第71話 怪談『火縄潜り』(バス・お題 『火』)
中古の住宅を購入した幸子さん(仮名)家族の話です。
夫と子供が2人いる幸子さんは夫の転勤でO県に引っ越す事にその時に長く住む事になるので 家を購入しようという事になりました。
最初は新築を探していたのですが、また転勤になる恐れもあるため手頃な中古住宅の方がいいだろうと、探していると、割と手頃な値段で、駅から近い家が見つかりました。
不動産屋いわく、
「こういう物件はめったにでないんですが、前に住んでいた方が急遽、引っ越す事になったみたい で運がいいですよ!」
との事。
色々な手続きも済ませて心機一転、新しい土地で過ごす準備も整ってきたそうですが、近所の方とは中々、馴染めずにはいたそうです。
そして、もう一つ気になる事が、それは夜中に寝ていると足音みたいな者が聞こえる事があるそうです。
家鳴りといえば、それまでらしいのですが、
「ギシッギシッ、ギシッ」
と長いときには30分くらいは続くそうで、幸子さん、少し憂鬱な状態になっていたそうです。
ある時、町内会の役員さんから
「今月は火縄潜りの祭りがあるから良かったら来てくださいね。 色々と厄除けにもなるのでいいですよ」
と言われ、色々と続いてる厄祓いになればと思い
「はい、是非行きたいと思います」
と話したそうです。
ところがその後、回覧板が回ってきた際に、今月の祭は中止と書いた物も一緒に入っており、 色々と楽しみにしていた幸子さんは落胆したそうです。
旦那さんからも 「祭り残念だったなー」
「あら、祭り中止の事、知ってるのね?」
「たまたま聞いてさー」
そんな会話もして祭りの日は、家のんびりしようという事になったのですが、 当日夕食の材料が足りない幸子さんは、買い物に行く事に、出てみると外は賑やかで神社に寄ってみると、祭りは予定通り行い、火縄潜りも行うとの事。家に帰り家族に話して祭りに参加する事に。
幸子さん言ってましたが、中止のお知らせがきていたのに、何だか変な気分だったと。
その後、家に帰り疲れもあり、すぐに布団に、 その夜も誰とも分からない足跡が聞こえてきたと思うと幸子さんの枕元で足跡が止まったそうで、 そこで
「もう少しでお前を連れていけたのに、残念だ」 と言われたそうで、目を開けて周囲を見渡すと誰もいなかったそうです。
この不思議な出来事はその後、なくなったそうですが、それが厄除けの火縄潜りのおかげなのか、そもそも不思議な出来事は何故起きたのか、分からないままだそうです。
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