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「即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。」のWEB版が即死したから、書籍版を読み直すよ。第13巻(ネタバレ注意)


1.即死チート13巻の感想

書籍版13巻ですが、クソゲー第二弾攻略編の続きです。「地底クエスト」の進捗としては、ラスボクエスト直前までになります。攻略内容自体は、WEB版とあまり変わっている印象はありませんでした。

13巻には、何人かの登場人物の2週目の世界での様子が描かれます。私の印象に残っている登場人物をざっくりと書いておきます。当然ながら超ネタバレです。

即死チート書籍版13巻より勇者アインと剣聖ウラベと聖王

剣聖ウラベ:聖王と一緒にメルド平原の結晶化(1週目だと天盤喰らいが軍隊を進軍させたところだよ)の原因であるクモを調査しています。それはそうとして、私はアニメ版のキャラクター紹介で、はじめて剣聖ウラベの名前を知ったのですが。真面目な話、WEB版にも書籍版2巻にもコミック版にも、剣聖ウラベの名前は出てこないので、書籍版だと13巻で初めて、あの老剣聖はウラベって名前だったのかと知ることになります。

勇者アイン:1週目では、賢者レインに惨敗していましたが、2週目では大賢者ミツキに恨みを持つ者として、結構な出番をもらうことになります。13巻時点では力を求めて、クモを取り込みました。挿絵をもらったのは、14巻での顔見せかなと。

桐生裕一郎:1週目でバトルソングのインストールに失敗した理由は結局明らかにならないまま、2週目は普通にマスターアサシンになって、高遠くんを暗殺しようとして返り討ちに合いました。一応、城ケ崎ろみ子さんの敵討ちという理由はあります。

リック:1週目はUEGに殺害されたわけですが、2週目は世界の敵である高遠くんを倒すため「地底クエスト」に参加しています。そして、マニー王家に恨みを持つデグルさん(1週目だと書籍版6巻で高遠くん達が乗っていた豪華客船を襲った海賊のボスの人で元マニー王族)に殺害されました。

ライニール:1週目は色々あってUEGに見逃されたため、最後まで生き残っていましたが、2週目は女神ヴァハナトの依り代として「地底クエスト」に参加を強要されています。ちなみに女神ヴァハナトの目的は復讐で、対象はリックさん、高遠くん、ヘッジホッグあたりです。女神ヴァハナトは1週目はリックさんの聖剣で殺害されているので復活できたのです。

秋野蒼空:1週目はクラスメートのまとめ役として活躍し、最終的に魔神マナに殺害されましたが、2週目は世界の敵かつクラスメートの敵である高遠くんに自害を促すため「地底クエスト」に参加しています。

上記紹介で、高遠くんが世界の敵と書いていますが、これは大賢者ミツキによるもので、高遠くんが1週目に即死チートで約6000万人を殺害したことを、即死チート世界の知的生命体に一斉放送で伝えたためです。この結果、例えば12巻までは仲良く一緒に冒険していたエーデルガルドさんが、パーティから離れることになります。(エーデルガルドさんにとっては、賢者レインを即死チートしたのが高遠くんだということが分かったため)

この一斉放送については、姑息だけど結構効果的な手段を、大賢者ミツキは取ってくるなあと、少し見直しました。多分、元の世界で同じことをされたら、研究所は無茶苦茶困るはずです。高遠くん対策は、如何に本人の能力に触れずに、嫌がらせをするかが基本なので。(即死チートでモンスターを倒しても、どうして倒したのか分からないから経験値あげないよとか)

リックさんなんかは、再登場して速攻退場してしまったわけですが、第13巻は、最終巻のラストバトルに向けて登場人物を整理した巻と言えるでしょう。

2.グレートリセットの違和感の話

実は、この感想記事を書いている時点で、私は既に書籍版14巻まで読んでしまっているのですが、ようやく即死チートの2週目に感じていた違和感の原因が分かったので、書きます。

まず、即死チートという作品は、登場人物によって見えている世界が全然違うという特徴があります。例えば、UEGと高遠くんのバトルで説明してみます。

高遠くん:UEGが何か力を使おうとしたので、落ちていった。
UEG:高遠くんに力を使おうとしたら暗転して、降龍の影に説教された。
降龍:UEGが即死したら、影を送り込もうと準備していた。影が何を言ったのかは分からない。

そして、この3者が見えている世界を全て認識しているのは、私を含めた読者(能力名:超読書家(スーパーリーダー))しかいません。

さて、大賢者ミツキによるグレートリセットですが、とりあえずは夢オチとして処理されます。何があったのかは何となく覚えているけど、夢だったからノーカンな、と言った感じですね。

さて、違和感を感じるのは、2週目の高遠くんの人間関係です。それでも、リックさんを始めとした普通の人なら、夢オチだったし大賢者ミツキによるアナウンスの影響もあるから、敵に回ったりするのもまあ仕方がないかなと思うのですが、天盤級(いわゆる神)なら、そもそも1週目のことを普通に覚えているはずなのだから、もう少し高遠くんとの絡みがあってもよかったのではと思ってしまいました。

具体的には、ヒルコとルーですね。ヒルコは天盤級としては上位神で、ルーは本調子ではないとはいえ超天盤級の3強の1人なので、グレートリセットぐらいで高遠くんとのつながりが消えるわけがないのですが、結局2週目にまともな絡みがないまま終わります。読者である私としては、書籍版11巻まであんなに仲良くしていたのに、なんか薄情なのではと感じてしまったわけです。

それでも、ルーの立ち位置が書籍版と違っていたWEB版では、高遠くんとの関係性がほぼ1週目で終わりでも、まあUEGと同じような感じかなということで、そこまで違和感がなかったのですが、書籍版の設定だと、流石に淡泊すぎるなあと言うのが、違和感の原因です。

私を含めた読者は全ての世界を認識できるとは言え、基本的には読者視点は主人公である高遠くんの立場から読むことが多いので、高遠くん視点に引きずられるのは仕方がないのかなと。高遠くんはルーのことを結構気にかけていたので、なおさら展開に違和感がありました。

ちなみに、読者視点の私とほぼ同じ認識をしているのが、賢者シオンです。まあこのあたりは、大賢者ミツキと高遠くんのどちらを信じるかの問題でもあるのですが、賢者シオンですら2週目にそういう対応ができたのだから、高遠くんと一緒に冒険していた神なら、なおさらではという感じですね。

まあ、このあたりの詳細は書籍版14巻の感想でもっとちゃんと書きます。ルーの設定見直しは、全体ではプラスだと思いますが、個人的にはもう少し高遠くん関係の描写をWEB版から追加して欲しかったなというのが結論です。

それでは、ごきげんよう。

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