サイゼリヤ試験
時折、というか半年に一度、いや、もはや3ヶ月に1回くらいTwitterで話題になる議論がある。
「初デートでサイゼリヤはアリかナシか」
という争いである。
個人的な結論を言うと、「アリアリ大アリ、好きな人と食べるメシはなんでも10割増しでウメェ」である。
なんなら「いつも食べてるサイゼなのに、好きな人と食べるだけでこんなに楽しくて美味いなんて幸せすぎる~~」くらいのハッピー苺畑なことを思うかもしれない。多分そこらへんに生えてる雑草を「ルッコラだよ」と言って提供されても気づくまい。
けど、それは「初デートで食べるご飯がサイゼ」という点がアリ!ということであり、「初デートでサイゼに連れて行き、こちらがどんな反応をするかをチラチラテストする人」は大ナシなんですね。。そんな人に出会ったことないけど…
出会ったことはない。けど出会ったらどうしよう?という予期不安を抱いたわたしは(本当に取り越し苦労である)、とりあえずアマゾンの奥地へと向かった。
というわけで久しぶりにサイゼリヤに行きました。残念ながら初デートではなく通称産みの親こと母親との何十回目かの初デートです。
しばらく行かないうちに、店内でいつもわたしたちを壁や天井から優しく見守り癒してくれていた天使たちが天界へ帰っており、なんだかラグジュアリーな雰囲気に変わっておりました。
さらに注文も注文用紙に書いて店員さんに渡すシステムに様変わりしていて、高校生の放課後に友達とサイゼリヤに行った時の、もう戻らない青春の1コマと、天使のほほえみを思い出したのです。
そしてこの日大好きな酒村ゆっけさんのtiktokを拝見していたわたしは、初のイカ墨パスタを食べることを決意していました。
何回も行くお店でお気に入りを見つけたら、その後冒険はしないわたしなのですが、この日は空前絶後の大冒険することを決意。ゆっけさんと同じメニューとビールを意気揚々と頼みました。
余談ですが最近居酒屋以外のお店でお酒を飲むことにハマっています。さらに寂しい世間がそうさせているのか、一人飲みしやすい定食屋さんやラーメン屋さんが増えていて、なんだかワクワクします。
注文してすぐに、漆黒の海のようなパスタが運ばれてきました。漆黒の海の中を泳ぐ輪にされたイカ。うん、とてもおいしそう。わたしも泳ぎたい。
一口食べると口の中が一瞬であなた色に染められました。歯も唇も、すべてを染めていきました。
そしてわたしは真っ黒な海の中で溺れながら思った。
「もしデートでサイゼによる反応テストをしてくる男の人に出会ったら、イカ墨パスタを食べてテストし返そう」
きっとドン引きされるか笑ってくれるかの二択。こっちだって反応テストをしてやろうじゃないの。
ここで笑ってくれるような人はそんな意地悪なことをしてこないような気もするけど、わたしには経験値がないので試すしかない。
まず反応テストってなんだよ、リトマス紙かよ。
リトマス紙のテストだったら赤か青だけど、この二択は、多分白か黒。