名刺を作ったけど/2024.07.04
あたしは、平日昼間は会社員として働いている。
ときどき、上司宛てにアポなしの来客が来ることがある。
しかし上司は常に席にはいない。
そんなときはあたしが受付まで行き、対応している。
今日もそうだった。
取引先の人から上司に渡す資料を受け取り、
「なにかありましたら、こちらにご連絡ください」
とその方が名刺ケースから名刺を1枚出して、あたしの前に差し出した。
「お名刺ちょうだいいたします」
とあたしは名刺を受け取った。
このセリフは専門学校に通っていたとき、
「相手から名刺をもらうときは、『お名刺ちょうだいいたします』と言ってもらうように」
と教わった。
あたしは会社員の名刺は持っていない。
取引先と直接やりとりする仕事はしないので、特に名刺を作る必要がないからだ。
そして作家活動の方の名刺も持っていない。
昔、今のペンネームとは別のペンネームで活動していた時に作ったことがあるが、渡す機会がほとんどなく、もうそのペンネームで活動することがなくなったので、去年の引っ越しのときに捨ててしまった。
卯ノ花櫂での名刺が欲しいなあ。
小説以外に、絵を描くから、イラストなんかいれて凝った名刺にしたいなと、半年前から名刺のデザインをどうするか考えていた。
いろんな個展に行ったとき、出入り口近くに作家さんの名刺が置いてあって、それをもらって帰った。
このデザイン良いなと思ったら、自分が作っている名刺のデザインに取り入れたりした。
しかし、納得いく名刺は一向に完成しなかった。
名刺に入れたいことがありすぎて、すごくごちゃごちゃとした名刺になってしまった。
これってあたしらしい名刺?
自主イベント『うさぎ月間』や新作小説の制作が忙しくなり、名刺作りは一時中断になった。
6月の終わり。
制作がひと段落したところで、中断されていた名刺作成を再開した。
どうしたら良いのかわからなくなって、ごちゃごちゃ入れていた絵や模様などを取っ払い、名前と肩書き、連絡先、SNSのアカウントしか入っていない、超シンプルなデザインで終わっていた。
……なんかこれが自分の情報をスッキリと伝わる感じがして良いかも。
絵や模様を入れない代わりに、文字の色は定番の黒じゃなくて、あたしのお気に入りの色のエメラルドグリーンにしてみた。
今の季節にぴったりな涼やかな感じがした。
良いじゃん。
これで注文しよう。
名刺やチラシなどを作る大手印刷会社に、名刺のデザインのデータを入稿して、必要な枚数を注文した。
ずっと欲しいと願っていた名刺が、ようやく手に入る。
と喜んだが、新たな問題が発生した。
それは名刺を誰か渡す機会が現段階でないのだ。
注文した名刺の枚数は100枚。
このままでは名刺だけ作って、この前の引越しのときのように捨てて終わりになるなんて嫌だ。
なにか、人に会って交流する会とかイベントとかないかな……。
次の目標
名刺をお渡しする機会がある会やイベントに参加する!