第33話 怪談『カラオケBOX』(バス・お題『歌』)
以前、東京に行った時の話です。
用事を済ませた後、思ったより遅い時間になり、新幹線のない時間になってしまいました。
日帰りの予定でいた為、宿を取っていなく、どうしたものかと考え、マンガ喫茶にでも泊まるかと考えましたがどこも、いっぱいでした。
結構疲れていた為ホテルも近くで探しましたが、安く泊まれるホテルもいっぱいでした、そこで思い立ったのがカラオケBOXでした。
行ってみると受付は、お客さんで混雑しており、やはりダメかと半ば諦めていたんですが、1人用の部屋が空いてるとの事、背に腹はかえられないと思い入ることに。
部屋に入ると、1人用と言うだけあり、座るところが狭く横になる事は出来なさそうでした。
でもやっと1人でゆっくり出来ると思い、座ることにひどく疲れてた事もあり、そのまま気づくと寝ていました。
朝方ですかね、目が覚めて、ボッーとしてると部屋の前に中年の女性が立っていました。
うわっと思いました。
いつから立ってたんだろう、これは怖いと思いましたね。
その女性が何か奥の方を見つめてるんですね。
暫くするとその女性、いなくなりましたんで、飲み物が欲しい事もあり、ドリンクを取りに行く事に、そして戻ってくると、またその女性が私の部屋の前の壁の近くにいるんですよね。
怖いのはありましたが、部屋に荷物が置いてましたので、仕方なく戻ることに、まあ、何かあったら叫べばいいくらいの気持ちでいたのもあるんですけどね。
で、私が恐る恐る部屋に入ろうとすると、私の存在はどうでもいいかのように、隣の部屋を見てるんですね。
聞こうと思ったわけではないんですが、部屋に入る際にその女性、
「呪ってやる、呪ってやる、呪ってやる」
と言ってるのが聞こえてしまってその時、隣の部屋の扉が開いたら、その女性、走ってまたいなくなったんですが中から若い女性が、空のコップを持って出てきました。
私は部屋に戻り荷物をまとめるとすぐにそのカラオケBOXを後にしました。
みては行けないものみたなと。私から見たらですが、隣の部屋に生霊を飛ばしてるようでしたね。
で関係ないといえばそうなんですが、その時に隣のドアが開いて聞こえてきた音楽が、かぐや姫の歌でした。
かぐや姫の歌を聴くと、コンサートの際に、天井のマイクから、
「私にも聴かせて」と女性の声が入っている事を思い出してしまい、余計に怖かった体験でした。
動画はこちら。