第26話 怪談『7つ目』(バス・お題 ノープラン)
今は高校生の親戚の佐藤くんと学校の七不思議について話しました。
よくある学校の怪談が佐藤くんの小学校にもありました。
そしてよくある感じで7つ目を知ると何かが起こる。
1「音楽室のピアノが夜に誰も居ないのに鳴り出す」
2「図書館に4時すぎにおばあさんがいて、そのおばあさんに会うと神隠しに会う」
など6個の話が
そして最後の1つだけは、この話が七不思議の7番目だというのがないんですね
「焼却炉に夜中、作業着の男がいる」
「美術室で夜中絵を描いてる人がいる」
など、話を聞くには聞くんですが、これが7番目だという感じではないらしく、今もわからないそうです。
ですが、こんな話を体験談からしてくれました。
季節は夏が終わり、もうすぐ冬に入る前の11月終わりの金曜日、学校で部活終えて、その後自主練習をしていると時間は17時半くらい、遅くまで残ってしまったなと思い片付けをして帰ることに、運動場をでて、学校の校舎の横を通ると、隣のクラスの舞さんがいました。
佐藤くんが
「何してるのこんな時間まで」
「宿題の忘れ物をしてることに気づいてね、取りに来たんだ」
「ふーん、今から」
「うん、でも暗いから教室行くの怖くて、色々してたらこんな時間になっちゃって」
とそんな感じだったので、一緒に佐藤くん、教室まで行くことにしたそうです。
佐藤くん、舞さんの事が好きだった事もあり、何か助けになるのが嬉しかったそうです。
舞さんの教室は職員室から離れており、三階の1番左奥にあります。
ペタペタペタ、何時もより歩く音も大きい気がする廊下、何時も三階まではすぐのはずなのに、時間が遅く感じる、人がいないと、こんなにも違うものかと佐藤くん思ったそうです。
三階まで付き教室に入るドアをガラガラガラーと開ける当然中は誰もいなくシーンとしている
荷物を取りに机に行き、教室を出ようとすると、足音がないのに、大人数の医療服を着た人が変な光を放って歩いてくる。
2人は声も出ないくらいびっくりし、
その医療服を着た人たちが行き止まりの廊下の突き当たりまで来ると、壁を抜けて消えていく、その光景があまりに気持ち悪く2人は見ていられなくなり、教卓下に2人入り、肩を抱き合い震えていたそうです。
その後そーっと教卓から顔を出すと奇妙な光もなく、人もいない、静かに教卓を出て、教卓のドアの前に、ドアをなるべく音がしないように、スーッと開ける、開け切ったくらいの時に、キィーとドアが軋む音、その音は小さいはずなんですが、誰もいない学校では一際大きく響く。
その時です、誰もいないと思っていた、1番奥に看護師らしき女の人が振り返ってこちらを見る、その顔には黒目というか穴が空いているのか、目がないような状態で静かに佐藤くんと舞さんの方に歩いてくる、
2人は手を取り合って教室を出ると、校門まで、走る、そして校門まで来ると振り返るとシーンっと奇妙な光もなくまた静かな学校だったそうです。
その後2人は帰る方向が違う事もあり別れたそうですが、土日が明けて、学校に行き、舞さんに会いに行ったそうです。
舞さんにこの前の話をすると、記憶にないらしく、
「それ本当に私?」
と逆に聞かれる、何が何だか分からない佐藤くんですが、舞さんが、
「私、金曜日の学校終わりからおばあちゃんの所に行ってたんだけど、すぐ高熱が出て寝込んでたの、祭りが土日にあるから楽しみにしてたんだけど、でもね、祭りが終わると嘘のように熱が下がって、その間何だかフワフワしていて、誰かと一緒に居たようにも思えるんだけど、間違いなくおばあちゃんの所で寝てたんだよね」
舞さん曰く、高熱で寝てたのは間違いないが、身体から抜け出したようにフラフラと何処か彷徨ってる感覚があったそうです。
その祭りは神無月で神様が留守をして、その後神様が帰ってくるのをお出迎えする祭りでした。
神様が帰って来たら熱が下がり身体に戻れたのかもと舞さん仰っていたそうです。
佐藤くん、そんな経験から一つの考察をしたそうです。用務員の幽霊や、美術室に出る霊、医療服の団体、そして、いないはずの舞さん、もしかしたら、学校の何処かには霊を呼び寄せる場所があるのではないかと、だから毎回見るものは違う
霊を呼び寄せる場所が七不思議の7番目の話ではないかと
あの時舞さんと教卓の下で肩を抱きしめていた事、手を繋いで逃げたこと、それは確かな物に佐藤くん感じたそうです。