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【シャニアニ2章まで時点】シャニマスのアニメの評価は「神」とさせてください

こんにちはカイリキー王と言います。
シャニマスのenza版のほぼすべてのコミュを読み、シャニソンもがっつりやってる程度のガチ勢です。

今回、二章まで見て色々思うことがあったので、感じたことを書いていきたいと思います。
皆さんの感想と比較しながら「そんな見方もあるんだ」と楽しんでもらえたら幸いです。
※アニメのネタバレを含みます

早速ですが、皆さんはシャニアニを見てどう感じましたか?
賛否両論あるのは知っていますがあえて言います。

私のシャニアニの評価は「神」とさせてください。

まず結論から言いますと、シャニアニは非常に挑戦的な作品に見えています。
そういったチャレンジに意欲的なところも昨今のシャニマスの遺伝子が色濃く出ていますし、スタッフがシャニマスを大切に扱ってくれているのが非常に伝わってきてファンとして嬉しい気持ちにもなります。

3Dも可愛い

①おそらくシャニアニでやりたいこと

念のために断っておくと、あくまで一視聴者として「こう見えている」という感想であり、スタッフの考えを決めつけるつもりは一切ないです。
偉そうに見えてしまっていたら申し訳ないです。

シャニアニを見ていて作り手が細かくこだわっているように感じたのは、「説得力」です。
イルミネこそ既存のコミュを元に再構築していますが、
2話から4話までに展開されたアンティーカ・アルストロメリア・放課後クライマックスガールズの物語は完全新規の物でした。

例えばアンティーカを例に出すと、enza版ゲーム内のコミュや漫画版であっても283プロの中で頭一つ抜けた存在であるように描かれてきました。
しかし、ゲーム内においてはパフォーマンスが優れている描写があるわけでもなく、描写されている中で判断するならバラエティでのトーク力も放クラのほうが優れているように見えており、
イベントコミュの「ストーリー・ストーリー」においてもまず最初にユニット内で相談したのはどうやったら面白い番組になるかではなく、どうすれば長く続けさせてもらえるかというプロ意識が高いと言えるものではありませんでした。
なので、「アンティーカは凄い」という描写はありつつも、何が理由で人気が出ているのかがふわふわしてる印象を私はずっと持っていました。

作中で売れっ子の理由は?


同様にアルストロメリアも「アンカーボルトソング」や「283を広げよう」あたりの割と最近になってからラジオでの人気が前面に出てきて「YOUR/MY Love letter」ではラジオがメインで物語は展開されるようになっていました。
個人コミュから漠然と、甘奈はファッション誌で、千雪はエッセイやグラビアで活躍で活躍してるのはわかりますが、
イベントで描かれた「クエストロメリア」がどれくらいの規模の番組だったのか、初期付近の甜花の仕事の主戦場が何なのかなどは曖昧なままでした。
甜花は最近はモデルや配信を頑張っていそうですけどね。
アルストロメリアはイベントコミュ内でも一度もライブ絡みのシーンがないので、活動形態が他のユニットと異なり謎な面が多めでした。
なんならトレーニングシーンもWINGや初期コミュを除いたらほとんどないですしね。

初期はアイドルとしてどんな活動してたのか?


放クラ
もやはり同様に、地域密着型として活動している印象を持っている人も多いかもしれませんが、実はアイドルとして地域と活動をしてるのはイベントコミュの中では「階段の先の君へ」くらいで、
多くはただ単にランニング中に地元の人に挨拶をしたり、町で困ってる人を助けたり等、アイドルとしてではなく個人的に地元の人と接してる描写が多いだけなんですよね。

ファンとの関わりは多い


シャニアニではそんなシャニマスの曖昧だった要素をかみ砕いて、再構築して説得力を与えてくれています。

例えばアンティーカであれば2話で運よく超ベテランの監督に携わり、ハプニング含めてPVを会心の出来で作ることができました。
そして7話のTV番組にて「PVで話題沸騰中のアンティーカ」と描写がありました。
こうして、「ああ、アンティーカの人気にはPVというきっかけがあったんだ」とアンティーカが283プロの中でも早く注目を浴びてることにも説得力が生まれました。

アルストロメリアも3話にて、トークショウを開いており、観客は少ないにも関わらず、丁寧ないつも通りの3人のトークをしていました。
こういった地味ながらも地道な活動の延長上に今のenza版のコミュがあるんだな…と感慨深くて個人的に3話はかなり好きな話だったりもします。
トークやラジオのときの挨拶でも決めポーズをやっていたのも、「ああ、ラジオのときってこんな感じなんだ」と見れて嬉しかったですよね。

放クラも商店街の福引きから始まり、ヒーローショウ、一日駅長と目の前の仕事に全力で取り組む姿勢を地域の人が目にして、徐々にファンが増え仕事も大きくなっていくという過程が丁寧に描かれています。

これらの描写は実はこれまでは「アンティーカは売れっ子」のように結論だけ見せてもらっていた状態だったのですが、シャニアニでは再構築して過程を描き、説得力を強めてくれています。

これはユニットのみならず、例えば「WING」という大会についても同じで、WINGはシャニマスにおいて非常に重要なものにも関わらず、そもそも個人で出るのか、ユニットで出るのかすらも曖昧な「なんか大きい大会」という認識でした。
今回シャニアニでは一応の見解として、ユニットで出場するものというものだと示してくれました。

このように、「どうしてそうなったか」「どういうものか」これまで曖昧だったものを丁寧に描いていくことにシャニアニは力を入れてくれています。

3話より 3人でアルストロメリアですっ!のポーズ
千雪だけ半テンポ遅いのが良い


②シャニアニの挑戦 一つ目

個人的にシャニアニの中でも特に挑戦的に感じた点としては、
解釈の自由度のかなりの部分をスタッフに委ねている点です。

シャニアニの監督であるまんきゅうさんや、シリーズ構成・脚本を担当している加藤陽一さんも従来のenza版のスタッフではなく、今回アニメを制作するにあたって初めて本格的にシャニマスに触れたとのことです。
(ちなみに加藤陽一さんは初代アイカツ、初代妖怪ウォッチ、ミリアニ等のシリーズ構成・脚本も担当してる超大御所です)

つまり、従来のシャニマスのスタッフと、シャニアニのスタッフは異なるということです。

いうならばシャニアニはenza版のリメイクのような立ち位置となり、リメイク作品はオリジナル要素を入れると煙たがられるのが世の常です。
なので、無難に作るのであればオリジナル要素はあまり加えず、エピソードだけ追加したりするでしょうが、シャニアニは攻めます。

例えばイルミネ
シャニアニの中でも特に特殊な描かれ方をしていて、他ユニットは新規エピソードなのに対して、
既存の複数のコミュのエッセンスを複合するように物語が展開されます。
わかりやすいところで言うと、真乃がアイドルを始めるのはenza版ではWING編ですし、灯織の「今の桜木さんは多分、一人で練習したほうが良いと思う」というセリフはイベント「Light up the illumination」、真乃がセンターで悩むのはイベント「キャッチ・ザ・シャイニーテイル」です。

WING
Light up the illumination
キャッチ・ザ・シャイニーテイル



ただシャニアニはこれらをダイジェスト的につないでいるだけではありません。

例えば灯織の「今の桜木さんは多分、一人で練習したほうが良いと思う」は同じ言葉を使っていますが、ゲームとアニメでは文脈が故意的に変更されています。

ゲームの方ではセリフの前に、めぐるのダンスに、真乃の歌声に、灯織が劣等感を感じるシーンがあり、その焦りから言葉選びを失敗しているシーンとなります。

ひおってる灯織

なので言葉面だけとって強い言葉を使うこの頃の灯織を狂犬時代なんて揶揄されたりもしますが、全くそんなことはなく、むしろ劣等感と不器用さのミックスなだけだったりします。

それに対してシャニアニでは件のセリフを灯織だけアイドルになりたいという気持ちが先走った結果出た言葉として描かれます。

似たように見えるかもしれませんが、
enza版では灯織は二人よりも自分が劣っていると感じた上で口にした言葉で、
アニメでは灯織は二人よりも自分が先に進んでいるつもりになって口にしているという文脈に変更されており、灯織のメンタルセットは真逆のものとなっています。

シャニアニもenza版の「Light up the illumination」同様「ふたりの、アイドルになりたいっていう気持ち、信じられていなかった」というセリフがあります。

このセリフついてはenza版ではこれ以上言及されませんが、
シャニアニでは5話にて、レッスンの帰り道にベンチ腰かけ、それぞれがアイドルを目指したきっかけや今アイドルでいることをどう感じているのかを語り合うシーンが追加されています。

その後、Pにやんわり止められたフォーメーションダンスを真乃がやりたいと言うシーンに、つまり、自信を持てなくても一歩踏み出すシーンに、繋がっていきます。めぐる始動ではありましたけどね。
(ちなみに5話は8話までの中で私は1番好きな話です)

イルミネはenza版ではユニットコミュは仲良く遊んでるシーンが多いのですが、シャニアニではアイドルとして成長していこうとする描写が多く描かれるという違いがあります。

顕著なのが、灯織のチェックリストで、6話にて「WINGまでにクリアしたい項目をチェックリストにした」と出てきて、WINGまでに全てをクリアし、WING後も参加したことで気づいたことをまたチェックリストにしてクリアしていくという描写がありました。

これはenza版からは大きな改変で、灯織のチェックリストを通してユニットが成長していくというのはシャニアニオリジナルの要素です。

ゲームにも似たような意味を持つシーンは感謝祭に存在します。
しかし、成長を続けようというだけで、具体的にイルミネ特有の何かをするという描写はありませんでした。

個人的にはこのアニメオリジナルの、
灯織のチェックリストは非常に嬉しい描写で、チェックリストという形式も、真乃とめぐるが灯織のチェックリストを信頼して実践していくのも灯織らしさイルミネらしさ説得力を持たせてくれました。

他にもアルストロメリアはダンスを揃えるために擬音を使ってリズムや雰囲気を揃えるというのも、
放クラが貪欲に他ユニットの良い点を吸収しようとする点も、
アルストロメリアが放クラの真似をしてラジオをリスナーを意識した内容にする(後のYOUR/MY Love letterに繋がる)等も、
今まで描かれなかった要素が描かれています。

YOUR/MY Love letter

ここで思い出してほしいのが、シャニアニは当然公式のものではありますが、
従来の所謂「史実」を書いているシャニマスのライターではない人がこれらの描写を加えています。

無難に作品を作りたいのであれば、史実にエピソードの肉付けをすれば良いところを、シャニアニは大胆に新たな要素加えて再構成していってくれています。

アニメスタッフにこれだけオリジナルの要素を付け加えることを許容する懐の深さにもシャニマスらしさを感じますし、
そのためにシャニアニスタッフがシャニマスの膨大なコミュをしっかり読み込んでくれている点もシャニマスのファンとして大変嬉しく思います。



③シャニアニの挑戦 二つ目

もう一つ驚いたのが、今の時代にこんな作品を作れるのか、という点です。
シャニアニの他のアニメにない最大の特徴なのですが、
過度な味付けにしていない点です。

どういうことかと言いますと、形式上は、一話目は導入、二話目はアンティーカ回、三話目はアルストロメリア回、四話目は放クラ回…といったように区切ることはできますが、
全ての話でそれぞれのアイドルの描写があり、話が進むにつれて徐々に成長していく姿が描かれます。

最近のアニメの流行りは、四話目の放クラ回のようなものが主流で、大きなハプニングが発生しそれを解決していくという、一番わかりやすくアツいやつが人気になりやすいです。

他にもアイドル物であれば、それぞれのアイドルのプライベートな背景が見えたりして、いつも明るく見えて実は色々悩みも抱えてます、みたいな感じなことも多かったりしますね。

シャニアニは流行りとは別の形式をとっていて、物語において基本的に大きな事件は起こりません
大きな壁に当たったときにそれを乗り越えるカタルシスを描くのではなく、日々の中での小さな気持ちの変化や成長を描いています
それを顕著にしているのが「間」「映像」の使い方です。

次々にハラハラと物語が展開される謂わば劇場版の「クレヨンしんちゃん」「君の名は」型の作風が主流になっていく中、

シャニアニはいわば「ぼのぼの」「魔女の宅急便」のように感情や展開の起伏が小さくセリフも少なく、その代わりより日常に近い感動を重視しています。

クレヨンしんちゃん
映画ほとんど見てます
ぼのぼの
超名作です


これは本家であるenza版シャニマスからの伝統芸ではありますが、昨今はわかりやすい盛り上がりが次々に起こる作品が評価されやすい傾向があり、シャニマスのような作風はニッチな傾向があります。

シャニアニの中でも4話の放クラのエピソードは比較的誰が見ても気持ちや展開の盛り上がりが伝わりやすい作風で多くの人にも魅力が伝わりやすくなっています。

しかし、5話のイルミネのエピソードのような一見小さい起伏に見えて、イルミネの3人にとっては大きな問題への挑戦となっているのもまた静かな感動を与えてくれます。

enza版で例えるならば、
前者はストレイライトやノクチルのイベントコミュ、
後者はイルミネのイベントコミュや凛世や霧子の個人コミュが該当します。

当然制作サイドも明確な盛り上がりを用意したほうが万人受けしやすいとわかった上であえて今の形にしてると思うので、より挑戦的だなぁと感じますよね。

また、一話目より二話目、そして三話目とそれぞれのユニットの活動や成長の過程が毎話描かれます。そうやって一話完結ではなく、全てのユニットが少しずつ成長していく12話(現状8話ですが恐らく…)の全ユニットの長い物語となっています。

ゲームではできないわちゃわちゃシーン


④最後に

以上のことから、個人的にシャニアニは今までのアニメにないアプローチで作られた非常に攻めたアニメだと思っています。
その新たなことに挑戦していくスピリットは紛れもなく、私の愛してる5thライブや我儘なままを決行したシャニマスそのものですし、アニメの映像からもスタッフが良いものを作ろうと本気で取り組んでくれているのも伝わってきます。

内容も非常によく、二章に至っては5話目から映画館でひっそり涙を流していました。

ただかなりニッチな作風ではあるので、万人受けは難しいかなとも思います。
ただし、enza版においても万人受けしづらいであろう、霧子コミュやクロノスタシスのようなコミュを心から愛する私のような人には非常に刺さる作品となっています。

Pが真乃の顔も確認せずにスカウトしようとしたことや、甘奈が甜花の後頭部を見ながら寝顔がかわいいと言ったこと、フォーメーションダンスをやることをライブ直前に伝えたこと、三峰がドキュメンタリーで霧子のガチ制服を撮影してそのままTV放送されていたこと、放クラがWINGで会場を広く使うと作戦会議をしていたのにライブシーンでは一か所に固まっていたこと等は、私は全て些細な問題だと考えています。

制作の大変さを一応知っているので、いろんな事情があったんだろうな、くらいで微笑ましいくらいの気持ちで見守っていきたいですね。

長文をお読みいただきありがとうございました。
三章も楽しみですね!
シャニマス最高ー!!

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