欧の歴史と文化」(岩波新書)「新版 東欧を知る事典」(平凡社.2015年.1万円近くします。図書館ですね。) 「コーカサス」(廣瀬陽子.集英社新書.2008年)
「岩波講座世界歴史14 南北アメリカ大陸-17世紀」(岩波書店.2022年。史学史も兼ねているので、初心者用ではありません)
「世界歴史大系 南アジア史1-4、朝鮮史1.2」(山川出版社.2007年くらい)「インド洋海域世界の歴史 人の移動と交流のクロス・ロード」(ちくま学芸文庫. 2021年)「シルクロード全史」(交流史.王鉞 .中公2002年.古代-現代)
「中国の歴史」(全12巻.講談社.2005年)「シリーズ中国の歴史」(岩波書店.2020年くらい)「シリーズ中国近現代史」(岩波新書)
「岩波新書シリーズ古代日本史1-6」(岩波新書.2011年くらい)「日本古代の歴史シリーズ1-6」(吉川弘文館.2013年)「日本中世の歴史1-7」(吉川弘文館.2009年-2011年)「シリーズ日本中世史」(全4巻.岩波新書. 2016年)「シリーズ日本近世史」(全5巻 岩波新書.2015年) 「日本近世の歴史1-6」(吉川弘文館.2011年-2013年)「シリーズ日本近現代史1-10」(岩波新書.2006年-2010年)
「島に住む人類 オセアニアの楽園創世記」(印東 道子.臨川書店. 2017年)
日本や中国を除いて、どのシリーズの地域史の本にも、古代はほとんど書かれていません。
地区史
「ケベックを知るための54章 エリア・スタディーズ」(明石書店.2009年)「現代バスクを知るための50章」(明石書店.2012年)「カタルーニャの歴史と文化」(白水社.2006年)「物語カタルーニャの歴史 知られざる地中海帝国の興亡」(中公新書.2000年)「チェチェン」(白水社) 「クルド人を知るための55章」(明石書店.2019年)「カシミール/キルド・イン・ヴァレイ―インド・パキスタンの狭間で」(廣瀬和司.現代企画室.2011年)「辺境中国」(デイヴィッド・アイマー.白水社.2018年 新疆、チベット、雲南、東北部)「内モンゴル近現代史研究」(巴特.多摩大学出版会.2019年)「物語 チベットの歴史」(中公新書.2023)「チベット問題を読み解く」(祥伝社新書)「消されゆくチベット」(集英社新書.2013年)「新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年」(熊倉潤.中公新書.2022年)「中国を追われたウイグル人」(文春新書)「香港を知るための60章」(倉田徹.張彧暋(張彧暋/チョウ イクマン)「香港 中国と向き合う自由都市」(倉田徹.張彧暋/チョウ イクマン.岩波新書.2015年)「台湾の歴史と文化」(中公新書.2020年)「族群 現代台湾のエスニック・イマジネーション」(東方書店.先住民、客家、閩南人/みんなんじん、外省人)「アイヌ民族の歴史」(山川出版社.2015年)「ジュニア版 沖縄をよく知るための歴史教科書」(編集工房 東洋企画.2018年)「大学で学ぶ沖縄の歴史」(吉川弘文館.2023)「琉球から見た世界史」(三谷博&村井章介.山川出版社.2011年)
テーマ史
世界史探求では、自分の興味のある分野で問いを設定して学ぶので、テーマ史のリストは必要だと思いました。
「古代文明と気候大変動」(フェイガン.河出書房.2005年)「人類と気候の10万年史」(講談社)「環境の歴史」(みすず書房.2007年)「文明の人口史 人類と環境の衝突一万年史」(新評論)「空間と移動の社会史」(ミネルヴァ書房)
「鉄道」(ミネルヴァ書房)「軍隊」(ミネルヴァ書房)「毛皮と皮革の文明史」(ミネルヴァ書房)「民族」(ミネルヴァ書房)「スポーツ書房」(ミネルヴァ)「国際商業」(ミネルヴァ書房)「階級・ジェンダー・ネイション」(ミネルヴァ書房)「家族」(ミネルヴァ書房)「移民」(ミネルヴァ書房)
「歴史を読み替える ジェンダーから見た世界史」(大月書店.2014)「世界史の中の女性たち」(勉誠出版)「経済統計で見る世界経済2000年史」(柏書房.2004年)「貿易の世界史」(ちくま新書.2020年)「感染症と文明」(山本太郎.岩波新書.2011年)「感染症の世界史」(石弘之.洋泉社.2014年)
「宗教の世界史シリーズ」(山川出版社.ユダヤ教、キリスト教.イスラーム.ヒンドゥー教.仏教.道教.儒教.2009年-2017年くらい)
「コーヒーのグローバルヒストリー 赤いダイヤか黒い悪魔か」(ミネルヴァ書房.2010)「チョコレートの文化誌」(世界思想社.2004年)「バナナのグローバルヒストリー」(ミネルヴァ書房)「トウガラシの世界史」(中公新書)「お茶の歴史」(原書房)「ジャガイモの歴史」(原書房.2014年)「パンの歴史」(6000年史.原書房.2013年)「水の歴史」&「ワインの歴史」&「パスタと麺の歴史」&「オリーブの歴史」&「ナッツの歴史」&「砂糖の歴史」(奴隷制も)&「ウィスキーの歴史」&「ハーブの歴史」&「ビールの歴史」&「鮭の歴史」&「ミルクの歴史」&「スパイスの歴史」(原書房.2014年くらい)「食糧と人類」(ルース・ドフリース.日経)「食と健康の一億年史」(スティーヴン・レ.亜紀書房.2017年)「食の歴史」(ジャック・アタリ.プレジデント社.2020)「食の人類史」(中公新書)「人類と家畜の世界史」「歴史を変えた昆虫たち」(クラウズリー トンプソン)「ヒョウタン文化史」「銀の世界史」(祝田秀全.ちくま新書)「ヒトはこうして増えてきた 20万年」
「美術の物語」(エルンスト・ゴンブリッチ.河出書房.2019年)「オールカラー完全版世界遺産シリーズ」(講談社.2002年くらい)「世界文学大図鑑」(三省堂.2017年)「カラー版建築と都市の歴史」(井上書院.2013年)「アジア都市建築史」(昭和堂.2003年)「史上最強カラー図解 世界服飾史のすべてがわかる本」( 熊澤慧子.ナツメ社.2012年)
「絵画の歴史A history of pictures 洞窟壁画からiPadまで」(Dホックニー.Mゲイフォード.青幻舎.2017年)「世界写真史カラー版」(飯沢耕太郎監修.美術出版社.2004年)&「世界デザイン史」&「世界やきもの史」(1999年)&「カラー版東洋美術史」(2012年)&「世界ガラス工芸史」&「20世紀の美術」(美術出版社)「50の名器とアイテムで知る図説楽器の歴史」(原書房.2015年.オーケストラに使う楽器だけです)「138億年の音楽史」(浦久俊彦.講談社現代新書)
「映画史を学ぶ クリティカル・ワーズ」(フィルムアート社.2013増補新版)「世界シネマ大事典」(2016年.通史です)「ハリウッド百年史講義」(平凡社新書)「図説文字の起源と歴史」(創元社.2006年)「文字の歴史」(フィッシャー研究社.2005年)「地図の歴史」(東洋書林.2009年)
「海の歴史」(ジャックアタリ.プレジデント社.2018年 宗教、文化、技術、企業、国家、帝国の推移への影響です。)「現代ゲーム全史」(早川書房)
「日本の食文化史 旧石器時代から現代まで」(岩波書店.2015年)「日本やきもの史」(美術出版社.1998年)「日本映画史110年」(四方田犬彦.集英社新書.2014年新版)「日本写真史(上下)」(鳥原.中公新書.2013年)「日本衣服史」(増田美子.吉川弘文館.2010年)「はじめて学ぶ日本文学史」(ミネルヴァ書房.2010年)「日本文学の歴史 古代・中世1-6、近世7-9、10-18近代・現代」(ドナルド・キーン.中央公論新社)「マンガでわかるマンガの歴史」(2018年)「図解日本音楽史」(東京堂出版.2008年)「日本デザイン史」(美術出版社)「日本美術史」(美術出版社.2014年)「日本庭園の歴史と文化」(吉川弘文館.2015年)
基層史
世界史探求では、日常の暮らしと世界史を結び付けて考えることに重点を置いているので、基層の人の歴史を知ることは重要です。
「生活の世界歴史1-10」(河出文庫.1992年くらい)「五〇〇〇年前の日常 シュメール」(小林登志子.新潮選書.2007年)「図説古代ギリシアの暮らし」(ふくろうの本)「古代ローマ人の24時間」「古代ローマ生活事典」(東京堂.2004年)「古代ローマの庶民たち」(Rクナップ.白水社.2015年)「ヨーロッパ中世社会史事典」(アニエス・ジェラール、ジャック・ルゴフ.2000年)「オスマン帝国治下のアラブ社会」(山川出版社.2017年)「古代中国の24時間-秦漢時代の衣食住から性愛まで」 (中公新書.2021年)「東南アジア文化事典」(信田 敏宏.丸善出版. 2019年)「アイヌ文化誌ノート」(吉川弘文館.2001年)
気になった分野をもっと深掘りしたい、因果関係などを探求したいという分野があったら、そういう本を読んでいって、その本に付いている参考書一覧からさらにほかの本を探すというのが、一般的な書籍探索の方法です。図書館の司書に訊くのもいいと思います。
気になった分野で、この研究者は信用できるという人を見つけられたらいいですね。
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