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私が視野を狭くした話

ふとベランダに出て、「世界が広い」と感じる時と
「世界は狭い」と感じる時の両方がある、と思う。


この間、メンズエステを辞めました。
理由を聞かれて、色々説明はしてきたけど、自分の中で腑に落ちず、あれこれ模索した時に、
「私は視野を狭くしたかったんだ」と気付きました。

幼い頃から沢山の理不尽な不幸や不運に、逆に幸運と幸福に触れてきたと思っています。
そして、「やり場のない悲しさや、理不尽を無くしたい」と思って生きてきました。

でも、4年前。
自分自身が行き場のない怒りに苛まされ、
どうしようもない環境に身を置いた時に
差し伸べられた手に力のないことを思い知りました。

手を差し伸べた側の優しさや、想いに応えられない無力さも
そこに苛立ちを感じる自分の嫉妬にも
全てに腹が立ったのです。

それでも強く生きたくて、メンズエステで働いてきたけれど
あまりに多くの人と出会いすぎて、
あちらを取ればこちらが立たずな、
自分自身の中で理不尽が発生してしまいました。

知らなければ幸せだったかもしれない。
でも、知らない私なんて私が好きになれない。

コロナの中で、不幸にも命を絶ったり、
失業する知り合いも溢れる一方で

コロナのお陰で事業が成功した、
恋人と結婚できた、と幸せになる人もいて。

緊急事態宣言の中、
仕事が余計に忙しくなって病んじゃった看護師の友達は
もっと皆んなが意識を高く持って欲しいと言う。

夢を追いかけてたアイドル希望の友達は
早く宣言が解けて欲しいと言う。

子どもが出来ない友人が、それを理由に恋人に振られたり、
「独身税なんて取られたら困る」と泣く。

子どもが出来た友達が、
「保育園が決まらない」「国からの補償が少ない」と泣く。

どっちが正解だと思う?と聞かれると
何も答えられなくなってしまいます。

色々な人と関わってきたばっかりに
色々な人を助けられない自分が悲しくなりました。

じゃあ、どうしたら良いんだろうって思った時に
とある人に、

「今まで頑張ってくれてありがとう」

と言われました。

その言い方が、とても皮肉だったので。


そんな一言で自分を変えてしまうのは悔しいけれど

きっと、その一言で変わった私をみた時に
やっとその人が悲しむだろうから。


少しの恨みをこめて、

私は視野を狭くします。


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