遅すぎる22
天井が見えた。
だから仕事を辞めたくなった。
学校で受けていた授業も、大学で受けた講義も好きだった。
自慢できることではないかもしれないが、授業中にも講義中にも寝ることはなかった。
面白くて寝る暇なんてなかった。
仕事も同じようなものだと思っていたが、そうではないと知り絶望している。
きっと、学生時代の何者かになれるというワクワクが好きだった。今の学びは将来のかっこいい自分につながるはずだと。
天井が見えた今、仕事に対してそんなワクワクはない。今の仕事を一生懸命やったところで、なれるのはせいぜい社長だとか取締役みたいな大人だ。頑張っても、彼ら程度にしかなれない。
どんな大人になりたい、と訊かれてこうなりたいと言えるはっきりとした目標はない。しかし、こうなりたくはないという反面教師は見つけられた。何になりたいのか、考えるには遅すぎる22歳。
だけど、この人生もうワンチャンスにかけてみようと思う。
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