第９５話　怪談『新幹線の中で』（バス・お題　『狂気』）

友人のTさんより聞いた話になります。
新幹線に乗ってる時の出来事だったそうです。 今ぐらいの寒い冬だったそうで、少し長く乗るため、ウトウトとして、気づくと寝てしまっていたそうです。
Tさん、夢をみたそうです。 それは同じような電車に乗ってたそうで、その時、隣の車両から男が、こちらに来たかと思うと、順番に出刃包丁で乗客を刺して行ってたそうで、ついにはTさんの所までやってきたそうです。
Tさん、怖いながらも抗おうと、もみ合ったそうですが、力負けして押し倒されたそうです。 そして他の乗客と同じように出刃包丁で胸の辺りを刺されてしまい、そこでハッと目覚めたそうで す。
あまりにリアルな夢だった事もあり、1度タバコを吸いに行こうと席を立ち、喫煙所に向かったそう です。
一服して落ち着いた事もあり、車両に戻ろうとしてふと小さな5歳?6歳くらいの子供がこちらを ジーッと見てきたそうです。
そしてこちらを見て

「良かったね、夢で」

 と言いTさんが戻る車両に行ったそうです。
Tさん一瞬何が起きたのか分からなくなったそうです。 先程見ていた夢の事を言ってるのか 偶然なのか、混乱したまま、
その子を見つけようと車両に急いで戻ったそうですが、10秒くらいしか立っていないのに子供の 気配すら無かったそうです。

あれは何だったのか、今でも分からないそうですが、パラレルワールドみたいなのがあるとしたら 別の世界ではあの出来事は本当にあったのかも知れないねと言ってました。

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