第5話 怪談『車の裏側』(バス・お題「車」)
これはある自動車エンジニアから聞いた話です。
そのエンジニアの方は車のドア部分のプレス機での細かな所の修正や良い製品を作る条件を整える仕事をしてました。
そのエンジニアの方はお客の不具合を聞いて修正もする為、お客様相談センターの方とも仲が良かったんですね。
相談センターの方から、君だから話すけどこんな相談がここ10年で結構来ててねと話してくれたそうです。
それはある車種の車で、夜中にその車のオーナーがコンビニに車を停めて買い物を終え戻ってくると助手席に男が乗っていると、そしてその人が見ている前で消え、その表情はとても悲しそうで悔しそうに見えたと、
また他のオーナーでは夜中に走っている時にうとうとしてしまい、ふと我に帰り横を見ると知らない男が乗っていると、そして危うく事故に合いそうになり、横をみるといなかった、男は泣いており、悔しいと言っていた。
新車なのに、何かあるんじゃないかとの相談があると、しかしそんなこと大きな声では言えないし、話を聞くぐらいしか出来ないんだよなーと
でもね、不思議なのはその男が作業服を来て、髪型などの特徴が一致してるんだよね。
何かあるのかなと話してくれたそうです。
その車種はエンジニアの方の担当してる車の旧型でした。気になり少し調べて見ることにした所、その車が出た時に、大型のプレス機にて不慮の事故で亡くなられた方がいると、技術員からの話で分かりました。
しかしなぜ車は何千台も作ってるのに数件の相談しか上がらないのか、考えていると、作業員の光景が目に入って来たそうです。大きなプレス機の中で掃除をしている姿、その周りにはまだ、裏側の向きで置いてある、製品がライン上に何枚か並んでおり、その不慮の事故で亡くなった時に血が大量にかかったんではないかと
ある程度は清掃し使えそうなら、しかも裏側なら車に付けると見えない為、製品にする事をそのエンジニアは経験上知ってました。
そしてその時に亡くなられた方の特徴は相談センターの方から聞いた話と一致していたそうです。
車には目に見えない部分にサインなどを入れるそうです。大量生産の車でも人の思いや感情は1台1台に入っているかもしれませんね。