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第75話 怪談『レンタルハウス』(バス・お題 『土』)

演劇の活動を行ってる勇気さん(仮名)から聞きました話になります。 勇気さんは役者としても出ますが、演出も行っており、常日頃から 「面白い事はできないか?」ということを考えている方です。
ある年、夏にホラー系の舞台をやってくれないか?と頼まれた勇気さん、ホラーというジャンルにも興味があった為、二つ返事で引き受ける事にしました。
どんな演出にしようと考えていた勇気さんは、折角なら新しいやり方で舞台をやりたいと考えて、舞台と映像を融合してみたいなと考えたそうです。
その劇団では、今まで映像制作を行った事がなく、舞台だけでやっていた為、これはチャンスだと考え早速、メンバーに伝えたそうです。
そうするとメンバーも乗り気で是非やってみたい、という事に。
どうせならと旅行もかねて、4泊ぐらいでレンタルハウスを借りて撮影に乗り出しました。 撮影の許可をとれる所が以外と少なかったらしく、いろいろ、しらみつぶしに探しているとS県のO市にて撮影もOKな場所が、見つかったそうです。
そして、撮影日、そのレンタルハウスは、2階建てで、1階は2LDKで2階は寝室と和室があり、1 戸建てということもあり、かなり広い作りになっていたそうです。
メンバーの一人が、
「すごい!庭もこんなに広い!BBQ出来ちゃうね」
というくらいにいろいろと広かったそうです。 1日目が終わり、それぞれの部屋に別れてその日は勇気さんは2階の寝室で男3人と雑魚寝をすることに。2日目撮影をしていると、女優陣が体調が悪そうな感じになっていたそうです。 勇気さんは気になり、
「どした?体調悪い?」
「うん・・・昨夜寝れなくて」
「こうして集まったから楽しくて寝れなかったんだろう!」
「うん・・・・ねえ、今日1階と2階寝るところ変えてもらってもいい?」
「あ、ああ、いいけど、、、、」
そんな会話をし、その日は女優陣が、体調悪そうなこともあり、撮影は少しだけして自由時間にすることに。
2日目の夜、女優陣の言う通りに、部屋を交換することに。 勇気さんその夜、変な夢をみたそうです。
暗い森のなかに勇気さんが一人だけいて、しばらくすると土のなかから何かが出てきたそうで す。それは、ぼやけてなにかは分からなかったそうですが、人の顔のようなもの、手のようなもの、足のようなものに見えたそうです。
勇気さん、その夢が気持ち悪かったせいもあり、夜中に目が覚めてからは寝れなくなってしまったそうです。
3日目朝起きると、他の男性のメンバーも、浮かない顔をしていたそうです。
聞いてみると、勇気さんと似たような夢をみていたそうで、気になった、勇気さんは、 女優の方に
「昨日なんだけど、なんで部屋交換してくれって言ったの?」
「・・・あのね、実は・・・」
と勇気さんや他の男性のかたと似たような夢をみたそうで、それが余りにリアルで女優陣もその後、寝るのはやめたそうです。
どうにも、撮影を行うような雰囲気でなくなってしまったそうで、レンタルハウスでの撮影をやめることに。
いやこれは、大変な場所に来たのかもしれないと思った勇気さん、ふと庭に目がいったそうで、端のほうにボコボコした部分があって気になり近くにいってみると
「うおっ!」
「これは手!え!マネキン?」
そこには少しはみ出していた、手や足が見えたそうです。
「おい、こっち来てくれ!」 と皆を呼ぶことに
「なんだこれ?」
「掘ってみるか」
と皆で掘ってみると、 大量のマネキンの部品や人形が。
「これは、きついな」
 その後は残り1日を待たずにその場所を離れたそうですが、
「別に、人形をどうしようが自由だとは思うんだけど、あの捨て方やマネキンの部品の傷つき方みていると、あれは悪意があるよ」
そんな話をしてくれました。


動画はこちら。


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