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「産む」ことは諦めることと隣り合わせだ

体調が悪すぎて、入院していました。
妊娠おそろしい…。

思えばここ1年くらい、体調はずっと良くないですが、私生活は順調なので、まあ良しとしましょう。

妊娠して、上司に「キャリア」を問われてから、1ヶ月が経とうとしてるのですが、やはり私はもう、「キャリア」について考えることがただただ、虚しくなってしまっていました。

ほんの1年前まで、私は医師から「妊娠は難しい」と言われ、通院する女性でした。
不妊治療の通院ではなくて、単純に子宮系の診察とホルモンバランスの薬の処方のためです。

私は子どもを一生、授かれないと思っていたし、
その人生を哀れみもしなかったんです。

男の人何人かに「かほちゃんは子ども出来ないもんね…」みたいなことを言われることがあって、その人たちに心のシャッターを下ろすことが数回あったけど、その価値観を炙り出せたこともまた、プラスと捉えてました。

“子どもを持つ幸せは何にも代え難い”。
男女問わず、色んな人に言われたけれど、それでも不妊治療しなかったのは、
“子どもを持つ幸せと同等の幸せは存在する”と、思っていたからです。

もちろん、子どもを持つ幸せを否定する気はちっともないし、妊娠してるいま、子どもの誕生を心から楽しみにしてます。
お腹に命が宿っていることは確かに他の何にも例え難い愛情を感じます。

私の人生はもう、私だけのものではない。
その責任感すらも愛しく思えるのだから、子どもはすごいです。

すごいけれど、いや、すごいからこそ。
妊娠・出産・育児は「キャリア」と共存することは難しいと思えてならないのです。

私は34歳くらいまでに、社会福祉士の資格を取り、それを活かした就職先(可能であればNPO法人など)に転職するつもりでした。
そして、それを人生最後の転職にするつもりでした。
その為に昨年から、社会福祉士の資格を取る為に必要な通信大学を探していて、2023年春に入学する予定でした。

しかし、子どもが出来たことによって、それは恐らく無理であると悟りました。

子どもが小学校に入るくらいまでは転職は殆どの場合、上手くいかないとのこと。
また、転職どころか会社自体も恐らく時短勤務を余儀なくされるでしょう。
周囲に助けてくれる人はいないですし、私のキャリアのために夫のキャリアを捨てさせるほどの勇気を私は持ち合わせていません。

とゆうよりも、少なくとも来年1年は仕事自体を休むことになるのです。
保育園に0歳から預けることももちろん可能ではあるけれど、受け入れてくれる園が極端に少ないため、8割がた、即働くことは難しいでしょう。

そして、働くことを仄めかした時の周囲の反応はとても冷たく厳しいものでした。
「仕事の方が子どもより大切ってこと?」と、何人かに詰められました。

仕事の方が子どもより大切ってこと?
という質問は要するに
“子どもは何よりも優先すべき事項でしょう?”ということと、ほぼ同じ意義だと思いました。

男の人は子どもが出来たら「ますます」仕事を頑張るよう世間から言われるのに
私は子どもが出来たら「もうこれ以上は」仕事を頑張らないように言われてる気がしました。

いや、別に、良いんです。

私のキャリアなんて、大したものではないし、
皆んなが言う通り、本当にその通りで、
子どもは何よりも大切で優先すべき事項なのです。

そして、出産することを選んだのは私自身。

キャリアと育児の両立が難しいことなど、理解した上で出産することを選んだのだから、文句を言うつもりはないです。

だけど、一つだけわかってほしいのは
女性の生涯年収が上がらないのは
女性に働く気がないからでは決してないということ。

私は働く気を無くしたことは一度もありません。
世間のサラリーマン同様、あるいはそれ以上に努めてきました。

だけど、子どもを優先します。
どちらかを選ばないといけない、という事態をこの国は、いや、もしかしたら世界は、解消できてはいないです。

それだけはどうか知ってもらいたい。

私は子どもを生みたいという気持ちを優先させて、自身のキャリアを諦めるんです。

これは私の選択で、誰も責める気はないけれど、どちらかを選ばないといけないんだ、ということはとても辛いことでした。

とても、辛いことでした。

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