
やりたいことをやっていても、人は簡単にモヤがかかって自分を疑ってしまう 【とあるエッセイ #06】
わたしは、1〜2ヶ月に1度ほどコーチングをお願いして、そのときの素直な気持ちを壁打ちしてもらっている。
そんなことを繰り返していると、数年前の私なら「ありがたい」と思えていたことが、不思議と今の私にとってはどこか物足りなさを感じるようになっていることに気づいたりする。
先日のコーチングでも「こういうことをやりたい」と言葉にしているはずなのに、なんだか、どんどん自分の想いと矛盾していく感覚に陥っていた。
自分が発揮できていないと感じる力、自分が「できるはず」と思っている力がまだどこかで眠っているような感覚になり、それが、今の私にとって生きづらさとして顔を出しているのかもしれない。
環境や状況のせいではなく、きっと自分が変わったのだろう、と話していくうちに気づきに変わっていった。
この感覚を抱えていると、日々取り組んでいることにそこまで不満はないはずなのに、自分の「やりたい」と思うことに、いつの間にかモヤがかかってしまうことがある。
「やりたかったはずなのになんでなんだろう」と、その気持ちをただ「なんでそんなふうにダメになってしまうんだろう」と自問自答し、悶々としていた。
しかし、言葉をかけてもらっている中で、ふと「モヤがかかっているだけなのだ」と認識する瞬間が現れた。
自分と異なる価値観や考え方に身を置くと、私自身が少数派であるかのように感じることがある。
いまの世の中、同じ環境であり続けることは不可能に近い。どんどん変化していくし、一緒にいる人たちも変わっていくし、過ごしてきた経験や価値観も多様になっていくし、わたし自身も多様であることを受容できる環境であるほうがいいと、もちろん思っている。
ただ、そうなると同じ価値観を共有する、ということは途端に難しくなる。価値観の共有できない環境にいると「自分の好きな世界や価値観はどこか偏っているのではないか」と自分を疑いかけてしまう。そして、どんどんモヤがかかっていく。
だからこそ、「モヤがかかっている」と認識することは大切である。そうすることで、モヤの先にある本来の自分の気持ちを取り戻しやすくなると気づいた。そして、モヤが晴れた瞬間を自分の中でリセットできるように、同じような価値観や考え方を持つ人と触れ合って、そうした感覚を呼び戻すことも重要だと思う。
モヤッたときは、積極的に近い価値観の人たちと触れ合って話したり、そういうテーマのインプットをしていくことを増やしていこう。
何より、好きな価値観に触れたときのエネルギーを大切にしたい。自分にとっての「好き」が心を動かす喜びを、見過ごさずに生きていきたいのだ。触れたときに感じる大きな喜びやワクワクする気持ちは、ただの一瞬ではなく、自分の軸を支えてくれる。そう思うと、私が信じるべきものはいつも近くにあると感じられるし、それを信じることで、自分らしさをさらに深めていける気がする。
モヤがかかっていたとしても、自分が喜びやエネルギーを感じる瞬間がなくなっているわけはなく、認識しづらくなっているだけなのである。その瞬間を意識的にしっかり掴んでいけば、もっと自分らしく、力を発揮できるだろう。今はただ、信じる力を大切にして、自分の「好き」に対して誠実でいたいと思っている。
そうやって自分の思いや価値観を疑うのではなく、「私が好きな世界を信じていい」と自信を持てる自分でありたい。
と改めて思わせてくれるコーチングセッションであった。
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