引っ越し10周年記念・DQN隣人シリーズ(1)

人はみんな、影響しあって生きている。

良い影響は伝播の行方もわかりやすいが、悪い影響はどこまでも計り知れない恐ろしさを含んでいる。

隣家がDQNなのは近隣住民全員ウンザリしているところなのだが、その象徴とでも言うべき玄関前で汚れるがままになっていた「放置自動車」をやっと片付ける気になったらしい。

まあ、いわゆる「ヤン車」というか。でもこれも、「とても高価なピックアップトラックをおしゃれにカスタマイズ」とか「歩道に乗り上げられないぐらいギリギリまでシャコタン」などといういろんな意味でがんばった挙句でもなく。
なにもかも中途半端で、しかもゴミがぎっしり詰められていたところを見てもあまり愛情をかけたものではないと思われる、実に不憫なもの。

でも、一見して「ガラの悪い車」ガン見しても「絶対関わり合いたくない」というもの。
この中途半端なかわいそうな車が与えた影響は、本当に計り知れないのだ。

この汚い車があったから、私の家は前住人が破産しかけて必死に売りだした時に、売れなかったのだ。
誰が好き好んで、ガラの悪い家族の隣に住みたい?あとあと面倒なことになるのがわかっていて、腹が立つばかりになるのを承知で庭付き一戸建てを買うような人がどこにいる?

その結果、前住人は子供連れで夜逃げせざるを得なかった。

もちろん前住人にも大変な落ち度はあった(登記簿を見たらわかる)。でも、子供部屋の天井に貼られたオリオン座の形の蓄光シールとか、子供部屋のエアコンは200ボルトにしてあったりとか、愛情深い家族だったようだし、本当に出て行きたくなかったんだな、と思わせるような痕跡もいくつかあった…あたりまえだけどね。

もし、そんなDQN自動車がなかったら?
放置自動車であっても普通の車だったら?

たぶん、前住人は引っ越すことにはなったとしても夜逃げじゃなかっただろうし、もしかしたら破産者の烙印は免れたかもしれない。少なくとも子供の心の傷は、まだマシだっただろう。

反社会性なオレカコイイ、ちょっとワルなジブンスキーが、一つの家族を追い詰め、子供の心にはたぶん死ぬまで影響するような傷をつけ、そんなことに思いを馳せるような良心の欠片もなく、のうのうと生きてる。

まあ、私が知ってるってことは近隣住民はみんな知ってるんだけど(笑)、引っ越してちょうど10年、この手のDQNが一体どこまで恨まれ、嫌われ、嫌がられたのかをシリーズ化していきたいと思います。

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