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お花やさんアルバイト時代の思い出①

大学生の頃はお花やさんでアルバイトしていました。大学一年生の頃は週に2~3回、学校と遠かった為徐々に回数が減り、学年が上がるにつれて母の日だけは必ず参加という形になっていました。

ちなみに、お花やさんでアルバイトをはじめた動機は、幼稚園の頃の将来の夢だったからです。幼稚園の近くにあったお花やさんのお姉さんがとてもかわいくて、大好きでした。お花に囲まれていたからというのももちろんあったかもしれないけれど、みんながおジャ魔女どれみちゃんにはまっている中、私はお花やさんみたいに可愛くなろうと思っていました。

可愛くなれたかどうかはさておき、大学生になってアルバイトを探し始めた時まず思い浮かんだのがお花やさんでした。そしたらたまたま近所にあって、経験不問だったんです。なんとサラッと合格。

これはかなりのラッキーケースでした。お花やさんで働く上では、これといった資格を求められることはあまり多くありません、それよりも、どこのお花やさんでどのくらい勤務していたのかが重要みたいです。





初夏の匂い、大学生活のゴールデンウィークの7割くらいをお花やさんで過ごしてきた私にとってはお花やさんアルバイト時代のことをどうしても思い出してしまう季節がやってきました。

お花やさんで働いている時は、ほんとうにたくさんのエピソードがありました。みんな、誰かのために、お金を払いにくるのです。基本的に、お祝いや感謝。自分の為に買う人は、きっと日常に感謝できる人だとも思うのです。切花や植木から学ぶこともたくさんありました。世界に一つだけの花の歌詞はまんざらでもなくて、お花は、自分らしくシャンと生きる強さを、その生き様で教えてくれます。枯れるその時まで。





つい前置きが長くなりましたが、、、今日は母の日胸キュンエピソードを一つ。私が働いていたお花やさんでは母の日の1週間くらい前になるとカーネーションの切花を一つ300円+税で売っています。

これがかなり大人気。

お小遣いを貯めて来てくれたんだろうなっていう小学生がたくさん来てくれるんです。男の子女の子問わず。一体母の日はプレゼントをするって誰に教えてもらったの?お父さん?

人を喜ばせたいっていう気持ちって、その頃から純粋にあるもんなんだなと思いつつ一本一本、丁寧にリボンをくくりました。

お母さん喜ぶだろうな。

その中の一人に小学校1年生くらいの男の子がいました。300円だけ握りしめてやってきて、税金を持っていなかったのです。くう。。。売れない、なんとかできないものか。

「300円でおねがいします!」

「あと8円持っていないかな、、、?」

「・・・」

悲しそうな男の子の表情がなんとも忘れられない。ごめんねの気持ちでなぜかいっぱいになったその瞬間に、小学校6年生くらいの男の子が10円玉を渡していました。

「税金っていうのがあるからね、今度から持ってくるんだよ、これは僕からのプレゼントね。」ってさらっと渡していたのです。かっこよすぎ。

私としてはもう、何に感謝していいのかわからないすぎ。笑





男の子は無事に一本リボン付きのカーネーションを買って、嬉しそうに帰って行きました。

お家で待っているお母さんは、もっと嬉しいんだろうな。想像するだけで泣けちゃう。




そんな平和な世界線で生きていたこと、お金をもらっていたことを今でも時々思い出します。初夏の匂いが大好きです。
お花やさんは生きていく上で必要不可欠ではないかと思いますが、こんなご時世でも、お花やさんって潰れないと思います。誰かが誰かを思う気持ちは、きっとどんな世界でもなくならない。そんな世界線でお金を稼いでいた経験があるから、どうしても信じてしまう。

もう直ぐ、母の日ですね。






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