ケガをしないことの恐怖
『1日30分を続けなさい』という本に偶然出逢う。
主には、勉強を継続するためのコツが書かれている本であったが、
例えば、集中に適した食事や睡眠の取り方、短期長期の目標の立て方、など、
目標を達成するために日々コツコツと過ごしている私にとっても非常に役立つ内容ばかりであったため、
サラッとではあるが、つい、30分ほどかけて満遍なく目を通してしまった。
本書に出逢った場所は、横浜中華街にある占いの館、縁占館中山路店。
このお店の待合室、ソファーの脇の本棚にひっそりと、
「運気上昇のコツ」や「信じれば叶う」的なタイトルの本が並ぶ中、
最下段の左の隅に、異彩を放ちながら佇んでいた。
お目当ての先生に占ってもらうまで大分かかりそうな雰囲氣だったので、時間までと思って本書を手にとったのだが、
これが病みつきになってしまい、30分程度ではあったが、サラッと満遍なく頭に入れると、
本書にあった「長期の目標の立て方」がものすごく引っかかり、どうしても直ぐに実践してみたくなったので、
これは占ってもらっている場合ではないと、私はお店を後にした。
どうしてもこの日に占って欲しかった、
というわけでもなかった。
お目当てだった先生とは、今年の8月に、横浜にあった行きつけのBARで偶然。
彼女が其処で占いをやっているというので、私は興味本位で「今度行きます」と言った。
言ったは言ったのだが、
氣がつけば行かないまま年が明けようとしていたので、
年内に口にしたことはなるべく年内に実行しようと思っていたところ、
この日に横浜で予定が立ったので、予定の後にでもフラっと寄ってみようと思った程度のことだったのである。
誤算だったのは、こちらの先生が人氣占い師だったということ。
行けば占ってもらえるだろうと、氣軽な氣持ちで行ったのだが、待たされる、待たされる。
このお店の占い師は6名ほどいらっしゃって、私が待っている間に新規のお客様が4組ほど通されたのだが、私のお目当ての先生だけがなかなか空かない。
空かないどころか、
電話対応をしている受付の方の口からも同先生の名前が。
どうやら予約が入ったらしい。
これは大変な先生のところにフラっと来てしまったようだ、なんて思っているうち、『1日30分を続けなさい』の長期目標の立て方にビビッと来てしまったので、待っている時間が非常にもったいなく感じ、直ぐ行動に移したのである。
予約ができるということを学んだので、年は跨いでしまうが、別日にしっかり時間を設けて訪れようと思う。
迷っている時間が非常にもったいなく感じるここ最近。
振り返ると、人生の多くの時間を、〝迷うこと〟に使っている。
なので最近は、迷っている自分に氣がついたら、結果はどうであれ、とりあえず氣持ちのままに動いてみることを心がけている。
その結果、ケガをしてしまうことも多いのだが、
ケガをすることよりも、ケガをしないまま年だけが重なっていくことに恐怖を感じる33歳の冬である。
中華街を出た後は、歩いて横浜駅まで、迷わずに。
お昼に食べた中華のエネルギーを、歩くことで少しでも消費したかったのと、記憶している横浜駅付近のカフェのうち、コンセントのあるところでゆっくり長期目標を考えたかったのと。
ちなみに向かったお店はベイクォーターにある『Urth Caffe’』
私の処女作『スポットライトを浴びたくて……』のネームが誕生したお店である。
この時期の横浜は美しい。何処も彼処も、イルミネーションが綺麗である。
綺麗なものを、素直に綺麗と思えるように、日々コツコツと、できることをやっていく。