「即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。」のWEB版が即死したから、書籍版を読み直すよ。第5巻(ネタバレ注意)
1.即死チート5巻の感想
書籍版5巻ですが、賢者の石をもらいにいこう編が始まります。4巻までは、ギリギリでコミック版の連載と被っていると強弁できましたが、5巻からは完全にネタバレになるので、気にする人は読んではいけません。
3巻の感想で、即死チート世界の強さランキング表を書きましたが、5巻の結果を踏まえて修正します。賢者が神に準ずる存在なのはその通りなのですが、色々と神に届かない描写が目立ってきたので、ランクを分割します。ついでに侵略者(アグレッサー)を使役する存在とかも出てきたので、使役する方が天盤級で、侵略者(アグレッサー)は賢者と同等かなと。
別格:高遠くん(即死チート)
Tire1:超天盤級(天盤喰らいとか)
Tire2:天盤級(神様はここ)
Tier2.5:賢者級(賢者とか侵略者(アグレッサー)とか)
Tire3:その他能力者(クラスメートとか)
まず、5巻の高遠くんの動きとしては、賢者ライザ(闘神)から賢者の石をもらって終わりです。ただ、WEB版でも賢者の石をもらったところは覚えていたのですが、賢者ライザのとてもひどい領地経営方針は記憶に無かったので、このあたりは書籍版で補足したところかもしれないなと思いました。
即死チートで一番まともな賢者は賢者シオンであると、私は感想で書いているわけですが、実は書籍版4巻では賢者シオンはかなりひどいことやっていたなと思ってます。それにも関わらず、まともだと断定してるのは、これからでてくる他の賢者がそれ以上にひどいことをしまくっていたからなんですよね。即死チートは書籍版を集めて読み返すぐらいには評価している作品ですが、小説としては相当に露悪的な作品だとも思っていて、私が好きなジャンルではないです。私はWEB版で完結まで読んでいるから、書籍版もサクサク読めてますが、初見だと結構読むのが辛いラノベだと思います。
5巻で思ったのは、普通に神クラスが登場するようになってきたなということです。5巻で私の中で有名なのは、マルナとリルナの性悪双子神です。
書籍版がWEB版と最も違うのは、挿絵があることですね。マルナとリルナも、美少女双子神なので成瀬先生に可愛く書いてもらってます。そして、マルナとリルナは、即死チートの世界における現在の主神なので、神としては無茶苦茶強くて、ついでに性格は悪いです。さらに言うと、最終的にはどちらか片方が即死チートされます。(確か、マルナだった気がします)
高遠くんが賢者と絡んでいる一方で、神クラスの暗躍が始まっているという展開は、WEB版を読んでいた時は分からなかったので、書籍版で分かりやすく整理してくれたのかなと思いました。2巻の剣聖の試練編で、アグレッサーが女神ヴァハナトを狙っているとか、一応の伏線はありましたけどね。
あとは、いつも通り登場人物の死因とかを整理しながら読んでいるわけですが、5巻で発狂というのが出てきました。この場合私の理解では、即死チートは発動していないので復活できるはずですが、発狂原因が高遠くんの能力を知覚したこと(要はいつでも即死チートはあなたを見ている)なので、復活即発狂やむなしということで、これは再起不能(リタイア)かなと。
まともな人ランキングですが、リックさん(リチャード第三王子)が筆頭継続です。5巻でも剣聖としての見せ場ももらっているので、盤石としか言いようがないですね。
2.バトルソングシステムの話
賢者シオンがクラスメートにギフト(能力)をインストールするために使用したバトルソングシステムですが、書籍版だとかなり面白い使われ方をしていることが分かったので、改めて整理します。WEB版を読んでいた時点では、賢者シオンがはじめに使ったアレね、としか思ってなかったので、このあたりは書籍版を書く際に改めて設定を整理しなおしたのだと思います。
まず、賢者シオンが使ったバトルソングシステムですが、賢者シオンが賢者候補の試練用に独自に改造して使ったものです。
4巻の魔神マナ対賢者シオン戦で、魔神マナが賢者シオンのバトルソングシステムは子供の遊びみたいなもので、ペアレントコントロールで無効にできるという描写があります。この結果、賢者シオンが負けるわけですが、ペアレントコントロールって、携帯アプリかよって思いますよね。
5巻では、鳳くんを助けた神クラスの存在が、「鳳くんのバトルソングシステムはバージョンが古い上に独自改造されていたので、ウイルス判定を受けて除去してしまった」と伝えています。
つまり、書籍版のバトルソングシステムは、神クラスにおける汎用アプリみたいなもので、現在も開発が継続している設定のようです。もちろん、即死チートの神クラスの存在は、時間制御とか復活とかがデフォルトで使えるので、普通に強いのですが、バトルソングシステムで、賢者と神の格の違いを描写しているのは、かなり上手なのではと感心してしまいました。
ちなみに、私の中では賢者シオンは結構ポンコツなのではという疑惑もあるのですが、バトルソングシステムがその傍証になっていて笑ってしまいました。最新版かつ正規版のバトルソングシステムでは、インストールミスが発生するとは思えないので、賢者候補の試練で毎回バトルソングシステムのインストールに失敗する人が何人かでていたのは、賢者シオンの改造のせいではないかなと。つまり、クラスメートで不良の桐生裕一郎くんがインストールに失敗した結果ドラゴンに殺されてしまったのは、賢者シオンのせいです。(そもそも賢者シオンが異世界転生させたからというのはともかくとして)
そして、賢者が神クラスよりも明らかに弱くても、そもそも高遠くん相手では大差ないので、物語的にはどのように配置しようとも問題ないという物語設定は、思った以上によくできているのではと思いました。
それでは、ごきげんよう。
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