第72話 都市伝説『振袖』(BJ・お題 『火』)
今回は朗読をしました。ラフカディオ・ハーンの『振袖』です。
江戸の火事のなかでもっとも被害の大きかった「明暦の大火」の原因について述べられたお話です。これは講談や他の物語でも扱われており、登場人物の名前や細かい設定が話ごとに異なっていますが、大筋は同じです。
簡単にあらすじを述べますと・・
ある若者に若い娘が一目ぼれをした。だが名前を知ることもできず、判るのは彼の来ていた派手な着物の柄だけである。娘は同じようながらの振袖を作ってもらう。振袖を眺めつつ若者に恋い焦がれつづけた娘は、若くして死んでしまう。
親は振袖を寺に寄贈する。住職がそれを売りに出すと、買ってそれを着た娘がすぐに死んでしまう。振袖がまた寺に戻ってくる。このようなことが度々繰り返される。
供養のため振袖を焼くと風が火の粉をさらい、江戸の町を焼きつくしてしまう。
こちらのサイトに原文がありました。
http://teabreakt.studio-web.net/10hurisode.pdf
この話にはさらに謎があって、火元となった本妙寺に、大火の翌年から、檀家でもない隣家である老中・阿部忠秋の屋敷から毎年多額の寄付がされるようになり、本妙寺は大きな寺となったというのです。
いったい何があったのでしょうね?