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ruindig
「若者のすべて」に心寄せる新盆
夕方5時のチャイムが 今日はなんだか胸に響いて
「運命」なんて便利なものでぼんやりさせて・・・
先週、フジファブリックの「若者のすべて」のメロディが、今年も富士吉田市の防災行政無線、いわゆる夕方6時(歌詞では5時だけど!)のチャイムで流れるというニュースを見た。
富士吉田市はフジファブリックの元リーダー、故・志村正彦さんの出身地。8年前から志村さんの誕生日前後1週間、富士吉田市では夕方のチャイムを「若者のすべて」にしているらしい。
わたしはフジファブリックが特別好きなわけではない。
むしろこのバンドを知ったのは志村さんが亡くなった何年もあとのこと。
8月下旬になると去り行く夏を惜しむかのように何度も流れる「若者のすべて」をラジオで聴いているからか、わたしの中ではここ数年、すっかりこの曲が晩夏の風物詩になってしまっているのだ。
◆
夏の終わりの曲だけど、梅雨が明けてすらいない今日、前述のニュースを見たこともあって、仕事の帰りにふとこの曲を聴いた。
何度も何度も聴いた曲なのに。初めてこのフレーズが心にひっかかった。
何年経っても思い出してしまうなあ
◆
思い出したのは、道半ばで旅立ってしまった、わたしの知っている人たち。幼いころの友人、仕事でお世話になった人、親族……
忘れてしまっていたなあ。
でも時々、こうしてふとしたタイミングで思い出す。
◆
いつか聞いた話。
身近な人を亡くした時、人はいくつかの感情を通り抜ける。
それは、「なんでこの人がこんな目に!?」という憤りであり、悲しみであり、そして心にぽっかり穴があいたような喪失感であり。
しかし、その感情のあとに「忘却」というフェーズに入るのだそう。
それは故人を完全に忘れ去ったのではなく、残された人が日常を取り戻し、徐々に乗り越えていっているというサインなのだそう。
そんなこともふと思い出した。
◆
富士山をバックに夕空に響く「若者のすべて」が、まるで鎮魂の鐘のように聞こえた。
すりむいたまま
僕はそっと歩き出して
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