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プライム市場の女性CEOがたった15人しかいない件

ここ数年「日本の上場企業女性CEO比率が1%未満で、先進国で最低水準」と連続で報じられてきてますが、より悲惨な現実があります。
プライム市場上場企業1,836社のうち、女性社長はたった15人しかいません。
帝国データバンクと共同通信の調査によると、2023年1月末時点で、プライム市場上場企業1,836社のうち、代表権を有する女性社長はたったの0.8%と、わずか1%にも満たないのです。(上場企業全体に広がると約46人になるようですが、それでも少なすぎると思います)
ただ、希望はあります。
それは、2030年までに上場企業の女性取締役比率を30%にするという公約があること。
現在は13%程度のようなので、ここ7年で約6000人の新しい上場女性取締役が誕生することになります。
先日とあるVCの方とお話ししたら、最近は出資先の女性起業家への出資比率についてLPから厳しく問われることが増えてきたと伺いました。
そもそも大元となるLP側がそういう意識になっているということは凄くいい流れだと思います。
女性にとってはまたとないチャンスであり、社会が変わる大きなチャンスでもあります。

■男性が女性抜擢が苦手な理由

「女性にばかり下駄を履かせるな」
などを揶揄する人もいるかもしれないけれども、それがダイバーシティーであり多様性であり、企業の器も社会の信用も広げられるチャンスになります。

ただ、男性からすると「女性抜擢」は悩ましい側面もあるとは思います。
そう感じる理由は2つ。
1つは、現在は男性社長が圧倒的に多いので、自分の成功体験や同じような行動様式を無意識に求めてしまい、自然と男性中心になること。
もう1つは、ビジネスよりプライベートで女性と関わる機会が多いために、女性をビジネスパーソンというよりも「女性」「彼女」「妻」といった目線で見てしまい、「幹部にするのは難しい」と無意識に思ってしまうのでは。

男性の場合、女性とは恋愛から深く付き合うパターンが多いので、恋愛・結婚・出産・育児中の女性を見る傾向があります。
「恋愛している女性」と「仕事している女性」が全くの別人であることを想像できないと、仕事で抜擢する気にはならないのではないでしょうか。
でも、多くの人がご存知のように女性は強い。
誰しも仕事とプライベートの人格は別ですから、職場の女性を「女性」「彼女」「妻」といった目線で見るのは適切ではないと思います。
僭越ながら私は、自分が女性で経営者歴24年なので、ママだろうと、妊娠中だろうと、恋愛ではちょっとメンヘラだろうと、どんな女性が幹部で活躍できるかわかるほうだと自負しています。
私の経験では「仕事になったらより一途になり、与えられたチャンスに対して誠実に取り組む女性が多い」と感じています。

もっと女性創業者や女性リーダーが増えれば、抜擢する側の目線も変わってきて、女性へのネガティブな偏見が薄まるはず。
チャンスが多い環境で育った男性にばかりチャンスを与えるより、チャンスが少なかった女性たちにチャンスが与えられる社会になると、もっともっと健全な世の中に進化すると思います。

■女性抜擢における6つのポイント

個人的に強く思うのは、「男性が作った組織に忠実だった女性」とか「プライベートを捨て、女を捨てて生き延びた女性」ばかりではなく、「出産・育児などのライフイベントと奮闘しながら結果を出した女性」も抜擢されることが大事だということ。

出産・育児も社会に貢献したキャリアの一つです。
少子化対策に加えて、共働き家庭にもポジティブな影響をもたらすはず。
消費の鍵を握っているのは女性であることも多く、女性は企業の未来や子育てしながら社会の現実や未来をリアルに見ていると思います。

私が思う「女性抜擢のポイント」は、以下の6つです。
①たった一人ではなく複数人を同時に抜擢する
②メンターのような相談できる人を社内外に作ってあげる
③「なぜあなたが良いのか」を経営者から直接説明する
④具体的なコミット目標を数値で示し、握れる
⑤自信弱めな人には階段を作る
⑥男性陣にもなぜ抜擢が必要かロジカルに説明する

「2030年に女性役員比率3割」の公約が果たせるように、私自身、起業してからずっと女性活躍推進をテーマに事業をしてきました。
女性キャリアのボトルネックだった「出産・育児」の不平等をできる限りなくし、より多くの人のライフスタイルが充実するように、2回目の起業となるキッズラインでは女性が今まで家庭内で無償で担ってきた部分を可視化し、保育士さんが稼げる社会にしようと取り組んできました。
何よりも、女性にもっとチャンスが溢れる国にしたいと思ってる。
それが未来につながると思ってる。
ひとりのビジネスパーソンとして、起業家として、これからも女性活躍推進という課題に真剣に取り組んでいきたいです。
共感いただいた方はぜひスキや、感想コメントをいただけると嬉しいです。

(編集:秋カヲリ


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